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2008.03.28
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カテゴリ: 暮らし
 2006年の12月、石油ファンヒーターの不完全燃焼で7人が死亡するという痛ましい事故があった。所は苫小牧、自主回収中の欠陥製品だったらしい。それだけ読むと、メーカーの責任だと思う。でも、そのファンヒーターが 拾ってきた廃棄物だったのであれば事情は違う 。廃棄物であれば壊れている可能性は高い。それを使用するかどうかは 自己責任 だろう。そもそも20年以上も前の製品なのだから。

 何でこんな古い話題を持ち出したかというと、この件でメーカーが提訴されたから。そして、報道姿勢がいつものパターンで、 気の毒な被害者と、ろくにコメントもしないふてぶてしい加害者 という構図。

 古いことなので、記事を探すのも苦労したのだが、 ここ にこんな記事があった。


温風機は拾ってきたものだった…苫小牧7人中毒死
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann/20070112/20070112-00000028-ann-soci.html(リンク切れ)
北海道苫小牧市のアパートで先月、子供5人を含む7人が一酸化炭素中毒で死亡した事故で、「原因となった石油ファンヒーターは、拾った廃棄物だった」と関係者が話しています。
 この事故は、先月、北海道苫小牧市沼ノ端のアパートで、7人が一酸化炭素中毒で死亡したものです。その後、関係者が「事故を起こした石油ファンヒーターは、捨てられていたのを拾ってきたものである」と話していることが分かりました。警察で、裏づけ捜査を急いでいます。事故の原因は、部屋にあった石油ファンヒーターの不完全燃焼でしたが、ヒーターには不完全燃焼の防止装置がついていませんでした。メーカーは、20年前からヒーターの回収を進めていましたが、回収は徹底されておらず、全体の1割ほどが未回収となっていました。警察は、業務上過失致死傷の疑いでも調べていましたが、刑事責任を問うことは難しくなりました。
リンクは切れていますが2007年1月12日配信であることが分かります。


ヒーターは廃棄物=業過致死傷の立件困難に-苫小牧7人CO中毒死

 北海道苫小牧市のアパートで7人が一酸化炭素(CO)中毒死した事故で、室内で不完全燃焼を起こした石油ファンヒーターは正規に購入されたものではなく、死亡した女性の親せきが拾ってきた廃棄物だったことが12日、道警苫小牧署の調べで分かった。
 メーカーがヒーターの自主回収をしていたこともあり、道警が業務上過失致死傷容疑でメーカーの刑事責任を問うのは困難とみられる。
アパートの部屋に7遺体 女性2人と子供5人 北海道・苫小牧 - iza( 2006年12月15日 )


 この事故が起きたとき、すぐに拾ってきたものだと分かったらしい。これではメーカーに責任を問うことは無理だ。と言うわけで、刑事事件としての立件は見送られたのだろう。ところが今年になって、賠償金を求めて民事で争うことになった。事故の原因となったファンヒーターが廃棄物であったかどうかは重大な情報だ。

苫小牧の7人CO中毒死、遺族が製造元を提訴へ

 北海道苫小牧市のアパートで2006年、メーカーが自主回収中だった石油ファンヒーターを使用し、幼児を含む7人が不完全燃焼による一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故を巡り、遺族が製造元の「トヨトミ」(本社・名古屋市)を相手取り、総額約8000万円の損害賠償を求める民事訴訟を近く札幌地裁に起こすことを決めた。

 提訴するのは、事故で娘と孫を亡くした北海道日高地方の女性(58)ら遺族2人。一家は、廃棄されていたヒーターを再利用していた。トヨトミは「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
(2008年 3月23日 10時22分 読売新聞)


 3月23日の時点では、廃棄物であったことに触れている。ところが、数日のうちに方針を変えたようだ。

苫小牧の7人CO中毒死、遺族がヒーター製造元を賠償提訴
 北海道苫小牧市で2006年12月、自主回収中の石油ファンヒーターを使用し、幼児を含む7人が不完全燃焼による一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故を巡り、同市の女性(25)ら遺族2人が25日、製造元の「トヨトミ」(本社・名古屋市)を相手取り、約8000万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。

 遺族らは「当時の通産省(現経済産業省)が回収を命じていれば事故は防げた」として今後、事故多発を把握しながら回収を命じなかった国にも損害賠償を求める方針。
2008年 3月26日 03時03分 読売新聞




北海道・苫小牧のCO中毒死:製造元を賠償提訴 2遺族「欠陥周知が不十分」

 北海道苫小牧市のアパートで06年12月、子供5人を含む7人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故で、「メーカーが製品の欠陥を知りながら回収を怠った」として遺族2人が25日、不完全燃焼を起こしたとみられるポータブル式石油ファンヒーターを製造した「トヨトミ」(名古屋市)を相手取り、計約8000万円の損害賠償を求め札幌地裁に提訴した。

 提訴したのは長女(当時5歳)を亡くした苫小牧市の女性(25)と三女(同25歳)を亡くした日高管内の女性(58)。訴状などによると、7人は06年12月12日未明ごろ、苫小牧市沼ノ端のアパートでCO中毒死。室内に同社製のヒーター「LCR-3型」が、スイッチが入り灯油が切れた状態であった。

 82~83年製造の同型機には不完全燃焼防止装置が付いておらず、CO中毒事故が続発。これを受けて同社は86年以降、9割以上を自主回収した。遺族側は「周知方法、内容が不十分だった」と主張している。【芳賀竜也】
毎日新聞 2008年 3月26日  東京朝刊


 こちらでもファンヒーターが廃棄物だったのかどうかに触れていない。もしかしたら、廃棄物だったというのが当初の混乱による間違いだったのかも知れないと思ったほどだ。でも、地元北海道新聞の記事では、廃棄物であったことに弁護士自身が触れている。

「周知不足でCO死」 苫小牧の遺族がトヨトミを提訴 03/26 07:36 北海道新聞)

 苫小牧市のアパートで二〇〇六年十二月、七人が一酸化炭素(CO)中毒死した事故で、遺族二人が二十五日、COの発生源とみられる灯油温風機を製造した「トヨトミ」(名古屋)を相手取り、総額約八千万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。

 訴えたのは、事故で長女=当時(5つ)=を失った苫小牧市の女性(25)と、三女=同(25)=を失った日高管内の女性(58)。

 訴えによると、この事故では、同社が「トヨストーブ」の商品名で製造した「LCR-3」型が使用中に不完全燃焼し、CO中毒を引き起こした。

 遺族側は、この機種では同様の事故が相次いでいたにもかかわらず、「トヨトミが行った危険性の周知は、チラシ配布や新聞広告などだけで不十分だった」と、同社に周知義務違反があったと主張。

 さらに、今回の事故当時、総販売台数の約9%が未回収・未交換だったとして、回収義務違反があったとしている。

原告代理人の市川守弘弁護士によると、この事故では廃棄物だった温風機を拾って使用していた可能性が高い

 遺族は「今後、同様の事故が起きないように、トヨトミには問題の機種をすべて回収してほしい」とコメントを出した。トヨトミは「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

 しかしこの弁護士、廃棄物を拾ってきたストーブの事故の損害賠償なんて、よく引き受けたものだ。成算はあるのだろうか。





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Last updated  2008.03.28 05:42:58
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