~mi-chan's space~

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小4:給食の時間






小4:給食の時間


  席替え大作戦があえなく失敗し、なぜか私が長本の隣の席になってからというもの、給食の時間が異様に盛

り上がるようになった。恒例の牛乳早飲みやハチミツの競争など。ハチミツの競争と一言で言っても分からない

人がいると思うのですこし説明しておこう。私たちが通っていた小学校の給食に出るハチミツは絵の具のチュー

ブのような形をした透明の容器に入っていた。中には空気も少し入っていて、チューブを逆さまにすると気泡が

下から上へと移動するのだった。「よっしゃ、いくで!みんな空気上にあるよな?じゃあ、…せーの!!」みんな

一斉にチューブを逆さまにすると、何とか早く空気をてっぺんに到着させようとあの手この手を使う。とは言って

もチューブを押してみたり、他の子の邪魔をしてみたりぐらいしか方法は無いのだが。

  そんなある給食の時間、私と大林さんがクラブの話をしていたときだった。「あの投げるとこさぁー、どうす

る?」「あ~、あれなぁ、どうしよっか…」私たちはダンスのクラブに入っていて、踊りの途中にあるポンポンを投

げる振り付けの話をしていた。すると、それを聞き間違えた長本が「えっ、何??バレンタインデー俺にくれるっ

て?」と大声で叫んだ。「はぁ?何言ってんの!そんなん言ってへんし!!」「だってあげるとか言っとったや

ん!」「それはポンポンの話で、しかもあげるじゃなくて投げるやし、誰もあんたにチョコレートあげるとか言って

へんから!」「お~い、川中(←私、仮名)と大林がチョコくれるって!」「え、まじで!?じゃあ俺も」「俺も」

  ……なんてこった。何がどうなってこんな話になってしまったのか、私には訳が分からなかった。

  そんなにぎやかな給食の時間を過ごしたのもつかの間、4年生最後の席替えが行われることになった。


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