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うりえる さんくちゅありー
与えられたモノ
与えられたモノ
空は
僕を哀れんだかのように
あの高い雲の上から
僕を見下した
雨は
僕を馬鹿にするかのように
僕の頬を強く打ちつけた
風は
僕を存在しないもののように
僕の横を静かに通り過ぎた
俺は
この空間を自ら人と接さずに関わりをさけた
二度と同じ苦しみに会わないように…
朝、7時15分。
俺はいつものように目を覚まし朝食をとって学校へと向かった。
教室に入る。
窓際の一番後ろ、一つだけ孤立した机、そこが俺の席だ。このクラスに俺、矢野口 雅弥(ヤノグチ マサヤ)という存在は無かった。
よく授業なんてどうでもいい、とかいう奴が居るけど、俺にはそいつらの考えが理解できない。俺にとって学校なんて授業を受けに来ているだけのようなものだ。
その日の授業は全て終わる。
部活動もやっていない為すぐに帰る事が出来る。だからといっていつも真っ直ぐ家に帰るわけではない。
コンビニによってから、通学路にある小さな公園、ここによるのは俺の日課だった。
公園に入り名前を呼ぶ。
「おいっ、黒」
その名前に反応したのか草陰から一匹の猫が出てきた。
「にゃぁー」
黒はこの公園にずいぶん前から住み着いている猫だ。毛並みは奇麗にそろっていて尻尾の先だけが白、そのほかは真っ黒だった。
初めて黒に出会ったときからコイツは人懐っこかった、きっと何らかの理由で捨てられたのだと思う。
俺は黒専用に用意した皿に、今コンビニで買ってきた餌を入れる。
こうしていつも餌を入れて帰るのだが、たまに俺の来る前から皿に餌が入っている事があった。きっと俺のほかにもここに立ち寄る人が居るのだろう。
餌を食べている黒の頭を軽く撫でると、俺はその場を立ち去った。
家につく。台所に行くとテレビがついていた。天気予報をやっているらしい。『今夜は雪が降るかもしれません』テレビから流れるその言葉が耳に残った。
『雪が…』
黒の事が心配になり俺は再び家を出た。もちろんタオルなど温められるものを持ってだ。
さすがに夕方になると外は完全に冷えこむ。
公園に入ると草陰に人の姿が見えた。そこには黒も居た。
「黒…」
俺はその人を呼びかけるより先に黒を呼ぶ。すると黒は俺の声に気付きこちらへ寄って来た。
「にゃぁ~」
「あ…」
黒と一緒に居たのは一人の少女。その子は、俺の黒を呼ぶ声に反応して振り向く。
しかもその少女は始めてみた顔では無かった。
「雅弥?」
「あ…梓…」
富白 梓(トミシロ アズサ)、髪の毛は短めのショートでスポーツ少女といった印象を持つ。コイツは俺の幼馴染だ。家はそんなに遠いわけではなく中学まで同じ学校に通っていた。
だけどしだいに2人で遊んだり話したりすることはなくなって行き高校生になった今では全く話なんてする事はなかった。
「えっと…久しぶり」
少し気まずい雰囲気の中、先に話かけたのは梓だった。
「あ、ああ…」
久しぶりに会ったから、といのもあり会話が続かない。
「ま…雅弥は、何でこんな時間にここに居るの…かな?」
「いや、ちょっとな。そっちは?」
「え?うん…ちょっと」
ぎこちない会話を繰り返すなか、黒が俺の足元で鳴いた。
「あぁ、ごめん黒」
俺は自宅から持ってきたタオルを草陰に置いた。
「今日は冷えるらしいからな…」
「雅弥…」
そんな俺の行動を梓は静かに見ていた。
「あ」
俺はふと思い出し、声をあげる。
「ずっとコイツに餌あげてる奴って…もしかしてお前?」
「え…うん、毎日じゃないけど…来てるよ」
やっぱり梓だった。
「えと、もしかして毎日この子に餌あげてるのって…」
「俺」
「…そうだったんだ」
梓は黒を抱いたままブランコに座り。俺はその横でコートのポケットに両手を入れて立ち尽くし、そのまま2人で話し込んだ。
「こうやって2人で話すの…ホント久しぶりだよね」
「そうだな」
