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昨年、がん探知犬による健康診断が、山形県金山町で始まったという話題を紹介した。がん探知犬は、良性腫瘍には、反応せず、がん患者が出す呼気や尿検査に反応し、有無を嗅ぎ分けて知らせ、100%に近い実績があるというものだ。健診では、尿の検体を使う。これに対して、今度は、8月に日立製作所が、体長1mmほどの線虫を使ったがん検査の実用化を加速させると発表した。線虫は、がん患者の尿に含まれる微量物質を嗅ぎ分ける性質を持っているそうだ。がん患者の尿には、近寄り、がん患者ではない人の尿には、離れるという特性を応用したものだ。日立製作所とベンチャー企業HIROTSU社との共同実験であるが、線虫の動きを自動で、撮影したり、分析したりできる装置を開発し、2020年までに実用化をめざすという。これによって、検体数が、日に100人程度に増え、がん探査犬同様にがん検診の負担軽減に繋げようというものだ。科学が発達した今だからこそ、応用できる技術かもしれないが、生物が進化の過程で獲得して来た多様な能力を医療に応用するというのも面白い試みだと思う。AIだけでなく、こういった自然を利用した試みが、今後も増えていくことを期待したい。(2018年12月5日号宮城県保険医協会外視鏡掲載文)
2020年08月11日
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埼玉県熊谷市では、小学4年生を対象とする受動喫煙検を実施している。最近、2007年度から約10年間の分析結果が出された。これによると、尿中に含まれるニコチン代謝物質(ニコチン)が減少し、受動喫煙の被害が大幅に減っているという。この検診は、9割にあたる約1500人が毎年受診している。担任の先生が、児童に検尿キットを配り、市が尿中のニコチンの濃度を測定する。特に高い値が出た場合は、小児科を受診するように保護者に警告文を送ることになっている。また、2011年度から中学2年生を対象にしたアンケートによる追跡調査も実施した。同じ子供で、5年後を比較し、保護者の喫煙率を調べたところ、約10%減っていた。市では、保護者の意識喚起に繋がっていると評価している。この受動喫煙検診は、専門家の評価も高く、全国的な動きに発展する可能性があるので、注目してみても良いだろう。(2019年4月5日号宮城県保険医協会外視鏡掲載文)
2020年08月11日
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現在、歯科の診療報酬体系は、時代を反映せず、しかも医学的根拠が薄いと言われている。これに答えて、2016年に歯学系学会社会保障連合会(歯保連)が、始めて歯保連試案2016を上梓した。2009年8月に設立したので、5年を要した。これにより、歯科医療技術の新評価軸ができ、診療報酬改定の際に学会等から提出される医療技術評価提案書作成に活用できる。保団連では、歯科医療現場の実態に基づいた評価をしているとし、この動きに注目している。厚労省では診療報酬改定時に、医科では、外保連試案を参考にしており、歯科においても期待がかかる。経費等も考慮しているため現実の保検点数との乖離は大きいが、歯科の診療報酬に対する低点数評価の根拠を示すことになる。今年度、改訂版が出される予定である。将来は医学的根拠に基づいた合理的な診療報酬体系の実現に是非結びついて欲しいと願うものである。(2019年7月15日号宮城県保険医協会外視鏡掲載文)
2020年08月11日
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低ホスファターゼ症という病気がある。骨や歯に異常が起こる難病である。骨の強さや成長に関係する酵素「アルカリホスファターゼ」の働きが、弱いために起こり、10万人から15万に1人の割合で発症する遺伝性の病気である。当然、歯科にも関係する病気であるが、認知度が低い。ケースによっては、乳歯だけでなく、永久歯も早期に抜ける場合がある。セメント質が、作られにくいために早期脱落が起こるとされている。大阪大学歯学部付属病院小児歯科の仲野 和彦教授は、同大学病院小児科の大園恵一教授と連携し、地域の歯科医師等に疑いのある子がいないか意識するように呼びかけている。静岡県沼津市では、同市の歯科医師会の協力を得て、2歳児歯科健診の問診票に歯が、ぐらついたり抜けたりしていないかを問う項目を今年度から追加した。早期にこの病気を見つける機会として、特に歯科健診では、気をつけてみたい。(2018年9月5日号宮城県保険医協会新聞外視鏡掲載文)
2020年08月11日
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東京慈恵医大では、2018年から寄生虫の卵を利用した病気の治療に向けて安全性を前提にした臨床試験が始まるそうである。これは、寄生虫を一時的に感染させることで、免疫システムを調整しようというものだ。すでに米国や英国、デンマーク等の研究機関では、ヒトへの影響がないと考えられる豚鞭虫の卵を意図的に飲んでもらい、その効果を検証する実験を行い、クローン病や多発性硬化症などの難病治療に効果を上げているそうだ。さらに、タイでは、すでにこの栄養補助食品(サプリメント)が、開発されているが、ドイツでも栄養補助食品として合法的に販売される可能性が出て来ている。欧州では、初めての動きだ。「笑うカイチュウ」「空飛ぶ寄生虫」等の著書でおなじみの藤田 紘一郎氏は、お腹に回虫がいるとアトピーや花粉症にならないとして寄生虫の人への効果を長年説いてきた。まさに寄生虫を敵視せず、逆に利用するという寄生虫との共存の道が現実的になってきたわけである。今回の臨床試験は、自然との共生という新たな医療の拡大に寄与する可能性を秘めた動きとして注目したい。(2018年5月5・15日(1653)号宮城県保険医協会新聞外視鏡掲載文)
2020年08月11日
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私は、宮城県亘理郡亘理町荒浜にて昭和62年より歯科診療所を開院しておりましたが、2011年に発生した東日本大震災では、自宅も兼ねていた診療所は、2メール余の津波に急襲され、全壊となりました。地域別(亘理町荒浜地区)としてみると約4500名の住民のうち約150名の方が亡くなっております。被災直後、多くの住民が、西に移動しており、改修して診療所を再開することは、困難と判断し、移転を決意しました。当時、亘理町で全壊となりました歯科医院は、私の所だけであり、内陸に建てられた仮設住宅周辺には、既存の歯科医院が数件ありました。このため、公的仮設への申請は、断念し、費用のかかる私的な仮設となりました。 半年後、仮設での診療を再開しましたが、医療費窓口免除の患者さんは、2013年3月に制度が打ち切られるまで60%程度あり、それなりに被災者の皆様にお役に立てたのではないかと思っております。その後、荒浜地区については、私が校医をしている小学校と中学校が3年目に、同じく保育所が、4年目に再開しました。更に、診療所の前にあった信号機も、復活し、まさに開眼!!5年目の3月には、隣にあった郵便局が再開し、行政より補助金の活用の話も出て、私も元の場所での再開を意識するようになり、5年目の7月にやっと実現できました。 現在、行政主導の下、巨大な防潮堤と内側の堤防が、二段構えで、完成しつつありますが、避難路の確保や一般道路の整備等は、まだまだ不十分です。また、震災前と比べると町民バスの運行回数が、少なく、利用できる商店も数件しかありません。更に、無医村になってしまった同地区は、医療への不安も復興回復を遅らせていると思われます。実際、仮設撤去後、地元に完成した集合住宅の入居率は、悪く、住民は、まだ4割程度しか戻っていません。せめて歯科だけでも回復し、地域医療の一助になれば幸いと考えて、やっと1年半が、経ちました。確かに多くの被災地で、住民が少なく、経営的に再開を躊躇される医院の話もよく聞きますが、時に集会場のようになる待合室の笑い声が、何よりも代え難い贈り物のように感じられます。今後も診療を続けながら、被災者の目線に立ち、情熱を持って地域の復興を見つめていきたいと気持ちを新たにして、7年目の春を迎えようとしています。 (新医協の新年号に掲載)
2018年01月30日
