○・。Ｍooncalfの絵本。・○

01-05

1■■Leave me alone.■■

　Leave me alone.
“私をほっといて。”

　口ではそう言ってるけれど
　貴方が苦笑して行ってしまった後
　一本、私の手の下敷きになった
　かわいそうな小さな花で
　どうしようもない花占いをしてること
　貴方は知ってる？

　一枚、二枚
　貴方は来る、来ない

　花占いの結果が出る前に
　貴方は来てしまうから
　無惨な姿にされた花は
　もといた花畑にダイブする

　天の邪鬼な私はやっぱり
　また貴方に繰り返す
　Leave me alone.
“私をほっておいて。”

　そう繰り返すけど
　私は願う
　ねえ、お願い
　気づいて

　天の邪鬼な私の
　Leave　me alone.
　その言葉の裏にある
　ほんとの、私の、言葉を。

2■■ROYAL・LOYAL■■

　Royal・・・王家の
　Loyal・・・忠実な
　気高き貴方と
　貴方の忠実なる僕（しもべ）の私
　たった一文字の差なのに
　住む世界は別世界

　なのに貴方は
　私の摘んだ薔薇を受け取ってくれる
　一日の仕事を終えた私の
　頭をそっと撫でてくれる

　そしてこう言ってくれるの
“敬語なんて使わなくていい。
　僕はそんな高貴な奴じゃない”

　いいえ、貴方は高貴な人
　薔薇と月光が似合う人
　別世界の住人である私を受けいれてくれた
　その大罪で貴方が失ったものの
　代わりを私がしてあげる
　貴方の罪の大きさに比例するほど
　悠久なる時を貴方に捧げると誓おう

　顔、、身体、、部屋、そして罪さえも
　優しく照らす、あの月にむかって

3■■ハナウラナイ■■

この血のように赤い薔薇を
一本優しく手折って
明日のことを占いましょう。

一枚　二枚
三枚　四枚

すると貴方は私の腕を掴んで
やめてくれと頼む
明日が見えても何も良くはないと。

いいえ、明日は見えた方がいい
明日が見えれば今の内にできることができるでしょう。
未来を違えることができるかもしれないでしょう。

そうすると貴方は腕を掴んだまま
悲しそうに目を伏せて言う
明日が見えないからこそ
できることがあるんだと。

例えば・・・？

そんな私に彼は微笑んで言う
明日、何が起きるかわからないから
君を大事にできるんだ、と。

4■■純白の花嫁■■

貴方が心の扉を開けてくれるまで　
堅く閉ざしていよう
誰も入ることは許されない
純血のまま　純白のまま
貴方の元へ嫁ぐのです。
その純血を
奪っていいのは貴方だけ
その純白に
爪をたてていいのは貴方だけ
次の満月　零時ちょうど
この塔のてっぺんの部屋に
迎えに来て下さい
辺りは真っ暗で
何も見えないけれど
微かな月明かりで浮かぶ
この純白のドレスを
見つけて下さい

私をどうか奪って下さい
さあ
扉を、鍵を、心を
開けて。

5■Ｉｓ　ｔｈａｔ　ｍｅ？■

羽根に包まれた私の心を
誰も垣間見ることはできない
そのことが私を苦しめるなら
私の心を大切に抱えて
地の果てに捨ててしまいましょう
そうすればきっと　苦しくなくなる
でも　その時の私は
Ｉｓ　ｔｈａｔ　ｍｅ？（ほんとに私？）