HIVのニュースの件は、記事の通りなら、勤務先の総合病院はアウトだと思います。
患者の無知に起因する素朴な不安に迎合する謂れはありません。

大学病院のほうがよく解らないのですが、勤務先病院を受診した結果 大学病院を紹介された、となっていますので、常識的に考えて紹介元に結果を報告するものだと思うのです。
患者から要請されて正当な診療情報としては報告せずに、別経路で情報を伝えたのであればもちろんアウトですが、その場合は紹介に対する報告をきちんとしなかったことも非難されてしかるべきだと思うのです。
つまり、勤務先病院からの紹介で受診した病院でHIV感染が判明したのであれば、その情報が紹介元病院である勤務先に伝わるのは避けようのないことだと思うのです。 (2012.01.13 21:51:51)

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2012.01.12
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カテゴリ: トンデモ
 前回 怪しい代替療法について書いた ばかりだというのに、やってしまいました。あろう事か、うちの病院自体が怪しげな広告の載っている雑誌を配布してしまったのです。

 つい最近、整形外科医から、問題のある広告の載ったテレビ番組表が患者談話室に置かれていると報告がありました。実際に見てみると、ひと月分のテレビ番組表の載った小冊子のフリーペーパーです。

 番組表とほんの少しの記事らしきもの以外は、すべて広告です。そして、その内容の半分以上は代替医療で、残りもオカルト関係が多く、病に疲れた人にとっては頼りたくなりそうな内容です。

 特に危険なのは、やはり癌治療でしょう。医師から根治不可能な癌だと告げられれば、「○○で治るよ」と言う言葉に心は揺らぐでしょう。そのような癌治療に関するものだけでも6種類ありました。

 もちろん「○○で治るよ」と言うようなストレートな表現ではなく、「癌は治ります。そのためには免疫力がナンタラカンタラ。免疫力なら○○」と言う具合。これだと法的には問題ないのでしょうが、治ると言われれば何にでも飛びつきたい人にとっては「○○で治るよ」と言われたのと同じでしょう。

 内容を確認した後、すぐに事務に連絡し、今後は配布しないようにしました。患者サービスの一環としてテレビ番組表を配りたいという気持ちは分かりますが、配布する前に内容を確認して欲しいものです。

 追加情報として、医療紛争専門の弁護士の広告もいくつかありました事をお知らせしておきます。急に配布をやめると、勘ぐられるかも知れませんね。





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Last updated  2012.01.12 18:02:56
コメント(12) | コメントを書く
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トピックとは反対?の状況  
Pちゃん さん
<HIV>「感染で退職強要された」看護師が2病院提訴

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120113k0000m040133000c.html

20年以上前に中学、高校でエイズについて習い、定期試験のために覚えた程度の知識しかない私にとって
HIV=エイズ=感染宣告は死亡宣告、というイメージです。
匿名で感染、非感染の検査ができ、当然ですが通常以上(?)の高い守秘義務が課せられる部類の個人情報でしょう。

しかし、感染者が医療従事者となれば話は違うと思うのです。
病院内で患者は大きく口を開け、ポンポンと注射をされ、内臓をさらされるわけです。
医療従事者の唾液や血液が患者の体内に入ることはまずありえない、と言われればそうなのかもしれません。
お医者さんはマスクをしていますし、けがをして血だらけになった状態で患者に接することもないでしょう。

それでも患者側が怖い、HIV感染者は医療に従事しないでほしいと思うのは、ありえない効能のなんちゃって医療に飛びつく人たちとは反対に
ありえない不安に恐怖して人権を軽んずる愚かな思考なのでしょうか。 (2012.01.13 17:46:07)

出典  
Pちゃん さん
bambooさま

失礼しました
挨拶が抜けた上に出典を書くのを忘れました。
アドレスでお分かりかとも思いますが
リンク先は毎日新聞の記事です
朝日新聞も記事にしています (2012.01.13 17:52:36)

