サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2020.09.04
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平成の終わり 1.

 別に安倍さんに肩入れして言っているというわけではなく、よく考えてみれば2020年の9月と言えば、青山さんが以前言っていた安倍さんが勇退すべきという時期でもありましたね。その心はと言えば、確かオリンピック開催を経て、「任期を待たず余力を残して引く」というのが、政治家としてベストだというようなことだったと思います。コロナ禍はそうしたすべての期待値を吹き飛ばして、ただし勇退時期だけは外してくれなかったということでしょう。

 さて世の中の関心は、すでに次期政権の行方のほうに焦点が移っていますが、私はやはり歴代最長の政権を維持し続けた安倍政権の評価を、もう少ししっかり見定めるべきだと思う。これについては以前もこのブログで触れたことがありますが、第一次政権の失敗をしっかり踏まえて、ニューカラーで押し通したことが長期政権誕生の根本にあったように思う。で、そのニューカラーとは第一次政権で前面に押し出した「戦後レジームからの脱却」というフレーズを引っ込めて、第二次以降はこの文言を注意深く封印したということでしょう。
 「戦後レジーム」とは言ってみれば昭和の遺物であり、それからの脱却ということは昭和からの決別ということを意味するわけですが、逆に言えばそれをたかだかと掲げれば掲げるほど、安倍さんの立脚点が昭和にあるという印象もまた強くしたわけです。で、その昭和のイメージとは、いわゆる岩盤の保守層、誇り高き日本の復活を希求する層を連想させるところがあったわけで、一次政権発足時はほとんど右翼の政治家のような書かれ方をしていましたね。

 第二次政権ではそうした古びた保守性を封印し、「三本の矢」という経済再生を表看板にすることによって、イメージの転換に成功したのではないか?いろいろな書かれ方をずうっとされているけれども、アベノミクスの効果は株価の上昇だけでなく、戦後最低水準の失業率という形になって現れていたわけで、これが果たした社会的安定というのは計り知れない。平成の世が昭和に比べて暴動とかストライキ、はたまた学生運動のような社会不安をもたらす事件がはるかに少なく、自然災害を別にすれば、きわめて穏やかな時代であったことを指摘する人はあまりいませんね。
 現上皇陛下が、ご譲位の折りに平成の世を振り返って、「戦争がなくて、良かった」と、しみじみおっしゃったことが、私には非常に印象に残っています。共産中国の台頭、テロ国家北朝鮮の核実験やミサイル発射など、疎開を経験された陛下からみれば、現下の日常の平穏は、いつ破られてもおかしくないということを、常に覚悟しておられたのでしょう。

 これは全くの私見で、前にも言ったことがありますが、「クールジャパン」といった、いわば居心地のいい日本見直しのような風潮は、平成のいわゆる「失われた20年」の間に生まれて来たものであり、その長期にわたるデフレの社会にあって、なぜか民心は荒れることなく、むしろ日本的エートスは洗練の方向に向かって行ったのです。昭和懐古的な映画がヒットしたりしますが、実際生きてきた戦後40年ほどの昭和の時代というのは、けっこう人心は荒れていたし、社会不安も多かったですよ。「バブルもあったじゃないか」という声が返って来そうですが、この時期、都市部の私学に通う学生なんか、BMBで通学してディスコに通うのが、「ナウい」と言われたりしていて、では、そうした振る舞いが洗練されたエートスであったのかどうか。
 今どき、外国人観光客が口をそろえていう「日本人の清潔好き」というのも、平成のそれも後半になってから顕著に現れてきた日本人の行動様式であって、それ以前の私たちの生活や都市空間は、お世辞にも「清潔」とは言えなかった。他ならぬ私自身も、くわえタバコで街を闊歩するのは普通にやっていましたよ。今では街中どころか田舎でさえ、公衆のゴミ箱が姿を消し、自分の出したゴミは(悪いけどコンビニか)家に持って帰って始末するのが、当たり前になってしまいました。
 肝心なことは、こうした「清潔好き」というイメージが、あたかも元々日本人が持っていたエートスのような(例えば神道の「禊」の伝統に通じるような)文脈で、しばしば語られているということです。そうじゃないだろう、こうした日本人の行動様式や都市景観は、ここ20年ほどで醸成されたものだろう、というのが私の観測なのです。


 話が少し飛びますが、先日高橋洋一さんの出ていた Newsチャンネル が面白かった。黒田日銀のインフレ・ターゲット2%とは、単なる物価上昇目標でも金融緩和でもなく、雇用安定策としてとられていたというのです。
 このマクロ経済におけるフィリップス曲線の理論を本当に分かって「アベノミクス」を論じたジャーナリストや学者、政治家が日本には一人もいないというか、どうしても「分かりたくない」層が、オールドメディアを筆頭に、日本の知識層の大半を占めているということでしょう。
 政治的思惑や妙な同調圧力のようなものが入り込むとき、冷静な分析や議論が封じられ、知的不調を招くという不幸がここにも現れている気がしました。雇用政策に関するかぎり「アベノミクス」は歴代政権と比べても、飛び抜けて高い実績を残したという事実は揺るがないのです。





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Last updated  2020.09.04 18:05:41
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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