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明けましておめでとうございます。 今回、11月23日にみちのく杜の湖畔公園で開催された「第4回風の草原リレーマラソン」に宮城県保険医協会RCとして初めて参加いたしました。現在日本では、国民の健康志向と相まって、ここ数年未曾有のランニングブームになっています。こういったブームに便乗して、実は、昨年あたりからRC発会を考えておりましたが、私と井上 博之理事長とが、呼びかけ人になりまして、RC発会を兼ねて大会参加を企画いたしました。11月上旬に急遽決まりましたので、締め切りの時間の関係で、何人集まるか気になりましたが、1チーム4人〜15人定員のところを何とか4人が呼びかけに応じてくれました。 参加者6人の平均年齢は、約60歳で、走暦は、数年〜30数年と幅が広く、中でも震災を契機に走り始めた方が、二人おられました。いずれにせよ、ほぼ予想通りの悪天候で、みぞれ混じりの寒風吹き荒ぶ中、皆様ご参加されましたので、間違いなく走ることが純粋に好きな方々かとお見受けいたしました。大会は、1キロ強(1.14キロ)の周回で、1人6〜7周分を2回交替して、フルマラソンの距離を走ります。ただ、他の参加チームは、平均年齢が20代前後の若いチームが多く、そのスピードに圧倒されましたが、何とか皆さんのご協力で完走できました。私たちがエントリーしたのは男性の部。参加24チーム中23位、タイムは3時間23分2秒という結果でした。制限時間が4時間のところ、多少の余裕を持ってゴール。最終ランナーを務めた井上理事長が先行走者を1人追い抜いて最下位を脱出することができました。孫と走るような年齢の差を感じながらも、1周ごとに交替した方が良いとか、男女混合が良いとか、既に次回の参加に向けての作戦も話題に出たりしまして、大変盛り上がりました。 今後の予定ですが、発起人等で会議を開き、RCとしての計画を決めて行こうと思っております。まさに走りながら考える会となりましたが、健康増進の場、情報交換の場、親睦の場として息長く、運営して行きたいと考えております。クラブの今後の活動については保険医新聞を通じてご案内します。ランニングに興味のある会員皆様のご参加ご協力を心よりお願いいたします。お問い合わせは保険医協会事務局の笠井まで(電話022-265-1667)。 なお、今回の参加者は以下の通りです。浅沼 慎(うさぎ歯科)井上 博之(松島海岸診療所歯科)上原 忍(鳥の海歯科医院)山岸 定雄(長町病院付属歯科クリニック)山崎 武彦(松島海岸診療所医科)笠井 一臨(宮城県保険医協会事務局) (宮城県保険医新聞第1610号・2017年新年号 亘理町 上原 忍記)
2017年01月11日
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先の東日本大震災にて平成23年9月より亘理町字新町に移転し、仮設にて診療を行ってまいりましたが、この度、亘理町荒浜にもどり、本年7月4日に再開院を果たすことができました。微力ながら今までの経験を生かし、歯科医療を通じて、地域復興の一助になれば幸いと考えております。今後とも地域の皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願いいたします。 鳥の海歯科医院院長 上原 忍
2016年11月05日
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私は、宮城県亘理郡亘理町荒浜にて昭和62年より歯科診療所を開院しておりましたが、今回の東日本大震災では、自宅も兼ねていた診療所は、2メール余の津波に急襲され、全壊となりました。幸い、家族やスタッフ等の人的被害は、無かったのですが、地域別(亘理町荒浜地区)としてみると約4500名の住民のうち約150名の方が亡くなっております。被災後、多くの住民が、荒浜地区から離れて西に移動しており、少なくとも改修して診療所を再開することは、困難と判断し、数キロ西に移転することを決意しました。当時、亘理町で全壊となりました歯科医院は、私の所だけであり、同様に数キロ内陸に建てられた仮設住宅周辺には、既存の歯科医院が数件ありましたので、公的仮設には手を上げず、私的な仮設としました。 診療再開後、医療費窓口免除の患者さんは、2013年3月に制度が打ち切られるまで60%程度あり、それなりに被災者の皆様にお役に立てたのではないかと思っております。その後、荒浜地区については、私が校医をしている小学校や中学校が3年目に、同じく保育所が、4年目に再開しました。ただ、避難路の確保や道路整備もまだ途上で、町民バスの運行も回数が少なく、利用できる商店も数件しかありません。このため、完成した集合住宅の入居率も60%という現状で、住民も不便さが手伝ってか、まだ4割程度しか戻っていません。 3年程前から改修して住んでいる私の自宅の前にあった信号機が、昨年やっと復活しました。今年の3月には、隣にあった郵便局が再開するようですし、仮設住宅も終息の時期に向かっているので、そろそろ元の場所での診療所の再開を視野に入れております。無医村になってしまった荒浜地区にもどり、歯科だけでも回復し、地域医療の一助になれば幸いと考えております。今後も診療を続けながら、被災者の目線に立ち、情熱を持って地域の復興を見つめていきたいと気持ちを新たにしております。 最後に震災後、多くの方々にご支援やご協力を賜りましたことを改めて深く感謝し、今回の稿を終わりたいと思います。(宮城県保険医新聞 第1583号 2016年3月5日発行)
2016年03月28日
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平成27年7月4日と5日の二日間、東京の都市センターホテルにて保団連の夏期セミナーが開催された。私は、今回は都合により日曜日のみとなったが、「2016年、18年歯科診療報酬改定の方向性と課題」をテーマにした分科会に出席した。 平成28年の改定の課題として、在宅医療の推進が揚げられる。これと連動する形で、口腔機能を数値評価する舌圧検査が、摂食嚥下リハビリテーションにおける診断支援として点数化される可能性がある。既に舌機能検査ガイダンスが学会より出されている。かかりつけ歯科医機能も関連して評価される。周術期口腔機能管理の充実により医科歯科連携の推進も進むであろう。以上がトピカルな報告であるが、お気づきの如く機能という言葉が目立つ。次回点数改訂のキーワードと言えそうだ。厚労省は、2025年問題の対策として地域包括ケアシステムを積極的に推進しようとしているが、その流れの中で派生してくる点数改訂が主だと考えられる。従来から言われている地域ケアにおける歯科の立ち位置がより明確になることを望みたい。 (2015年9月5日発行 宮城県保険医新聞第1565号 宮城県保険医協会理事 上原 忍 記)
2015年11月10日
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今回、宮城県保険医協会の地域医療懇談会における話題提供として地域包括ケアシステムの構築に向けたその問題点と課題について考察してみた。 厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降の問題に対応するシステムとして地域包括ケアシステムの構築を推進している。いわゆる2025年問題であるが、多くの自治体がこのシステムの構築を25年への重要課題と位置づけているようである。 これまでもシステム構築に取り組んで来たわけであるが、仕組みはできていたが、連携の実態ができていなかった(地域格差がありすぎた)。あるいは、仕組みそれ自体が不十分であったと言える。これに加えて、新たに在宅の看取りが課題となり、医療と介護の新たな連携が必要となった。 連携には様々な課題がある。多職種連携の不足(介護と医療、医科歯科連携等)。同職種連携の不足(病棟医と在宅医、看護師同士等)。介護保険施設間の連携の難しさ。在宅医師の方針決定や相互理解。病院と在宅の連携。地域医師会や地域歯科医師会の取り組みの不足(行政との連携)等。 個人の様々な課題もある。年齢や意思に加えて意欲度や理解度等が、サービス利用の障害になる場合がある。そもそも国民は地域包括ケアシステムが望ましい死に場所として想定している在宅で亡くなることを必ずしも望んでいないというアンケート結果もある。一人暮らしか否か、介護者の有無など世帯の問題もある。また、核家族化が進み、家族がいない場合やいても協力が得られない場合は、介護力不足が生じる。その他、利用できる社会資源の有無、住まいの状態等、利用者を取り巻く(周辺の)環境も重要である。周辺環境の調整、特に社会資源の活用等は、地域の中核的機関として市町村に設置されている地域包括ケアセンターの調整力が大切となる。 市町村側としての課題もある。仕組み作りは、地域の調整ができる自治体や団体が行わないと難しいが、すべての地域で対応できるのか?市町村によって取り組みに差があり、特に町村部は、ノウハウやマンパワーが乏しい。地域によって専門職員が少ない。あるいは、財政に余裕がない。このため、近隣自治体と共同で、取り組みを進めたり、各保健福祉事務所が管内の市町村をまとめて、会議や研修を開く工夫もあるようだ。 制度の課題ももちろん大きい。地域医療・介護推進法の問題である。国は、介護保険サービスのうち、掃除など簡単な生活支援をボランティアやNPOに担ってもらうよう市町村に求めている。また、制度の見直しで、介護の必要度が比較的低い「要支援」の人への介護サービスのうち、訪問介護と通所介護が2015~17年度にかけて市町村の事業に移行され、市町村が内容や料金を決めることになる。一方、国は、身体介護などは従来の介護事業者によるサービスを継続しながら、買い物や掃除などの生活支援を地域住民に担ってもらうことを「多様なサービス」として、地域の実情に応じて提供するよう市町村に求めている。しかし、地域資源の把握が十分できていない。現行の事業所以外の社会資源がない等の市町村側の声も聞く。国の一律のサービスから市町村の事業になることで「サービスの質や量に差が生まれるのではないか」との懸念もある。いかにして地域差のない平等なサービスの実施を行えるかどうかが今後の大きな課題の一つになるであろう。 医療体制の課題もある。マンパワー不足。緊急入院先の不足。切れ目の無い体制の不足(24時間あるいは365日)。医療依存度の高い患者の増加(看取りやがん患者の増加)等。 地域ケアの基本的な考えとして、自助と互助がある。しかし、そう簡単にこの二つを達成できるだろうか。国が求める地域包括ケアシステムは、理想が高すぎると言う声もあるが、以上述べて来たこれらの課題をどう乗り越えていくかにその命運がかっていると言えよう。現行の介護保険制度は、長期にわたり一貫した医療費抑制策を前提とする制度であることを常に念頭において考えなくてはいけないが、制度がある以上これに従わざるを得ない。システムの構築を任された市町村は、できる範囲で、あるいはできるところから課題を克服していくしかあるまい。今年は、医療・介護総合法による介護保険法改定と介護報酬の同時改定が行われたが、残念ながら後退的な内容であった。医療・社会保障の改悪を防ぎ、真に地域医療を守るために常に国民の視点から、関係者は地域包括ケアに取り組んで欲しいと願うものである。(宮城県保険医新聞2015年8月25日発行 1565号より)
