tomochi’s  caffe

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★★★★★

「戦場のピアニスト」     2002年  製作:ポーランド・仏
監督:ロマン・ポランスキー  出演:エイドリアン・ブロディー/トーマス・クレッチマン

ストーリー:第二次世界大戦中のポーランド。ウワディック(ウワディスワフ・シュピルマン)は
      ワルシャワのラジオ局で演奏中爆撃に合う。ナチス占領下、ユダヤ人は
      ’ゲットー’(ユダヤ人居住地区)に送り込まれる。
      シュピルマン一家もゲットーへ
      ワディックはゲットー内のカフェでピアノ弾きの仕事を得る。
      ゲットーの中ではドイツ兵とユダヤ警察による、人間狩り、虐殺行為が行われていた。
      ナチスのユダヤ人完全根絶「最終的解決の為収容所へと送られて行く。
      収容所行きを逃れられたウワディックはゲットー内で働く
      ある晩、ウワディックはゲットーを脱出。ポーランドのレジスタンスの力を借り、
      隠れ家を転々とする。
      ワルシャワ蜂起の中、戦場と化した街、悪夢の中、ウワディックはかろうじて、
      逃れるがある晩、ドイツ人将校’ホーゼンフェルト’(トーマス・クレッチマン)
      に出合う。ピアノを弾くよう命じられ、ウワディックはショパンを奏でる。
      ホーゼンフェルトによりウワディックは命を助けられる。

コラム:実際、ポランスキー監督も体験した、ナチスのユダヤ人虐殺。
    ポランスキーが映像化できなかったのが良く解かった。
    (「シンドラーのリスト」を蹴った、のも納得)
    ユダヤ人と言うだけでゲットーの中に入れられ無差別に殺され、ゲットーの街の中は死体が
    ごろごろ・・・シュピルマンは窮地に立たされながらも生き抜いていった。
    きっと、彼には音楽(ピアノ)があったからだろう・・・
    音楽にはどんなに険しい困難がおき様とも、乗り越えられるパワーがある事を
    教えてくれている様な気がした。
    もう一つ、この作品で気になったのは「人間関係」。一般的にはナチス=加害者、
    ユダヤ人=被害者である。しかし、ユダヤ人の中にも同朋に憎まれていたユダヤ人警察官
    がいたり(でも、シュピルマンは助けてもらうんだけど・・・)、
    ナチスにもユダヤ人を助ける人がいたり(ホーゼンフェルト)
    実体験してる、ポランスキーだからこそ、この事実をリアルに描けたのではないかと思った。

PS:ホーゼンフェルト大尉は何人ものユダヤ人を助け、自分はドイツ敗北後ソ連の収容所にて、死去
   シュピルマンと同じくホーゼンフェルトに助けられたユダヤ系ポーランド人がホーゼンフェルト
   の実家を訪れた時、見せられた彼が助けた人のリストの中にシュピルマンの名前があったことで
   ホーゼンフェルトの名前が解かったそうです。

    ーカッテに関連のおすすめ映画ー
      「暗い日曜日」「ぼくの神様」「がんばれリアム」       

「過去のない男」     2002年  製作:フィンランド
監督:アキ・カウリスマキ  出演:マルック・ペクトラ/カティ・オウティネン

ストーリー:男(マルック・ペクトラ)がヘルシンキの街にたどり着く。
     男は暴漢に合い(おやじ狩り?)身包みはがされ、重症を負い、命はかろうじて、
     助かるも記憶喪失に・・・たどり着いた先のコンテナ暮らしの家族に助けられる。
     自分の名前もわからない、男は仕事も住まいも見つからず、途方にくれるが街の人々や
     イルマ(カティ・オウティネン)に助けられ、仕事とコンテナの家を手に入れる。
     やがて、イルマと恋に落ち・・・
     銀行口座を作ろうと行った、銀行で銀行強盗と出くわし、行員の女性と共に金庫の中に閉じ
     込められる。その事件がきっかけで男の妻が見つかり、男の名前が
     アヤッコ・アンテロ・ルヤネンである事がわかる。
     男は妻の元へ帰るもまったく記憶にない・・・
     離婚も成立しており、妻には新しい恋人もいた。
     男は迷わず、ヘルシンキ(イルマの待ってる)の街へ戻る。
     帰りの電車で寿司と酒をつまみながら・・・「ハワイの夜」が流れる。

コラム:1999年の20世紀最後のサイレント映画「白い花びら」以来の久々の長編作品
    カウリスマキ作品には欠かせない「カティ」、初の主演となる「マルック」また新たな
    名コンビに今後も注目したい!
    カウリスマキの作品はその時代に対する彼のアンチ的な思想が取りこまれている様な気がする
    名前も生年月日も判らなければ、仕事にも付けず、口座も開けない・・・管理された社会。
    銀行も職員がリストラで行員の女性一人。銀行強盗の男もバブルがはじけ、口座を凍結され、
    給料を払う為に仕方なく、強盗をする事に(強盗は強盗だけど元は自分のお金)。
    街の人々も失業者が多く、コンテナ住まい。コンテナの管理人は人の弱みに付け込んで、
    高い家賃で本人ぬくぬく生活。・・・こんな事って、あるなあ?と。
    こんな時代の中でも、この男を取り巻く、街の人々や救世軍(イルマ達)の温かさには
    ほっとさせられる。
    記憶を失った男も自分の過去を思い出そうとしたりせず、未来に向かって、前向きに
    人生を送ろうとする。これもカウリスマキらしさを感じた。街の生活は苦しいはずなのに
    ユーモアたっぷりで(出演者は相変わらず無表情なんだけど・・・またそれが笑いを
    そそる)笑わせていただいた。
    暗ーい、こんな社会だけど、ぼちぼち、楽しく生きようぜ!って、感じだった。
    ’ハンニバル’(わんこ)もいい味出してた。白い花びらのわんこかなあ?
    最後の方の場面で男が電車の中で寿司とお酒を呑み、クレイジーケンバンドの「ハワイの夜」
    が流れる。笑っちゃう場面なんだけど、男の気持ちと「ハワイの夜」の歌詞が妙にマッチして
    涙をそそる・・・
    カウリスマキファンの私としてのこの作品は一番良いなあと思う。マニアックな作品が
    多いが「浮き雲」「過去のない男」を観るとカウリスマキワールドに引き込まれる事
    間違いなし!

PS:過去の作品で”敗者三部作”(「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」)
   と言われているシリーズがあるが、この「過去のない男」は「浮き雲」と同じような流れ
   の様な気がするので、次回作もハッピーエンドの路線かなあ?なんて思ったりして。

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