いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

四、彼は無関心

四、彼は無関心


 それでも、気になるあの彼とは言葉を交わすどころか、目を合わせることもできずにいた。私は、彼を意識していることを悟られないよう、わざと目線をそらしたり、彼の前でわざと他の店員にだけ会釈したりしてしまう。

 そんなことをすればするほど、ますます彼が気になる。私は、彼がいつまでたっても自分に興味を示してくれないことに焦っていた。せめて、私の顔くらいは覚えてくれたはずだと思いたかった。だって、こんながらがらのスタバに連日通ってくる客は、私ただ一人だけ。印象に残らないはずはないんだけどな!?

 スタバ通いを始めてから、毎日最低12元、高いときで20~30元のコーヒー(+ケーキ)代がかかるように。1ヶ月の出費が500~1000元も増えたことになる。貧乏留学生の私にとって、それは小さな額ではなかった。私はなんとか他で節約しようと、一食約20元かかる好物のケンタッキーや韓国料理は我慢し、近所の薄汚い食堂で5~10元の食事をとるようになっていた。

続く→


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