2015年11月10日
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私は、東日本大震災では、自宅と診療所を兼ねた二階建ての建物にいて被災しました。当日は、診療中で避難が遅れ逃げられなかったため、二階で津波と対峙することになってしまいました。幸い、家族やスタッフの命に別状は無かったですが、地域としてみると約4500名の住民のうち約150名の方が亡くなっており、亘理町全体(人口約3万5000人)でも約2000棟の全壊が確認されるほどの大きな被害を受けています。私の自宅も全壊の判定を受けており、特に診療所は、閉院を余儀無くされました。その後、仮設住宅での生活も経験しましたが、自宅については、改築し、元の所に住んでいます。診療所については、一階だったため天井近くまで津波が来た被災状況と多くの住民が西に移動して仮設にいる現状を考えると、思い切って移転し、早急に仮設診療所を立ち上げることが必要であると判断しました。諸般の事情により私設になってしまいましたが、震災から半年後に5カ所の仮設住宅のほぼ中間点に建てることができました。 診療再開後、以前通われていた多くの被災者が受診され、互いに大変でしたねといった声を掛合って再会を喜ぶ姿をしばらく見かけました。まるで診療所が、被災者の集会場のようになっている日もありました。医療費窓口免除の患者さんは、2013年3月に制度が打ち切られるまで60%程度あり、それなりに被災者の皆様にお役に立てたのではないかと思っております。ただ、ほぼ3年経緯した時点で、私が住む被災地周辺は、さすがに瓦礫の山は無くなりましたが、新たな課題に直面しているように思えます。非制限域の存在だけでなく、堤防の拡大による立ち退き(150件以上)、被災者用の集合住宅建設の遅延、公共施設整備の遅延(小学校の改築中、中学校新築中)、学童が利用する道路上の信号機も未だ復帰せず、派出所や郵便局も再開不明、避難路の確保や道路整備も遅れ、利用できる商店も数件しか無く、結局、住民も不便さが手伝って、4割程度しか戻っていません。道路上の壊れた電灯や縁石、決壊して水が溢れた側溝等を日々目にしながら生活しているといつまでこのような状態が続くのかという憤懣やる方なく精神的にも落ち込んでくる被災者の心情が理解できます。被災者でなければ、理解できない目線に立って今後も地域から離れず、被災地域の復興を長い目で見つめていきたいと気持ちを新たにしているところです。 (2014年3月15日発行 宮城県保険医新聞1520号より)
2014年05月07日
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あけましておめでとうございます。 今日は、やっとのんびりでき、久しぶりに暖かく、新春気分(?)に浸っています。 さて、今年は、2月12日に宮城県保険医協会で、特別講演として被災報告をやることになっております。 http://www16.ocn.ne.jp/~hokeni/sikasutaf.html 昨年は、神戸市、東京都と被災報告をしました。 本音としては、この意外な展開もこれで終わりにしたいところですが、頼まれれば、被災経験者は伝えていく義務があるのかもしれません。 そう考えると、少なくとも3月11日までは、喪中のような心境になります。 どうも行政のお話ですと、復興まで10年かかるとの予定だそうですが、被災地域に生活する者としては、雑草に隠れてしまった夥しい家の残骸と累々と積まれていく瓦礫の山を日々眺めて暮らしていると、どうも遅々とした印象になってしまいます。 電気を点けると、陸の灯台のように目立ちそうな自宅ですが、なんとか今年から電気も来ましたので、被災の少なかった二階部分で住んでみようと思っています。 一階の診療室は、二階の自宅とは繋がっていませんが、窓をベニヤ板で塞ぎ、床を抜いたままですし、向かいの交番が跡形も無いので、さすがにSECOMを入れました。 こうやって、少しづづ元のように生活しながら、歯の抜けたような被災地域を見守ってまいります。 今年も宜しくお願いいたします。
2012年02月05日
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お陰さまで、多くの方々のご支援をいただき、9月7日に診療所を再開いたしました。皆様には深く感謝いたしております。元の診療所での再開は、町の計画もわからず、困難な現状のため、元の場所から数キロ離れた場所に移転しました。仮設診療所ではありますが、前の従業員とも7月に元気に再会でき、やっと現実的になったという感じです。また忙しくなりますが、地域の被災者の方々に何かお役に立ちたいという思いが日々募っておりましたので、やはり嬉しい限りです。今後とも宜しくお願いいたします。
2011年09月21日
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昨年はこのブログも大分ご無沙汰いたしましたが、年も改まり、新たな気持ちで、県歯科医師会会報2011年1月号に掲載の新年挨拶文から転載します。 県歯科医師会の会員向けの原稿ですが、公の場にも配布されるております。現在、私は、岩沼歯科医師会の会長として二市二町の地域歯科医療の発展のために、ひいては住民の皆様の命のベースになります「歯と口の健康」のために、日々奔走しております。このため、診療につきましては、変則的になり、患者様にはご迷惑をお懸けする場面が多々あるかもしれませんが、何とぞご了承の程宜しくお願いいたします。本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。年頭の御挨拶 新年あけましておめでとうございます。 昨年の10月に広島県の保険医協会で、経済的理由による治療中断や診療拒否の実態について、県内の医療機関にアンケートした結果が発表になっておりました。約4割の医療機関で、患者の経済的理由による治療中断があり、特に医療機関別では歯科が55.6%と最も多く、お金がないので痛くない虫歯の治療を断る、などの事例があったそうです。全国でも調査を進めているようですが、宮城県においても同じような情況ではないかと会員の皆様も肌で感られていると思います。患者負担の軽減をしないと、ますます歯科の受診率が低下する懸念も出てきております。 日本は、現在も長期に渡る経済不況から脱し切れない情況にあります。このため、同様に長年構造的不況に陥っている歯科業界と言えども政府による根本的な救済策が取られる可能性は薄いでしょう。 格差社会の中で混迷を深めている歯科医療を政治的に立て直すには、医療全体で公平に考えるバランス感覚が大切です。民主党の西村 雅美議員、自民党の石井 みどり議員等の職域代表者には、超党派で政府に対して更なるアピールを継続していただきたいと切に願う次第です。 さて、このように現在試練の道を歩む歯科界ではありますが、我々医療人としては眼前の現象に振り回されることなく、未来を見て、モチベーションを上げていかなくてはなりますまい。むしろ、このような時こそ、日本歯科医師会の倫理綱領の中にもありますように、常に愛情を持って患者に接し、社会的使命を果たすように努力するという姿勢を再認識することが大切でありましょう。最近話題になっております経営学者ピーター・F・ドラッカー氏も目先の利益よりも常に貢献する事を考えなさいと著書の中で述べております。そういった真摯な診療姿勢の延長線上に自他ともに支持されるような輝ける未来が必ず開けてくると信じております。 最後になりますが、皆様の御健康と御多幸をお祈りしつつ、本年もご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
2011年01月09日
