○・。Mooncalfの絵本。・○

○・。Mooncalfの絵本。・○

36-40


36*Stroke of universe*

母なる宇宙が脈打ち
惑星(ほし)達は廻る
母なる宇宙の手に抱かれ
惑星(ほし)達は産声をあげる

ああ我ら宇宙の子供は
いつ母の元へ還れるのだろう。
心の奥で人々は思う
だからこそ人々は宇宙へ行きたがる
故郷へ帰りたがる
「ああ、神よ」
そう言って空へ祈りを捧げるのも
安らかな眠りにつくために
優しい母の手で頭を撫でてもらうため

人間の全ての努力は
もう一度母に会うため
人々は母の腕に抱かれて眠る
いつの日か

blue

37■光差す茜色の箱庭■

教室という小さな小さな箱庭の中
 あたし達は毎日を過ごした
 前の席の君の腕が
 あたしの机にかつんと当たったり
 いつもは騒がしい教室で
 いつもは背中ばかり眺めてるのに
 静かな二人だけの、夕暮れの教室で
 君と一緒に当番日誌書いたり
 今では必然だったのかもしれないできごとは
 あのとき、確かに偶然だった
 その中で唯一必然だったもの
 それはいつからか芽生えてた、この想い

 いつかきっと
 このきらめいた日々を思い出すだろう
 小さな教室という箱庭
 クラスメイト
 君と、そして私
 幾度となく思い出すだろう
 いつからか芽生えてた、この想い

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38■まばゆい出発■

あたし達は、何のために生まれて
何のために生きてきたのだろう。

わからず生きてきたあたし達。
時計の歯車が止まっていたあたし達。
でもあたしの歯車と
あなたの歯車が
重なって 触れて 
動き出した
あたし達の心に
鼓動が 光が 明かりが灯った

その鼓動が 光が 明かりが消えないように
手をとろう 手をつなごう
手を差し伸べ続けよう

光とともに
あたし達は歩く

永遠(とわ)の夜明けを目指す

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39■コーヒー豆■

君は愛って言葉を
 いつも大切に使うけれど
 愛ってなに?
 ほんとにあるの?

 君はある時そう呟いた
 その答えを知りたいのなら
 ずっと、私のそばにいて
 コーヒー豆のように
 挽いたら甘くて苦い、そんな想いが
 愛だって言ったら
 君はわかってくれるかしら?



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40■叫ぶ人■

あるとき
あるところで
叫ぶ人を 私は見ました

叫びは荒々しいのに
なぜか泣き声のように聞こえたのは
その叫びが自分を奮いたたせる最後の手段だと
そう、わかってしまったから

だから私も叫びます
叫びは誰かの耳でなく
自分の中へとこだまします

あとからあとからこぼれる雫を
感じながら叫びます

私の行く末に幸あるように。


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