江戸東京ぶらり旅

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江戸の恋<八百屋お七>



 本郷駒込の八百屋さんのお七(16歳)は,江戸で頻繁にあった火事で焼け出され,円乗寺(えんじょうじ)というお寺に仮住まいすることになりました。そこで運命の出会いです。お寺の小姓である左兵衛(さへえ)に乙女心が燃えたのです。彼女はその思いを忘れることができず,「ああ,もう一度会いたい。どうすればいいの。そうだ,もう一度火事になれば,またあのお寺で彼に会えるかも」

 それで昔から罪の重い犯罪を・・・鈴ヶ森刑場(品川の南ですね)で放火の罪で消されてしまったのです。そんなことしないで,さっさと会いに行けばいいのに・・・でも,携帯のない時代ですよ。今では恋の成就(うまくいくこと)や縁結びの願掛けで若い女性ファンが押しかけます。その場所とは地下鉄三田線の白山駅を出て,駅の南端,白山下交差点と白山一丁目交差点を結ぶ道路の中程にある円乗寺(白山一丁目)にあります。女性たちが石をひっかいて持っていくので,供養碑はでこぼこ・・・ここからほど近い大円寺(都立向丘高校のそば)にはお地蔵さんがありますが,お七供養のために建立されたもの。首から上の病気(頭・目・鼻・耳など)ややけどに御利益があると言われ,平たい土鍋をかぶっていることから焙烙(ほうろく)地蔵とも呼ばれ,やはり多くの人々が訪れています。 


八百屋お七墓4.JPG大円寺:ほうろく地蔵3.JPG


お地蔵さまとわたし 惚れたが悪いか 物語江戸の事件史 柳亭痴楽ライヴ 桃太郎│八百屋お七│幽霊タクシー《落語名人集(五)》



吉三郎

 天和3年(1683)3月29日,一人の若い女が鈴ヶ森刑場で火あぶりの刑に処せられました。犯した罪は放火。東京本郷にあった自分の家が火事にあい,お寺に避難した折に出会った一人の男と恋をします。やがて女の家族は再建された家に戻りますが,この男のことが忘れられられない。もう一度火事が起きたら会えるかも知れないと思い,放火。短絡的,自己中心的な犯罪でした。この女は「八百屋お七」,恋の相手が吉三郎ですが史的確証はありません。

大円寺11.JPG


 だから男の素性には生田庄之助説,侍の佐兵衛説など色々な説があるのです。
 JR目黒駅から行人坂を下ってすぐ,大円寺の説明(写真)では,吉三郎はお七処刑後に出家して西運となり,現在目黒雅叙園がある場所にあった明王院に入門。お七菩提のために「隔夜日参一万日」の行を行ったそうです。すなわち一日おきに,ここから坂を下ってちょっと行ったところにある目黒不動と浅草観音の間,なんと往復40kmの道を夜から朝にかけて鉦を叩き,念仏を唱えながら通うもの。こんなことに54年も時間を使ったのですね。ところがこれが江戸市中の評判となり,多くの寄付金が集まり,これを基に,行人坂の下にある目黒川に架かる太鼓橋がつくられたというのです。明王院は明治維新後に衰退,明治13年に廃寺,寺仏などはこの大円寺に移されました。


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