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名取市で市民便利帳が発刊されることになり、その挨拶文を書きましたので、ご紹介します。歯科保健法の制定が超党派で検討されておりますが、通過したら、「歯の健康」を「口腔の健康」としたいところですね。以下です。岩沼歯科医師会 岩沼歯科医師会は、二市二町(名取市、岩沼市、亘理町、山元町)の歯科医師会会員で構成されています。各地区で、各行政の協力を得ながら、以下の歯科保健事業を行っております。1、乳幼児歯科健診及び歯科保健指導2、妊産婦歯科健診及び歯科保健指導(一部地区)3、2歳6ヶ月歯科健診時のフッ素塗布(一部地区)4、歯周疾患健診(成人歯科健診)5、高齢者歯科訪問診療(在宅歯科診療)6、休日救急歯科診療7、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校等の歯科健診8、歯科啓発事業「歯と健康のつどい」(各地区2年交替で開催) その他、各地区で様々な歯科保健事業を展開しておりますので、是非ご利用ご活用いただきたいと思います。歯の健康は、全身の健康に大きく関係します 最近の研究では、歯と全身との関係についての研究が進んできており、歯や口の中をきれいにすることは、むし歯や歯周病を改善するだけではありません。1、歯周病の予防・管理が糖尿病や動脈硬化の予防・重篤化抑制、早期低体重児出産の抑制などにつながると指摘されています。歯の健康が、メタボリックシンドロームに関連するわけです。2、口腔ケアが、肺炎などの予防にも役立つ事がわかってきており、介護保健では口腔ケアが介護予防のメニューとして、平成18年から正式に導入されました。介護保健分野においても口腔ケアの重要性は、増々高まっております。3、『歯の健康と医療費に関する実態調査』から残存歯数が多い方ほど、また、歯周病が軽度な方ほど総医療費は低いというデータが全国的なレベルで出てきており、80歳で自分の歯を20本以上持っている、いわゆる8020を実現している人は、医療費や介護費用を削減できるとの調査結果も報告されてきて、近年、政府もこのことを明確に認識しております。 超高齢化社会を迎え、歯を大切にすることは、全身の健康のみならず、老後の生活の質(QOL)を保つことに繋がります。歯が丈夫で元気な高齢者は、日本の将来を担う若い世代への手本となりましょう。皆様も8020達成者をめざして歯の健康に日々努めていだきたいと切望いたします。 最後に歯について少しでも気になる事があれば、かかりつけの歯科医院またはお近くの歯科医院にお気軽にご相談ください。
2010年06月09日
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岩手県歯科医師会が今月より口腔がん検診開始http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=23851 県歯科医師会が今月から、県内のほぼすべてとなる約650歯科診療所で、患者に対し口腔(こうくう)がんの検診を始めた。 口腔がんは認知度は低いが、死亡率は腎がんや白血病と同程度と高く、早期発見による早期治療を目指す。都道府県単位で口腔がん検診をしているところは全国的にもまだ少ないという。 昨年11月に東北の6県歯科医師会と北海道歯科医師会、岩手医大を含む7大学の歯学部などが設立した「東北口腔がん対策推進会議」が進める対策の一環。6県の中では最初の開始で、これだけ広範囲で実施するのは全国初という。 歯科医は、患者を治療した後、6県共通で作成した13項目のチェックシートに従い、口の中を調べ、異常が見つかれば岩手医大に紹介する。治療で来院した場合、検診は無償となる。(以上読売新聞から転載)4月20日の記事ですが、宮城県歯科医師会でも開始を検討中です。
2010年05月30日
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幸多き新春を迎えられたこととお喜び申し上げます。県歯科医師会会報2010年1月号に掲載の新年挨拶文から転載します。 これは、県歯科医師会の会員向けですが、公の場にも配布されるので公表いたします。現在、私は、名取市、岩沼市、亘理郡にまたがる岩沼歯科医師会の会長として、地域歯科医療の発展のために、ひいては住民の皆様の命のベースになります「歯と口の健康」のために、日々奔走しております。このため、診療につきましては、多少変則的になり、患者様にはご迷惑をお懸けする場面があるかもしれませんが、何とぞご了承の程宜しくお願いいたします。本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。新年あけましておめでとうございます。 一昨年秋の百年に一度と言われた金融恐慌以来、政権交替が行われた現時点においても経済の先行きは不透明な状態です。国民の目線で予算の配分が、決定される事は理念として素晴らしいことです。しかしながら、マニフェスト実行のために膨らみすぎた予算調整の中で、医療崩壊が叫ばれる割には、期待薄の感は否めません。ましてや、長年構造的不況に陥っている歯科業界への診療報酬の配分については、議論にも上がっていないようで、歯科医療従事者側は、国民の目線という中には入っていないのかと穿った見方をしてしまいます。区分け作業の中で国民目線では高く評価されていると思われた8020事業も見直しの対象になったようです。もちろん格差社会に陥ってしまった日本を政治的に立て直すには、全体で見るバランス感覚は大切ですけれども、石井みどり議員を初め、職域代表者には政府に対して更なるアピールをしていただきたいと心より願う次第です。 さて、このように歯科医業に対してモチベーションが下がるようなネガティヴな情報が多い中で、いかに意識を上げて日々の医業に取り組むか。 ここで少し視点を変えた話しになりますが、最近のニューサイエンスでは、意識と物質は相互関係があると言われています。むしろ、意識の方が優位であることが分かっています。意識は、現象を具現化し、一人一人の意識の持ち方が、未来を左右する。意識にエネルギーがあると言われる所以です。 「すべてのものは移りゆく。怠らず努めよ」 これは、釈迦の最後の言葉だそうですが、生ある限り、努力する大切さを説いたものです。眼前の現象に振り回されることなく、常に変化成長する姿勢を貫きたいものです。我々は今生でたまたま歯科医業に携わっただけかもしれませんが、良くするも悪くするも我々の意識次第だと思います。苦境の今だからこそ「天は自ら助くる者を助く」ですね。 最後になりますが、皆様の御健康と御多幸をお祈りしつつ、本年もご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
2010年01月07日
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エイズ増える日本「現実直視を」 来日のNGO代表訴えhttp://www.asahi.com/health/news/TKY200911300203.html 12月1日は世界エイズデー。先進国で唯一、感染者、患者とも報告数が伸びているとされるのが日本だ。ブラジル・サンパウロ在住のNGO代表、ジョゼ・アラウージョ・リマ・フィーリョさん(52)は横浜で国際エイズ会議が開かれた15年前から来日し、警鐘を鳴らし続けている。「現実から目をそむけないで」(asahi comより転載) 私事ですが、平成12年から平成18年まで県歯科医師会で、学術担当の役員でした。当時、感染症も担当でしたので、暫増傾向のエイズの動向についてはずっと注目しておりました。一時期と比べると、日本では影に隠れてしまい、あまり話題にならなくなってしまいましたが、改めて日本の現実を再認識しなくてはいけない時期にきていると思います。2008年に日本は、感染者の総数がついに1万人を超えて、潜在的な感染者は数倍いるということなので、けっして人ごとではない数ですね。政府が対策をもっと積極的に取らなくてはいけない問題の一つだと私も思います。一方で、世界は確実に減少しているのです。以下は、11月25日の記事です。世界のエイズ新規感染者数、8年間で17%減少http://www.asahi.com/international/update/1125/TKY200911250322.html?ref=recc報告によると、08年の世界の新規感染者は約270万人で、01年と比べて17%減。サハラ砂漠以南のアフリカで、01年に比べ新規感染者が約40万人減っているのが顕著だという。世界での年間の死者は200万人。現在3300万人余りが感染したまま暮らしている。(asahi comより転載)
2009年12月17日
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「恐怖の記憶」消す仕組み解明…PTSD治療にも 脳が短期の記憶をとどめる部分では、神経細胞を次々に作り出すことで、恐怖などの記憶を消し去っていることを、富山大学の井ノ口馨教授らが動物実験で突き止めた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療につながる成果だ。13日発行の米科学誌「セル」に発表する。 記憶は、脳の「海馬」と呼ばれる部分に保存された後、整理され、マウスは1か月、人間は半年~3年で大脳皮質へ移り、長期の記憶になるとわかっているが、詳しい仕組みは不明だった。井ノ口教授らは、海馬で神経細胞の新生が盛んなマウスと、そうでないマウスを実験に用い、恐怖を感じる程度の電気ショックを加え、記憶を調べた。その結果、細胞新生が少ないと恐怖の記憶が海馬にとどまり、細胞新生が盛んだと、移りやすいことがわかった。恐怖などの記憶がいつまでも海馬にとどまっていると、何かにつけて思い出しやすく、PTSDの症状が長引くと考えられる。 井ノ口教授は「海馬の神経新生を活発にする薬剤を開発すればPTSDの治療に役立つ」と話している。(2009年11月13日08時07分 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091113-OYT1T00035.htm 不安や恐怖は意識を曇らせると言いますが、死の恐怖が一番でしょう。薬でなくとも海馬を活発に刺激してやることは、恐怖を和らげることになるでしょう。人生を積極的に楽しく生きるためのヒントになりそうな話しだと思いました。
2009年11月17日
