江戸東京ぶらり旅

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由井正雪の乱<豊島区>

慶安事件 」は「 由井正雪の乱 」とも呼ばれるます。テロを計画した中心人物は 由井正雪 さん, 丸橋忠弥 さん, 金井半兵衛 さんです。どのようなテロを計画したのでしょう。

 この頃の社会状況はというと,徳川家光さんの指導のもと厳しい武断政治,つまり幕府にとって邪魔な大名を取りつぶしたり,給料を減らしたりするような政策を実行したので,武士の中にはリストラで職を失い,フリーター(浪人)になる者が増えたのです。彼らは再就職など簡単にはできず,生活苦のあげく盗賊や追剥などの犯罪に走る者も増加して,社会不安も増大しました。こういう状況ですから,優秀な軍学者であった由井さんは幕府の政策を批判,彼が神田連雀町で開いた軍学塾「張孔堂」には不満を持った浪人が多数集まったのです。


 そんな中,家光さんが病死。11歳の家綱ちゃんが継ぐことになったのです。由井さんは悪政をおこなう幕府を転覆させるチャンスだと思ったのですね。なんたって将軍は幼い,テロを起こしても相手はうまく対処できっこないと読んだのでしょうね。やるなら同時多発テロ。具体的にはこうです。丸橋さんは小石川の幕府火薬庫を爆破,江戸市中数箇所に放火して,登城した政府要人を襲撃,江戸城を占拠して家綱ちゃんを人質に。由井さんは久能山を攻略して霊廟に納められた家康さんの遺金を奪い,全国の浪人に一斉蜂起を呼びかける。同時に,大坂では金井さんが騒乱を起こす,というようなものでした。

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●豊島区にある金乗院:面影橋から徒歩で少々●

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●金乗院の丸橋忠弥の墓●


 ところがです,仲間の奥村八左衛門さんの密告で計画はバレてしまうのです。奥村さん,実行に移す段になって怖くなったのでしょうかね。丸橋さんは江戸で捕らえられ品川の鈴ヶ森刑場で磔にされました。由井さんは駿府で宿泊中,警察に宿を囲まれ切腹するしかありません。また由井さんの死を知った金井さんは大阪の天王寺で自害。計画はこうして頓挫しました。でも,この事件と翌年に起こるテロ未遂事件で幕府も反省しました。今までの政策を見直そうとなったのですね。浪人対策に力を入れ,力の政治から法律や学問によって世を治める文治政治へ転換をはかります。ブッシュ政権にも教えてあげたいですね。



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