「雅弥は変わった…でも変わってない…」
「なんだそりゃ?」
梓の言っていることが理解できなかった。
「優しい所…変わってないよ。この子のために今日ここに来たんでしょ?」
「そうだけど」
「あのさ…学校…」
梓が言いかける。
「ん?」
「…学校…どうかな…って」
「べつにふつう」
「ふつうって…中学の時と変わらないって事?」
「そうなるな」
「…」
梓が黙る。
「どうした?」
「ってことはだよ?やっぱりクラスでは…」
「独り」
「どうしてかな…」
「独りのほうが楽でいい」
俺は思ったままのことを言った。
「そんなことないと思うけど…」
「俺は独りの方がいいんだよ」
「でもさ」
こんな風に俺の事を気にしてくれるのは梓だけだと思う、でも今は少し梓がしつこく感じた。
俺はその場を立ち去る事にした。
「俺、帰るな」
「あ…」
「じゃな」
俺は梓に抱かれている黒の頭を撫でてから、家に向かった。
その日の夜、天気予報の通りに雪が降り始めた。
「…降り始めたか……黒…」
黒の事を心配しながら俺は眠りについた。
朝。
窓の外は一面真っ白だった。
俺は、コートを着込み学校へ向かった。
「雪だよっ雪!」
教室に入ると数人の女子生徒が外を見ながらはしゃいでいた。
ここで雪なんて珍しいものでもないし、むしろ寒いだけなのに…。
3時15分…
全ての授業は終わる。
そして公園へ向かう。
「雅弥」
公園に入った瞬間梓の声に呼びかけられた。
「…今日も来たんだ。お前」
そのまま公園に入り梓の所へ行く。
「うん。この子に会いたかったっていうのも会ったんだけど、今日は・・・雅弥に会いに来たんだよ?」
「俺に?なんで?」
俺はその場でしゃがみ込んで梓の足元に居る黒を撫でて、餌の用意をした。
「雅弥…座ろ?」
2人はブランコに座りながら、その前では黒が餌を食べていた。
「それで?何?」
「…雅弥に…ね……頃に…って…ほしい」
梓の声が小さすぎて言葉を聞き取る事が出来なかった。
「ん?なんだよ、聞こえねぇぞ」
「あ、ごめん…だからね、雅弥に…前の雅弥に戻ってほしいのっ」
「…何言ってんの…?俺はずっとこのままだけど?」
俺はさめた声で梓に言った。
「違う…」
梓の声は淋しげだった。でも次の瞬間。
「違うよ!!」
梓は下を向いたまま俺に怒鳴った。
「……説教しに来たわけ?今日は」
「ごめんっ…そうじゃなっ…」
「俺はお前に用はないから…もう帰る」
「まっ…」
梓の呼び止めようとした言葉を無視して俺は帰ろうとした。
「待って…!」
「まだ何かあんの?」
「そうやってずっとずっと逃げるんだ」
「………」
「傷つくのが怖いから…ずっとそうやって逃げ続けるんだ…」
「何が言いたいの?」
俺は後ろを向いたまま立ち止まった。
「加菜乃の事…まだ気にしてるの?」
加菜乃(カナノ)。その名前を聞いて俺はつい怒鳴ってしまった。
「うるさい!お前には関係ないだろ!?ほっといてくれよ!」
「関係なくないよ!雅弥は…あの時の事…今でも引きずってる…だから、今は人との関わりをさけてる…そうでしょ?!」
「……」
…何もいえなかった。
中学二年生の時だ、俺と梓、加菜乃の三人はいつも一緒に居て、いわゆる仲良し三人組だった。
夏。
俺と加菜乃は付き合いはじめた。
前から梓は2人の相談相手になってくれていた。
毎日が本当に楽しくて、嬉しくて、幸せで…
でもそんな幸せな毎日も長くは続かなかった。
車の通りが多いい道で、加菜乃が車に轢かれそうになった。
俺はとっさに加菜乃をかばって、加菜乃は無事だった、俺は多少、怪我をして数日入院する事になったが、たいした事は無かった。
「ごめんね、ごめんね…」
加菜乃はお見舞いに来るたびにそう何度も言っていた。
「俺は大丈夫だから、加菜が無事でよかった」
「でも…でもぉ…」
加菜乃はすごく心配性で、いつまでも俺の怪我の事を気にしていた。
退院の日、加菜乃と梓は一緒に病院まで来てくれた。
「退院おめでとう」
梓は嬉しそうに、そう言ってくれた。