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歯磨きでがんリスク3割減 1日2回以上が効果的2009年9月27日(日)15:51 1日2回以上歯を磨く人が口の中や食道のがんになる危険性は、1回の人より3割低いとの研究結果を、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)がまとめた。全く磨かない人の危険性は、1回の人の1・8倍だった。約3800人を対象とした疫学調査の結果で、歯磨き習慣と発がんの関連を示す報告は国内初という。横浜市で10月1日から開催される日本癌学会で発表する。(共同通信社) 歯科医院では歯磨き指導をする場合は、回数よりも質の方を説くけれど、ともかく歯磨きの大切さに対する大きな宣伝にはなりましょう。がんになりたくなければ、まず歯を磨け、磨けですね。
2009年09月30日
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勤務医110番に相談相次ぐ 勤務医を中心につくる労働組合「全国医師ユニオン」(植山直人代表)は27日、「名ばかり管理職」や勤務医の労働条件に関する電話相談を受け付けた。長時間労働や頻繁な当直、残業代についてなど計29件の相談があった。 ユニオンによると、大学病院や外科の勤務医からの相談が目立った。大学院生が雇用契約を結ばずに無給で診療させられている▽医師としての勤務が厳しくて自殺したのに、過労死による労災が認められない▽患者の家族から脅迫があって精神的に参ってしまい働けなくなった、などの相談があったという。(朝日新聞)http://www.asahi.com/health/news/TKY200909270174.html 医師不足を背景に、昨今は勤務医も大変ですね。モンスター・ペイシャント(モンスター患者)などは、これが原因で退職する医師もいるようで、医療崩壊の一因になっていると言われます。医師の方もまず相手の話しを聞き、相手を受容することから始めなくてはいけませんが、忙し過ぎて難しいでしょうね。そういえば、勤務医の10人に1人はうつ病だという最近のアンケート結果がありました。患者さんと一緒に負のスパイラルに落ちているのかもしれません。参考)勤務医の9%が「うつ」 勤務医の9%がうつ状態にあることが日本医師会の調査で分かった。背景に、休日を返上したり、当直回数が多かったりするなどの厳しい勤務実態がある。 日本医師会は今年2月、病院に勤務する会員に対して、健康に関するアンケートを行い、約4000人から回答があった。 寝つきが良いか、悲しい気持ちになるか、など最近1週間の精神状態を尋ねて分析したところ、回答者の8・7%が、精神的な支援が必要な「うつ状態」と判定された。男性8・4%に対して、女性は10・6%だった。また、6%が「死や自殺について1週間に数回以上考えたことがある」と回答した。 勤務状況についての質問では、「1か月の休日が4日以下」との回答者が46%を占めた。若い医師ほど休日が取れない傾向があり、20代の「4日以下」は76%もいた。 1か月の当直回数が「6回以上」と回答した人は10%。若い医師ほど当直回数は増え、20代の「6回以上」は21・3%。ただし、40代でも12%と多かった。(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090917-OYT8T00549.htm
2009年09月28日
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早くも フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)に書かれてている時の人です。(http://ja.wikipedia.org/wiki/スーザン・ボイル) ところが、例のタレント・オーディション番組の決勝で、結局2位に終わった直後、度重なる疲労のためか、ステージ上で奇行に及び、入院したそうです。現在は、精神科医の治療を受けられているようです。AERA6月15日号では、「美声がもたらした悲劇」という見出しで記事が書かれていました。 もともと軽度の学習障害があるそうで、定職に就かず、スコットランド中部の田舎で純朴な少女のような気持ちで中年女性に育った彼女には、急に有名になったことで、その生活の変化に翻弄されてしまったのではないかと思われます。誰もが彼女が歌手として有名になって欲しいと人生の奇跡のように自分を重ね合わせてその成功を讃えたはずでした。しかしながら、彼女の存在が、白日に晒されてから、彼女は、いろいろな番組に引っぱり出されたり、自宅に帰ってもマスコミ追っかけられたり、彼女にとって自分を培ってくれた何よりも大切な自由が奪われていったわけです。絶頂の時こそ、身を引き締める。人生の浮沈は、天の因果律に従うと言いますけれども、彼女の変化を通して、一つの教訓を感じました。今は、どのような形でも良いから、元気になって、また、あの予選の時の底抜けの笑顔を見せていただけたらと願わずにいられません。マスコミで伝えられているマイケル・ジャクソンの人生もそうですが、幸せとは、本当に何なのでしょう。誘惑に負けず、常に他人のことを考え、中庸に生きるという総論的な答えはありますけれど。平凡の非凡と誰かが言っていましたが、平凡もまた難しと言うところですね。
2009年06月30日
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新聞で知りましたが、ドラマのような感動ですね。何度も見てしまいました。 スーザン・ボイルさんは見た目はいかにも地味な女性ですが、天使のような歌声を聴かせくれます。天は二物を与えずと言いますが、見かけでは判断できませんね。(失礼)性格も明るくてウイットに富んだ素朴な女性のようです。また、「レ・ミゼラブル」の「夢破れて」という歌詞と曲が良かった。今回、大勢の前で歌うという夢が実現したわけです。しかも、CDデビューの話しもあるようですね。http://www.youtube.com/watch?v=vMVHlPeqTEg
2009年05月03日
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今日本の水族館の中で最も人気のあると言われている沖縄美ら海水族館に行ってきました。3年前にも同じ自院の医局旅行で行きましたが、やはり人気スポットのせいか、3月20日の今回も大変混雑してました。ジンベイザメやマンタには、迫力を感じると同時に悠然と泳いでいる姿に畏敬の念を感じました。時間を忘れ、のんびりペースで、久しぶりに息抜きができました。今度は、ここから見える伊江島にも足を伸ばしてみたいとエメラルドビーチをゆっくり歩きながら思いを馳せた印象的な一時もありました。寒冷な北の地に住む人間にとっては、宮古島や石垣島に直接行くのも良し。陣取りのように本島周辺の小島に行くのも良しですね。年々車でのアクセスも便利になっているようです。沖縄はどこでも良し。このところ悪戦苦闘の日々でしたので、活力をいただいてきました。天の恵みに心より感謝します。 Cf.沖縄美ら海水族館http://www.kaiyouhaku.com/index.html
2009年04月01日
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日々マラソンを続けて20年くらいになる。10年前までは、フルマラソンの大会にも出ていた。最近は、東京マラソンの影響で、またマラソンブームになっているそうだが、昨年の9月以降、百年に一度をいう経済危機にあって、景気付けという気持ちも込められて走っている方も多いと聞く。徐々に地方都市にも企業倒産の波が押し寄せて来ている。最近は、銀行の貸し渋りなどで、全国的に黒字倒産が5割くらいに増えているそうだが、身近に失業した友人も出てきている。 先々週の土曜日は、診療前の早朝、小雪の中、いつものように近くの川の土手を6キロほど走ってきた。走り始めた時は、そうでもなかったが、吹雪のようになり、引っ返そうというという誘惑に駆られた。ただ、すでに2キロほど走ってきているので、後1キロで、Uターンすれば予定どおりなのだ。どうしようかと迷い始めた時、いつもの神社の前に差し掛かったあたりで、雪のちらつく真白な雲間から、うっすらと日が射してきた。太陽は、神の化身というが、まさに救いの神だと思った。顔に天の温もりを感じて、はからずも歓喜した。寒風何するものぞと、元気が出て、予定どおりに走ることができた。 未曾有の経済危機に対して、医療界もけっして無縁ではない。ただでさえ、政府の医療費抑制策の中で、個人開業医も、多額の借金を背負っているので、そう簡単に引っ返す事はできない。開業して、22年になるが、先日は、看板が朽ちてしまい、予定外の大きな出費になった。田舎とは言え、看板が無いのでは、患者さんにも迷惑をかける。診療器材も内装も古くなり、医業を続けるということは、新たな設備投資をせざるを得ない。それに昨今は、デジタル化で経費が更にかかる。今、平成23年度からのレセプトオンライン義務化で、国に対して医師側からの訴訟が起きているのもうなずける。IT化に乗り遅れた医院は、請求事務ができず、廃業の危機にある。しかしながら、先の見えない暗闇の中にあっても、いつかは、必ず光が射す時が来るはずだ。いかなる状況にも常に意識を高く持ち続けたい。今のような世情では、どうしても暗くなりがちだが、意識を下げてはなるまい。常に試されているのだと思う。 先日、診療前に前日の雨で凍ってしまった水たまりだらけのグランドを走った。最初は、水たまりに躊躇したが、探せば走れる。思うより行うが易しというのが、私の持論だ。行動を起こす前に様々な不安が意識を曇らせてしまう。 暗い世界から、誰しも立ち去りたいと思うのは、当然だが、だからといって精神世界に逃げ込み過ぎるのもよくない。偏った唯物主義もよくないが、偏った唯心主義もよくない。この地上に肉体を持って生を受けたということは、バランスが大切なのである。暗い世界から逃げるのではなく、意識の中で明暗の世界を受容することはできないか。二元性の世界は、互いの世界を深く理解するために必要なのだ。そして、眼前に起こるあらゆる現象をじっくり味わうことで、やがては、永遠の目を得て、人生を達観できるようになるだろう。 名付けて走禅と言おうか、私にとっては、ゆっくりと内省的に走っている時間は、自分と向かい合う瞑想の時間でもある。表在意識に惑わされることなく、常に潜在意識の中の高い部分と繋がることができるように残された人生を熟慮して生きたい。 医療制度改革後退 レセプト請求の完全オンライン化先送りhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090228-00000516-san-pol