Re:出典(01/12)  
Dr. Bamboo さん
Pちゃんさん、コメントありがとうございます。

HIVキャリアの看護師の退職問題については以前に書いたことがあります。
http://plaza.rakuten.co.jp/tinyant/diary/201005040000/

たとえHIVに感染していたのだとしても、患者に危険のない部署はあるはずです。
それでも感染している看護師が居ると言うだけで恐怖を感じる患者は居るかも知れません。

必ずしも恐怖は合理的とは限りません。
それはそれで仕方のないことだと思います。
でも、他者の権利を侵害するような場合には、不合理な恐怖を理由としてはいけないと思います。
(2012.01.13 21:37:06)

横から失礼  
JSJ さん

知らなければ考えない  
Pちゃん さん
Dr. Bambooさん
お返事ありがとうございます

>たとえHIVに感染していたのだとしても、患者に危険のない部署はあるはずです。

危険のない部署はあるということは、危険のある部署もあると言う事です。

今回ちょっと考えても複数の重要な問題点があります(悪法も法という視点ではなく)

1.検査病院が医療従事者のHIV感染を勤務先病院に伝えたことは悪か
2.医療従事者がHIV感染を勤務先病院に伝えないことは許されるのか
3.医療従事者がHIV感染した場合、解雇できるか

3.に関してDr. Bambooさんは危険の無い部署に就かせれば良いというご意見ですが
記事によると看護師はHIV感染を勤務先に伝えていません。
休職を強いた勤務先病院だけでなく、勝手に伝えたとして検査した病院も訴えていますが
自身で伝えないと言う事は、検査病院が伝えなければ勤務先病院では看護師のHIV感染を知らないということになり
「感染の危険のない業務に就かせる」という病院側の判断はあり得ません。
知らなければ考えない、当然のことです。

この看護師が、危険のある業務を指示された時に
「それはできない、理由は言えない」と答えたとは思えません。

全ての問題で厚生労働省がHIV感染者保護の立場をとっていることも
HIV感染者に刺さった針が他人に刺さっても感染する確率は非常に低いと言う事も調べました。
記事により、医療も進歩でHIVに感染してもちゃんと治療していればエイズは発症しない、大丈夫、という情報も得ました。
しかし確率が低い、大丈夫なら、国内エイズ患者は減少しても良いのではとも思えます。
(この辺り自分自身、原発事故とその後の放射線に対するマスコミや国民の反応は過剰だと感じている感覚と矛盾しているなとは思っています)

HIV感染者を区別してはいけないという前提は
歯科医、外科の執刀医も例外ではありませんよね? (2012.01.14 01:35:48)

Re:横から失礼(01/12)  
Dr. Bamboo さん
JSJさん、コメントありがとうございます。

患者情報として勤務先の病院の主治医に検査結果を報告するのは紹介された大学病院としては不合理ではないでしょう。

問題は、勤務先であろうとも、患者は患者であり、従業員として扱ってはいけないと言うことではないでしょうか。

医療機関として患者の個人情報を得たとしても、それを雇い主として利用してはいけないのでしょう。

実質的な危険もないことですし。
(2012.01.14 05:15:15)

危険はほとんど無いのですけどね  
Dr. Bamboo さん
Pちゃんさん、コメントありがとうございます。

ちょっと言葉尻を捉えられたという感もありますが、実際に看護師からHIVが感染するとしたら、手術室業務でしょう。それも、かなり限定された状況でのことです。

その他の業務では、患者から医療従事者への感染はあっても、看護師から患者への感染の恐れは気にしなくて良いと思います。

せっかく番号まで振ってくれたので、疑問点にはお答えしようと思います。

今回は紹介元が勤務先なので、検査結果を勤務先に報告しましたが、そうでなければ勤務先に患者の個人情報を知らせるのはアウトです。

医療従事者であろうとも、プライベートな事を勤務先に知らせる必要はありません。
実質的な危険はないのですからなおさらです。

で、HIV陽性を理由に解雇は完全にアウトです。
もちろんHIV陽性者は明るみにしたくはないでしょうから、因果を含めて辞めさせることは出来るでしょう。以前私が書いたエントリのように。

