いつかはカナダ犬と北京生活

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三五、同じベッドに

三五、同じベッドに


 「美咲、寒い?夜じゅうずっと咳込んでる。風邪引かないように、ベッドに来て暖かくして寝たほうがいい。」ビンビンが小さな声で言った。

 私は、余分な布団がなかったのでジャケットをかぶって寝ていた。確かにその夜は冷え込んでいて、寒さで夜中に何度も目が覚めていたのだ。だけど、彼と同じベッドで寝ることも、ヤッシーに迷惑を掛けることもためらわれた(ヤッシーのベッドは小さなパイプ式のシングルベッドだったから)。

 「大丈夫、もうすぐ朝になるから、大丈夫!」

 そう言う私に、彼は笑って言った。

 「美咲は何を心配してるの?あんな大きいベッドなんだし、端と端に寄って寝れば問題ないと思うけど?」

 まあそれもそうだよな~、隣の部屋にはヤッシーも寝てるんだし、何もできるはずないわよね?私は思い直し、彼と同じベッドで寝ることにした。本当に端と端に寄って。そうしてまた数時間は眠っていたと思う。


続く→


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