いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

三三、熱烈歓迎

三三、熱烈歓迎


 勤務を終えたビンビンが私たちの部屋にやってきたのは夜中の1時過ぎ。

 北京スターバックスの勤務は朝7:30~午後4:00の早番と、午後4:00~夜中12:30までの遅番の2交代制。仕事が終わる頃を見計らって、私とヤッシーは部屋着のまま彼を迎えに出た。とは言っても、スタバは通りを挟んだ向かい側で、目と鼻の先。10月の北京の夜は、少し肌寒かった。ちょうど日本の11月くらいだろう。深夜の大通りは、車も通らずに静まり返っていた。

 彼がやって来て、始めは三人で宇多田光(ヒカル)のコンサートDVDを鑑賞しながら、おしゃべりしていた私たち。しばらくして、明日早いから、とヤッシーが自分の部屋に戻っていった。

 え、え~っっもう!?急に二人にしないで!?

 広いリビングで二人きりになって、ちょっと微妙な空気が流れた私とビンビン。緊張からか、気まずさからか、会話が途絶えた。そしてどちらからともなく、じゃ、私たちもそろそろ寝よっか・・・という雰囲気に。

 このとき私は、きっと彼自身も、彼が泊まることを自然の流れのように思っていた。


続く→


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