いつかはカナダ犬と北京生活

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五三、最後の一線

五三、最後の一線


 長い長いキスのあと、ビンビンの手が私の身体に伸びた。私は彼と一線を越えてしまうことが急に怖くなり、彼の手を止め、「彼女がいるんでしょ。だめ。やっぱり私とそんな関係になったらだめ。だめだよ・・・」夢中で言った。彼にそう言いながら、ほんとは自分自身に言い聞かせていたんだと思う。

 彼は言った。「我没有女朋友(彼女、いないよ)。」

 「真的ま(ほんとに)?」私が聞き返すと、

 彼は「没有(いない)」と繰り返し、まるで私の口を塞ぐように、熱いキスを始めた。そうだよね、今更そんな質問ばかげてる。レンさんがいてもいなくても、私はビンビンが大好きなんだから・・・。

 私はそのとき、もうどうなってしまってもいい、このまま大好きなビンビンに抱かれたいと心の底から思い、それ以上彼に何を聞くでもなく、抵抗するでもなく、彼に身を任せた。


続く→


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