でも、今回のように訴えられたら、たぶん病院が負けますよ。

また、エイズが減らない理由ですが、やはりセックスでしょう。
看護師は患者とセックスするわけではありませんから、今回の件とは無関係です。

ここまで書きましたが、この件はトピずれです。
このエントリでは、あまり引っ張りたくはありません。
でも、重要な問題だと思うので、次回取り上げようかなと思います。

(2012.01.14 05:43:19)

やっちまってます!  
ふぃっしゅ さん
Bamboo先生こんにちは。
産科関係なら、もう「やっちまった」ような情報だらけです。
「子宮を丸くして、胎児の頭の形をよくする」骨盤ベルトとか・・・。
助産関係の雑誌の広告からして、代替療法の宣伝で占められています。
みんな変だとおもわないのでしょうか。

ところでBamboo先生は、院内のどういう立場でこのような対処をすることかできるのですか?
安全管理ですか?
こういうチェック機能が、全国の医療機関に浸透するといいですね。 (2012.01.14 09:48:22)

産科医や助産師さん、お願いしますよ  
ふぃっしゅさん、コメントありがとうございます。

どうも産科と「トンデモ」は親和性が高そうですね。
その分だけ専門家には毅然とした態度を期待したいと思います。

事務に配布をやめさせた件ですが、幹部会議に諮ると言ったら、その場で配布をやめることになりました。
院長に叱られるのがいやだったのではないでしょうか。 (2012.01.14 10:25:46)

Re:やっちまったぜ(01/12)  
Kosuke さん
家族が入院した病院のデイルームで発見。20部ほど置いてありました。入院中はTVが唯一の楽しみという患者さんも多いでしょう、番組表を置くこと自体は患者サービスの一環として良いことなのでしょうが、これはあんまり・・・。
?
良くしたもので、そのすぐ横に投書箱がありましたので、
「このような広告(が載った雑誌)は貴院には相応しくない。撤去して下さい」
と書いて入れておきました。一瞬、入院している家族に不利益は?という考えが浮かびましたが、病院の業務そのものに難癖を付けている訳ではないのでそれは考え過ぎだろうし、匿名より記名の方が効果が有りそうなので名前と電話番号も明記しておきました。
?
後ろの方を見ると「難病で苦しむクローン病の患者達が創刊なんたら」という記述があり、そういう経路で病院に入り込んだのでしょう。事務レベルでは断りにくい空気がありそうです。
> 医療紛争専門の弁護士の広告もいくつかありました事をお知らせしておきます。急に配布をやめると、勘ぐられるかも知れませんね。
あはは・・・。じゃ「弁護士はさておき、もう少しまともな広告主を選んでくれ」とお伝えしとくとか(笑)
?
既に2例が判明したわけですが、他の病院にも相当部数配布されている可能性があります。商売柄、医療施設に行く機会が多いので、他所の病院の状況も引き続きウォッチしてみます。可能であれば、どういう経緯で置くことになったのかもヒアリングしてみますね。 (2012.01.16 12:21:05)

Re[1]:やっちまったぜ(01/12)  
Kosuke さん
直前の投稿で改行毎に「?」が入ってしまいましたが、恐らくiPhoneから書き込んだためと思われます。無視して下さいませ。 (2012.01.16 12:43:00)

回答が張り出されるかも  
Dr. Bamboo さん
Kosukeさん、コメントありがとうございます。

うちの病院だと、名前の入ったまともな投書には回答することになっています。
張り出されるのは、たいていは外来ロビーだと思います。
(2012.01.16 17:50:00)

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