2009年03月06日
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▽ 歯周病:HIVを活性化 菌が作る酪酸が作用 潜伏感染者、発症の恐れ(毎日新聞) 歯周病の病原菌が作り出す酪酸が、潜伏しているエイズウイルス(HIV)を活性化させエイズを発症させる恐れのあることを、日本大学の落合邦康教授(口腔(こうくう)細菌学)らが突き止めた。米国の医学系専門誌に3月に掲載されるという。http://mainichi.jp/select/science/news/20090211ddm012040025000c.html▽ HIV感染者国内新規感染者過去最多、2008年1113名(毎日新聞) 厚生労働省エイズ動向委員会は18日、08年の国内の新規エイズウイルス(HIV)感染者報告数(速報値)を1113人と発表した。6年連続で過去最多を更新した。 http://mainichi.jp/select/science/news/20090219ddm012040065000c.html 日本におけるHIV感染者とエイズ患者の合計数は1万5037人となり、初めて1万5000人を突破したそうで、確実に増加している。そのような中での歯周病とHIVとの関係は、センセーショナルな情報になるかもしれない。ここ数年来、全身の感染症と歯周病との関係が、研究によって、次々と明らかになってきており、日常的に口腔ケアの大切さが、更に広まって欲しいところだ。
2009年02月19日
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マハトマ・ガンジーの碑文にある有名な言葉ですが、今に生きる我々人間は未だに七つの罪を犯して続けて生きているわけであります。今日は、この痛烈な言葉を噛み締めて一日を終わりたいと思う。 「七つの社会的罪」 Seven Social Sins 1.理念なき政治 Politics without Principles 2.労働なき富 Wealth without Work 3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience 4.人格なき学識 Knowledge without Character 5.道徳なき商業 Commerce without Morality 6.人間性なき科学 Science without Humanity 7.献身なき宗教 Worship without Sacrifice 以下は、特に印象に残るガンジーの言葉である。 『世界は真実の岩の上に成り立っている。その真実をもたらす唯一の方法は、命あるものすべてに対して、暴力を振るわないことである』『「目には目を」が世界のすべてを盲目にしてしまう』 『明日死ぬつもりで生きなさい。永遠に生きるつもりで学びなさい』 『愛はこの世でもっとも効果的な力だ。にもかかわらずもっとも謙虚である』
2009年02月16日
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以下は、近年の子供の退化病への警告である。生活習慣の見直しを根本的に考えなくてはいけない。▽子どもの遅い就寝時間に警鐘、成長ホルモンとの相関関係(産経新聞) http://sankei.jp.msn.com/life/education/090127/edc0901270806003-n1.htm▽運動しない子、特に中2女子で運動時間週1時間未満が3割(朝日新聞) http://www.asahi.com/health/news/TKY200901210351.html
2009年02月06日
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大学入試:「定員増で、医学部の競争緩和される」 駿台予備学校・石原賢一情報センター長http://mainichi.jp/life/edu/news/20081225org00m100027000c.html 医学科志望者は、秋までの模擬試験の合否判定は定員増が加味されていないので、例年よりも甘めに見たほうがいいでしょう。医学科はもちろんですが、薬学、歯学系や難関大の理系全体が影響を受けます。医学科受験生は理系受験生全体の上位層を占めています。センターの目標ラインや一次通過ラインも高いので、医学科が無理なので東大理1・理2に変更しよう、薬学部に変更しようという受験生が、今年は少ないと思いますから。 歯学部は人気が低くて3割減、薬学部は前回並みくらいでしょう。歯学部は東京医科歯科大、大阪大、東北大といった難関大でも、比較的入りやすいと思います。薬学部は、二極化が激しく、伝統校には人気が集って、一方で新設校は定員割れという状況です。(以上毎日新聞の記事から) 歯科医師以上に需給バランスが崩れている歯科技工士は、新卒の離職率が9割という都市部の話しも聞きます。養成校の閉校も増加の一途です。一方、歯科衛生士は、不足しており、養成校が年々増加していますが、全国的にみると、昨年あたりから受験者数の伸びに陰りが見えてきています。更に、昨年あたりから入試の定員割れのみならず、今年のの推薦入試でも定員割れを起こしている歯科大学が出て来ているそうで、まさに市場原理に従い、黙っていても自然淘汰が進んで行く段階に入ったというのは何とも寂しい状況です。 三師会では、医師は、不足しているということで、養成校の定員数を明確に増やす方向ですが、一人前の医師を養成するのに、10年近くかかり、実効性が薄いことが危惧されます。逆に薬剤師は、過剰になってきているそうで、10年後には3万人が失業するという予測もあります。これも歯科医師同様に養成校を作り過ぎた結果だと分析され、歯科医師の現状の二の舞にならにないように、ただ単に机上の数合わせにならないように心より祈るばかりです。
2009年01月21日
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来年の県歯科医師会会報の巻頭言です。地区役員として順番で会員向けに書いものですが、公にも配布されるので、公表します。 最近、経済グローバル化に対抗する形で、ローカリゼーションという動きが世界中で始まっているようである。グローバル化の波に乗って、自由貿易を拡大させ、経済優先策を進めてきた日本もここへ来て岐路に立たされていると言える。持続的な経済成長により得られる生活の豊かさを信じて、たゆまぬ勤労に励んで来た日本国民は、生活水準の低迷だけでなく、新たに格差社会の拡大、環境問題、精神衛生の問題等という厳しい現実に直面している。経済のグローバル化は、もはや行き詰まった方向というよりもこれらの諸問題を解決する策を有してはいないとさえ思える。歯科界にいる我々も無制限な市場開放政策に晒されて、人間性を犠牲にするほどのエンドレスな過当競争に陥っている。そもそも医療は、市場における消費者とは異なる性格を持つ患者に対して公平でなければならず、市場原理になじまないものである。 一方、グローバル経済をローカル経済にシフトしていくローカリゼーションの動きは、食や農の業界で、地域住民に支持され、明確な成功を収めつつあり、金融や医療や教育などへも徐々に波及して来ている。地産地消を掲げたスローフード運動のように食や農におけるローカリゼーションは、大規模生産システムのような商業主義的傾向に危機感を持つ人々に支えられている。より分散化されたビジネスは、大規模生産者だけが利することなく、多くの多様性を持つ小規模生産者の持続的経営を可能にする。一定のルールの中で、地域に新たな雇用を生み出し、有限な地球の資源に対するエネルギー消費を軽減させ、人として他を思いやる豊かな精神性を回復させてくれるだろう。医療についても、ローカル化は、西洋医療とそれ以外の伝統医療等とを統合させ、地域の医療が住民にとってよりホリスティックな充実したものになり、互いに助け合うコミュニティが出現してくるようだ。我々の日頃の奉仕的な地域医療に対する様々な関わりが、具体的に実を結ぶ未来が期待できると思われる。 グローバリゼーションのもたらした効率性や能率性は、十分肯定できるとしても、文化や社会への過度な画一性は、否定すべきものであろう。その功罪は、後に歴史が明らかにしてくれるであろうが、アメリカの新自由主義がもたらしたグローバリゼーションは、経済至上主義の拡大とともに、バランスを失い、100年に一度と言われる今秋の株価暴落でその実態を明確に暴露したとも言える。そして、その象徴が、米国の大統領選挙の結果ではないだろうか。一部の富裕層のみが幸福を享受するという格差社会を著しく増大させたという罪は大きいと思う。グローバリズムも欠点を有する一つの理論にしか過ぎない。アメリカに身も心も追随してきた戦後の日本が、新たな進化を遂げるべき時期がいよいよ当来したと言わざるを得ないと思う。 最後に次のマハトマ・ガンジーの言葉で締めくらせていただきます。 「世の中に変化が起こるのを見たければ、あなた自身がその変化になりなさい」 (参考文献) 1)ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ他「ローカリゼーションの胎動と私たちの実践」編集: 懐かしい未来ネットワーク 発行:NPO 法人 開発と未来工房 2)2008年現代農業増刊号「医療再生」 発行:農文協 3)藤原 正彦「国家の品格」 発行:新潮新書