でも加菜乃は違った。
加菜乃はどこか浮かない顔をしている。
少し歩いた所の横断歩道を渡ろうとした時、信号が赤に変わり俺たちはそこで立ち止まった。
「加菜?さっきからなんか変だぞ?」
「うん…私もそう思うよ?」
俺の言葉に続き梓もそれに続けた。
加菜乃はかすかに口を開く。
「私が居たから…雅弥が…こんな…」
「え?」
「私が居ると迷惑だよね…私なんか居ない方が…いいよね」
「加菜!何言って…そんなのこと…!」
「そうだよ!加菜乃!何言ってるの!」
「私が居たらっ雅弥を不幸にするだけだよ!」
加菜乃の体が道路側へと向けられる。
「加菜乃!まさか本当に!!!」
梓がその言葉を言った時にはすでに手遅れだった。
加菜乃は道路を走り抜ける車の波に飛び込んでいた。
「加菜ーーーっっ!!!」
「加菜乃ーーーっっ!!!」
俺も梓も、その時加菜乃を助けてやる事はできなかった。
「あの時…あの時っもっと私が相談に乗ってあげてたらきっと!きっと加菜乃はあんなことにならなかったかもしれない!だから関係なくなんてない!!」
ひさしぶりに…いや、初めてかもしれない…梓がこんなになって俺に対して怒るなんて。
「加菜は…自分から飛び出したんだ…お前のせいじゃないだろ?」
俺にはこんな言い方しか出来なかった。
「ならっそう思ってるなら、雅弥はこんなにはならなかったでしょ!?今のっこんな雅弥には!!」
俺の話す間が無いくらい、梓は話を続けた。
「雅弥は優しすぎるの!自分のせいじゃない事まで全部自分のせいにするの!何もかも一人で背負おうとするの!それだからっ…」
一瞬、話が途切れ、梓は俺の顔を見た。
「だからっ3年たった今でもその事を引きずってて!…どうせ…俺は幸せになんてなっちゃいけないんだ…なんて言い出すんでしょ…?」
「俺がいなけりゃ…アイツが死ぬ事も無かった…アイツは…加菜は…俺が殺したも同然なんだ…」
梓は淋しそうに黒の所まで行き、黒の頭を撫でる。
「雅弥は…かわいそうだよ…」
「かわいそう?」
「うん…」
「…なにが…?」
少し梓が黙る。
「…私、このことで…加菜乃の事…すごい恨んだ事があった…」
梓が黒を思い切り抱きしめる。
「お前が…?」
「加菜乃と雅弥が出会わなかったら…雅弥は前のままの雅弥で居られたのに…そう…思った事があった…親友だった…加菜乃の事…私は…」
「…でも今はそうは思ってないんだろ?」
「あたり前!!今では、そう思った事、後悔してる!!」
「ならそれでいいじゃないか…過ぎた事気にする事…ないじゃないか……」
梓は少し驚いていた。
「まっ雅弥に言われたくないよ…過ぎた事気にしてるのは…雅弥でしょ!?」
「俺は…俺は…もう気にしない…」
「雅…弥…」
加菜乃の事を、いつまでも引きずっていた自分が今思うと少しばかばかしかった。
今までの3年間…俺はまた、同じ事で傷つくのが恐くて…人との関わりを避けて…それもたった一度の、出来事で…
「雅弥…こっち向いて…」
「ん?」
梓は真剣に雅弥の顔を見つめる。
「うんっ…前の…前の雅弥だ」
梓の顔に笑顔が戻っていた。
気がつくとあたりは暗く、公園の街灯がつき始めていた。
「それじゃ…またね…」
「おぅまたな…」
そして2人は黒に別れを告げて家へと帰った。
翌日。
昨日の梓との事があったからといって、急に学校での態度が変わるわけでもない。
俺は、1日の授業を終え、黒の所へ向かう。
俺の勘。きっと今日は梓も来る。
公園に入る前の道路。俺は地面に点々とつくシミのようなものを見つけた。それは公園の中へと続いていて、しだいにそれは「血」のようなものだとわかった。
不安がよぎる中、そのまま俺はソレをたどった。
そしてそのたどった先…。
最初に俺が確認した姿は梓だった。
「梓!」
一気に梓のものへ駆け寄る。
でもそこに居た梓は服に血がついていたもののまったくの無傷だった。
振り返った梓の目からは大粒の涙が止まることなく流れていた。
梓が白い布に包まれた何かをぎゅっと抱いていた。
