表参道ヒルズ＜原宿＞
ＪＲ原宿駅 です。写真は表参道への出口，それに坂の下にある竹下通りへの出口，すなわち坂下口があります。表参道の交差点にある歩道橋に立つと駅の向こうにＮＴＴドコモなどの新宿高層ビルが見えますね。
ところが，けやき並木の表参道側を眺めると・・・ゆるい下り坂の向こう，左手に懐かしのツタの絡まる同潤会青山アパートがあって・・・そこを取り壊して・・・ 表参道ヒルズ ができたのであります。ところが，知る人ぞ知る・・・なんと，表参道ヒルズとほぼ同じ方角，表参道ヒルズの向こうに 六本木ヒルズ がそびえ立つのでございます。
さて，私はこの原宿がホームグラウンド・・・竹下通りや表参道ヒルズの喧噪には無関心・・・真の原宿人，いやこのあたりは渋谷区神宮前と申しまして，本来派手なものは苦手なのでございます。それで晴れた暖かい日には文庫本などを片手に，竹下通りの裏手にある東郷神社の境内か明治神宮の森の中に身を潜め，都会の喧噪から逃れるのでございます。
原宿（神宮前）の住人に限らず，懐かしいのは，神宮前小学校の隣，表参道に面したところに三階建てのアパートがあったという記憶。このアパートの名前は「 同潤会青山アパート 」。ケヤキ並木と蔦のからまる古めかしい建物とがよくマッチして，原宿の季節毎の風物詩にもなっていました。それにいつからか，アパートにもタレントの小さなショップが店開きするなど，私もちょっと驚いたほどでした。
築後８０年近くなったこのアパートは老朽化が著しく，取り壊されましたが，ここに２００６年１月にできたのが「 表参道ヒルズ 」，安藤忠雄さんが設計したものです。表参道は原宿駅から青山へ向かって緩い坂になっていますが，この坂の勾配を建物にも取り入れた面白い造りになっています。建物の高さもアパートが３階だったため，同じく３階，そして地下３階が加わりました。アパレル系のお店が多いような気がするのですが，どんなお店が入っているのかはＨＰで確認ください【 ＨＰはここです 】。小さく区切られたスペースにたくさんのお店があって，若者には人気があるようです。実は表参道ヒルズができてから，土・日は通りが歩けないほどの人混みになるので，近くに住みながら，私はここへ近づくのを敬遠しているのですね。
それでこの建物の東の端は上の写真のように，かつての同潤会アパートが一部復元され，「同潤館」と名付けられています。でも，かつてを知る者にとっては，形，寸法は同じでも，とてもこんな感じじゃなかったな，という思いです。どうせ復元するなら，外壁も捨ててしまわないで，これを貼り付ける程度のことはして欲しかったですね。イタリアでも内部は改装して近代的にしてしまっても，外壁はしっかりと保存するという態度です。
＊同潤会青山アパートのオススメＨＰ → その１ その２
表参道，東京オリンピックのときの広々とした道路，青山から原宿までの洒落たお店の並ぶ通り，明治神宮から坂を下って青山へ続くから表参道，代々木側からも明治神宮には入れるが，こちらは「裏参道」とは言わないのですけれど，有り難さは半減。
ＪＲ原宿駅で降りて表参道口へ，逆の坂下口から出れば竹下通りですが，歩道橋を渡って左側の歩道を歩きましょうね。下り坂です。やがて大きな交差点が現れます。交差点の渋谷側には交番があります。この交差点，さらに直進しますよ。すると間もなく，苔むしツタが絡む同潤会アパートが・・・早見優が小さなお店を構えていたりしたのですが，ここに１１日「表参道ヒルズ」がオープン。地上，地下とも６階。表参道と同じ勾配のスロープ。森ビルが１８９億円を投じたそうですね。
でも，昔から原宿に住む私にとって，良い時代の懐かしい建物がどんどん壊されていくのは寂しいですね。「価値とは変わらないもの」だとすれば，ここには価値がないのかな？ 一方イタリアなどではとにかく道路に面する姿だけはちんと保存されますね。内部を改装して住めるようにはしますが，だからいつまでも美しい町並みが保存されるのですね。
昨日，今日とヒルズに行ってみましたが，疲れるだけ。感心しませんね。六本木ヒルズも同じですがね。見るべきものがないのですね。ここに住む方々も「ヒルズ族」なんて呼ばれるようになるのでしょうか。
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