2008年12月21日
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牛や鹿も地磁気の影響で南北を向く?大型哺乳類で初確認(8月26日毎日新聞) 放牧中の牛や休息中のシカの多くが地磁気の影響で南か北を向いているとの分析結果を、ドイツとチェコの研究チームがまとめた。地磁気を感じる動物として、移動に使う渡り鳥やサケ、哺乳(ほにゅう)類ではコウモリが知られている。大型哺乳類で感知できるのが確認されたのは初めてという。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。 牛やシカとなると、哺乳動物である人間もかっては持っていた機能かもしれない。ラマルクの要不要論を思い起こさせる。生活の中で使わなければ退化するのは自明の理である。ダーウィンの進化論全盛の一方で、生き続けている理論でもある。文明人は、飽くなき便利さを追い求めながら、自然と乖離する生活の中で、道具である肉体に様々な退化病を引き起こしている。現代病の多くは退化病だと警告する専門家もいる。 近年地磁気が徐々に衰えているという説があるが、日常的な動物の生態の観察から異常や変化を察知することができるかもしれないし、自然との共存の必要性をこういったことからも感じた次第である。やはり、自然から学ぶ事はたくさんある。今度機会があったら、牛やシカの群れを観察してみたい。
2008年11月16日
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▽自閉症など発達障害の子にイルカ療法(8/20産経新聞から) イルカ療法は、精神障害者や発達障害者に対する治療法としてアメリカでは盛んに行われている。現在イルカの癒しの力は、自閉症やうつ病のような精神的な面だけでなく、癌や外傷のような肉体的な面でも応用されているようだ。既に日本でもやられており、成果を上げている。今回のイルカ介在療法は、NPO法人「アスペ・エルデの会」(名古屋市)の協力で平成16年からスタートしたもので、イルカは香川県の日本ドルフィンセンターから借りたそうである。 うつ病の人の場合、自分に自信を無くしている場合が多いわけだが、イルカと一緒にいるとそんな自分でも受容してくれるという気持ちになり、自信を取り戻すそうだ。今社会問題になっているうつ病による中高年の自殺防止にもなるかもしれない。これもアニマルセラピーとして人間は動物の世話になるわけだが、こういった点でも自然との共生の大切さを実感する。スピリチュアル・ワークでは癒しの動物の代表としてイルカのイメージは大切だ。夏バテで、しばらく体調が落ちている私も、今晩は夢の中でイルカの気の力を借りてみようと思う。参考)ドルフィンセンターhttp://www.j-dc.net/
2008年09月02日
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財団法人長寿科学振興財団が運営している健康長寿ネット内でチェックできるサービスだ。介護予備軍かどうかを判定でき、現在の生活機能状態や日常生活へのアドバイスなどが表示される。 http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000001000/hpg000000954.htm 試しに自分自身を答えてみた。最近疲れ気味で、口が渇いたり、物忘れがある等とあまり考えずに答えると、早くも予備軍の可能性を指摘され、予想外の結果に苦笑した。頑張らなくっちゃ!! 介護予防についてのプログラムを見ると、結構詳しく紹介されていた。こういったサービスは便利だと思うが、主に高齢者対象のため、PCが無かったり、できないと利用価値が落ちるので、情報のデバイスにならないように、行政サイドのハード面でのバックアップも不可欠だと思う。最近ある町で、医師不足対策に医療用として活用する目的で各家庭にPCを配布していたニュースを見た。今やPCは、どんどん安価で小型化し、簡単で多目的に使えるので、むしろ、政府が財政的な理由で介護予防に力を入れる方向ならば、各家庭にせめて助成金等を出しても良いだろうと思う。
2008年07月25日
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最近はいろいろな造語が反乱している。理解するという意味もあって時々取り上げている。時代について行くのも努力がいる。 週刊誌アエラ(7月14日号)によると、最近の車やレジャーに対する消費傾向は、低調だという。特に若者の消費離れが目立つ。JMR生活総合研究所の松田久一社長は、内向的で節約型の消費を身につけた世代をオンリーワン世代と命名した。20代後半から30代前半の世代が中心で、学生時代にバブル崩壊という暗い強烈な体験をしたため、世の中に対して不信感が強い世代だそうである。車や外食に興味を示さず、せっせと貯金をし、休日はもっぱら自宅で1人「まったり」遊びに興じる。ネットが友達で、人間関係が益々希薄になりそうである。消費を控えるというのは、エコロジー時代には役立っているかもしれないが、精神面でちょと寂しい気がした。 自分の30年前当時を考えると、煩わしい時もあったが、人間関係を一番に考えて、付き合いを大事にした。一人っ子なので、小さい時から1人遊びは好きな方だったが、金が無くとも、皆よく夜明かしで飲んだり、遊んだり、たわいの無い事をして過ごしたが、こちらの方が、今では楽しい青春の思い出の一つとなっている。あの時の一体感は何よりも得難かった。まだまだ高度成長期だったためか、皆、夢があったように思う。人は人と交わる事で成長する。人生の朋友を得て、間違っても損をしても良いから若者らしく己の信ずる道を精一杯生きていただきたいと心より願う次第である。 「ひとの世の幸不幸は人と人とが逢うことからはじまる よき出逢いを 」(みつを)
2008年07月20日
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ボストン在住の李 啓充氏(医師/作家)が連載する 「続 アメリカ医療の光と影 」(週刊医学界新聞)から一部転載 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02787_04 世界一の大国・米国は,医療にもふんだんに金を使っている。例えば,GDPに占める医療費の割合15.2%は日本(8.0%)の約2倍,国民一人あたりの医療費5711ドルは,日本(2249ドル)の約2.5倍となっている。しかし,使っている額の巨大さに見合った成果を上げているかというと決してそんなことはなく,例えば,平均余命は日本の男78.4歳(世界2位)/女85.3歳(同1位)に対し,男74.8歳(同26位)/女80.1歳(同26位)と,はるかに劣る数字となっているし,乳児死亡率も日本の2.8(出生1000あたり,世界3位)に対し6.8(同29位)と,「世界一の大国」を名乗ることが恥ずかしくなるような情けない数字となっている。 米国医療の効率が悪い理由として、理由の第一は「民」を主体とした医療保険制度を採用していることにあるが,民の保険が「非常に高くつく」特性を有すること。理由の第二は,「格差社会に暮らすことがもたらす健康被害」にある。平均余命や乳児死亡率のデータでも示したように,金をかけているのに「結果が出ない」ことの最大の要因となっているのである。 ロンドン大学教授のマイケル・マーモットは,社会経済的地位(socioeconomic status)の格差に基づく健康格差を「格差症候群(status syndrome)」(註3)と名付けている。なぜ「格差症候群」が重要なのかというと,それは,個人的レベルで健康であろうとどんなに一生懸命に励んだとしても,格差に基づく健康被害から免れることが難しいからである。例えば,厳しい人種差別に生まれたときから曝されて育った米国黒人女性にとって,妊娠時にどんなに注意深く健康管理に努めようとも早産のリスクが高いという現実から逃れることができないように,「自己責任」ではどうにもならないからこそ,「格差症候群」は恐ろしいのである。 日本はというと、2000年時点で貧富格差はOECD加盟国中3位と,いつの間にか,米国と肩を並べるほどの「格差大国」にのし上がってしまった。 格差社会は、親子代々に、まるで遺伝病のように健康被害をもたらすという事をデータは、示している。格差症候群という負の連鎖は、日本もこのまま、格差社会が進むと、けっして例外では無いということだ。