そのなかに居るのは、冷えて硬くなった黒の姿…。
「!」
「どうしてかな…?どうして…こう…上手くいかないのかなあ…」
「……」
「この子ね…道路から…ココまで…一人で歩いてきたんだよ…」
抱きしめた黒を見ながら梓が話す。
「きっと…雅弥が来るの…待とうとしてたんだね…」
「……」
俺はただ呆然と黒を見ていた。
―全てが元に戻ってしまった感じがした。
―梓と再び出会って。
―前の俺に戻って。
―でもまた…。
……。
もう悲しい思いはしたくなかった。
毎日この公園で黒に会いに来ていればそれでいいと思ってた。
もう、悲しい思いなんてしなくてすむと思ってた。
それがまた。
違う形で、悲しみを味わう事になった。
「この子は…雅弥にここに来てもらえて…嬉しかったと思う…」
梓が黒を見ながら言う。
「嬉しい…?なにが嬉しい!?俺がここに来たってコイツが死んじまったら意味ねぇじゃんか!」
俺はつい怒鳴ってしまった。
「…ごめん。でも…でもそうでしょ?この子は雅弥が来ると信じてココに来た…ここまで歩いてきた、最後の力を振り絞って…」
「……怒鳴って悪かった…」
「ううん…」
「俺、どうしていいかわかんねぇんだ…俺…」
「雅弥は…何もしなくていい…この子を最後まで見届ければ…それで…」
……。
俺と梓は公園の隅に小さな黒の墓を作った。
その前には今日黒のために買ってきた缶詰めを置いた。
「黒…今までありがとな…」
墓の前でしゃがみ込む俺の後ろには梓が静かに立ていた。
「私…雅弥の悲しそうな顔見たくない…」
「ん?」
「私、もう雅弥の悲しい顔なんて見たくないの…」
「今俺、そんな顔してる?」
自分ではそんな顔をしているとは思っていなかった。
「してる…すごい…悲しい顔…」
「……」
俺が黙ると少し会話に間が出来た。
「私じゃ………だめかな」
梓が何かつぶやく。
「私じゃ…だめかな?」
「何が??」
「私じゃ雅弥を幸せにしてあげられない?私なんかじゃ加菜乃の代わりになんかならない…かな?」
「何を…」
梓の顔は真剣だった。
「……」
梓は黙って俺の返事を待った。
「…たとえ俺が幸せになったとしても、俺はお前を幸せにはできないぞ?」
すこしからかうように梓に言う。
「それでもいいよ!私が、私が雅弥と居たいだけだからっ」
梓は顔を赤くしてその言葉を言い放った。
あまりにも真剣な梓を見て、俺は悪いと思いながらもつい笑ってしまった。
「…っぷ」
「なっ何!?」
「わりぃ、あまりにもお前が真剣だからつい…」
「ひどーい!わっ私真剣なのにっ」
梓が頬を膨らませて俺を睨みつける。それがまたおもしろくてさらに俺は笑い出した。
「…もぅ…一気にムードダウンしちゃったじゃん…いい雰囲気だったのになぁ~…なんて」
少し飽きれた感じで梓は俺を見つめた。
「正直さ…今は誰も好きになれない」
「…そっか…」
残念そうな梓に俺がさらに言葉を付け加えようとする。
「でもいつかは―…」
「でも私諦めないよ!!」
俺の言葉がかき消され梓が俺にそういった。
「…は…はぁ…」
そんな梓らしい行動に今度は俺が飽きれた。
「あ~ぁ、雅弥にフラれちゃったなぁ~」
そう言う梓の声は明るかった。
「それで?さっき何言いかけたの?」
「え?何って?」
「さっき言いかけたじゃん、『でもいつかは…』何?」
ちゃっかり聞いてたのか…。
「なんでもないよ」
「うそつけぇ~」
「お前には関係ないだろ?」
「あっそういうこと言うんだ~!」
黒の死を堺に、
前と変わらない日々が、
再びよみがえった。
これから前と変わらない毎日が始まる。
いや、正確には前よりも良くなっているかもしれない。
『でもいつかは…梓の事を心から好きだと思えるようになるかも知れない、そう遠くない近い未来だ。』
きっとこれは黒が俺に与えてくれた
最大の贈り物かもしれない…。
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