2008年07月11日
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朝8時40分位だったか。毎朝日課になっている阿武隈川の土手(河口付近)を走っていた時だった。日差しが強かったが、さわやかな風が吹いていて、だいぶ伸びきった野草の間を気分良く走っていた。人影の無い小さな神社の横を走リ過ぎ、民家と森に挟まれたところで、それは起きた。走っていたので、まさに唐突な揺れだった。ゴムのように上下左右にしなった地面に転びそうになったが、立ち止まって踏ん張った。天地鳴動というけれども、まるで巨大な怪物が襲ってきたような地鳴りの後、金属製の生活感を感じさせる物の音が混じって、空全体に共鳴したようにしばらく聞こえていた。ここでは、震度5弱くらいだったが、自然の中にいて、身を持って感じた自然への畏怖の念である。やはり自然はすごい。 家に戻ると震度6+という大地震が宮城県と岩手県の県境付近で起きていた。この辺は、特に被害らしい被害は無かったが、高速道路も新幹線もローカル線もすべて止まっていた。翌日学会で発表のため、午後に新幹線で東京へ行く予定だったが、アクセスが悪く、結局翌朝6時台の新幹線で行くことにした。学会の発表にこの数日は集中していたので、地震の御陰で、ちょっと拍子抜けしたが、自分のところが震源地だったらと考えると、不幸中の幸いかとも思う。 今回の地震は平成20年岩手宮城内陸地震という命名になったようだが、宮城県は、20年以内に宮城県沖を震源とする大地震がほぼ100%起きる予想だ。このためか、地震保険も全国と比べると高いそうだ。12日も町の防災訓練の日なっていて、宮城県の住民は、日頃地震には警戒しているようだが、それにしても近年大きな地震が多いと思う。今回亡くなった方もおられ、心よりご冥福をお祈りしたい。合掌。
2008年06月15日
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Ten things to do(私にできる10の事) 1) Change a light 省エネルギー型の電球を交換しましょう 2) Turn off engine 停車中はエンジンを切りましょう 3) Recycle More リサイクル製品を利用しましょう 4) Check your tires タイヤの空気圧をチェックしましょう 5) Use less water こまめに蛇口をしめましょう 6) Avoid products with a lot of package 過剰包装を断りましょう 7) Adjust your thermostat エアコンの設定温度を調整しましょう 8) Plant a tree 沢山の木を植えましょう 9) Be a part of the solution 環境危機について、学習し、実行しよう 10) Encourage your friends to see An Inconvenient Truth 不都合な真実を見るように友達に勧めましょう 今やノーベル平和賞受賞者となりましたアル・ゴア前米国副大統領の記念碑的作品『不都合な真実An Inconvenient Truth』(2006年アカデミー賞受賞)のDVDのジャケットにあったものです。和訳部分は、簡単にしました。 試みにエコライフの現状について自己採点してみました。暇ではないのですが、遊んでしまいました。良(2点)、可(1点)、不可(0点)とし、良は、80%以上実行、可は60~80%未満実行、不可は、60%未満~不実行で、独断と偏見で判定。20点満点で、12点(60%)を合格としました。ちょっと厳しいかな? 以下私の自己採点です。 1) 不可(不実行) 2) 不可(不実行だが、最近ドライブはあまりしなくなった) 3) 可 4) 不可(不実行) 5) 可 6) 不可(あまり買い物はしません) 7) 良(エアコンは、嫌いです) 8) 不可(実行するとなると土地の問題があるが、植樹に参加したい) 9) 可(知識や関心はあるつもりだが、具体的な実行は今後に期待) 10) 良(ここにも書きましたよ!!) 私の場合は、甘くしてやっと7点。お恥ずかしや。しかし、改めて勉強になりました。まだまだエコ原人ですが、地球を守る気持ちは日々増しています。今年はネットワーク『地球村』にも入りました。マイ箸も買いました。まずは、できるところからやるつもりです。
2008年03月24日
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#新型インフルエンザ、8週続くと入院1日10万人と試算(2/4読売新聞) 厚労省は、新型インフルエンザの流行が長期化した最悪のケースで、感染者数は合計約2500万人、入院患者数は約200万人、死者は約64万人に上ると試算している。 #タミフルが効かない耐性ウイルス、国内初の集団感染者5名(2/28朝日新聞) WHOによると、欧州などでは、従来は1%未満だった耐性ウイルスの検出率が、今季、ノルウェーで66%、フランスで39%などと高く、広がりが懸念されている。 #東大、免疫不十分な全在学生にはしかワクチンを無料接種(2/5産経新聞) はしかは昨年春、10~20代の若者で流行し、全国で大学や高校の休校が相次いだ。今年も神奈川県などで10代を中心に患者が報告されており、国立感染症研究所は「昨年を上回る規模の流行が、春以降に全国レベルで発生する恐れがある」と警戒している。 致死率の高い鳥インフルエンザの人への感染がアジアで増加している中で、タミフルが効かないという新たな不安が出てきている。今年はまた麻疹も流行そうだし、ウイルスとのイタチごっこのような戦いは、当分続くようだ。
2008年03月01日
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先々週 失業率は、下がっているにもかかわらず、ワーキングプアが、増えているという記事をある英字新聞で目にした。日本語と違って、返ってインパクトがある。ワーキングプアとは、年収200万円以下でぎりぎりの生活を送る貧困労働者を言うようである。(They earn less than2million each year.)前回の技工士さん達の記事は、まさに当てはまる。 数字を中心に拾ってみると、2002年の調査では、ワーキングプア世帯は、656万世帯あった。(In 2002 there were 6.56million working poor households in Japan.)これは、労働世帯の18.7%にあたり、急速に増えているという。(That’s 18.7 percent of all working families.)同時に失業率は、ここ十年で、始めて3.9%に下がった。(The unemployment rate fell to3.9 percent for the first time in 10 years.)ただ、雇用が増えているのは、非正規雇用者で、彼等は、正規雇用者と比較して、時給で、53%しか貰っていない。(Part-time workers earn only 53 percent of what regular workers make in hourly pay.)多くが、若者達で、会社に低賃金で搾取され、一度働き始めると、正規の仕事を得る事が難しくなるとの悪循環になるようだ。 日本は、戦後総中流社会を誇りにしてきたが、昨年は、約5、400人の人達がアパートを出ざるを得なくなり、24時間営業のネットカフェに生活の拠点を移す状況になった。(Around 5,400 people had moved into all-night cafes.)しかも、現在18、000人のホームレスが、日本にいるそうである。(Tnere are more than 18,000 homeless people in Japan.)最低賃金は、最高が、東京で、739円で、最低は、沖縄と秋田で、618円。(Minimum wage levels are highest in Tokyo at 739 yen an hour, and lowest in Okinawa and Akita at 618 yen an hour.)他の先進工業国の中では、かなり低い方で、たとえば、イギリスでは、1200円とのことであった。(Britain ,for example,has a minimun wage of 1,200 yen.)ワーキングプアとは、賃金が安すぎて、いくら一生懸命働いても、貧困から脱却できない人々の事を指すとも言える。 さて、日本政府は、ただ社会保障費を削減するだけで、残念ながらワーキングプアに対する根本的な対策をまだ進めていない。日本では、総中流時代は、既に終わり、明らかな二局分化が進んできているようだ。際限の無い市場原理の流れが招いた結果だと言えよう。有限な地球環境の中でグローバルな経済至上主義も過渡期にきていると思う。企業は、生き残りと称した刹那的な使い捨ては止めて、日本の未来を背負う大切な若者達に希望を持って強く生きられるような夢を与えてやらなくてはいけない。 昨年末(12月15日)のNHKのワーキングプアの総集編(三部作)は、非常に反響が多かったようである。第二部では、コンビニのゴミ箱に捨てたマンガ本を広い集め、一冊50円で業者に買ってもらい、一日400円の食費を稼ぐだけで満足していたホームレスの青年のドキュメントが特に印象的だった。第三部では、この青年が清掃業者の仲間に入り、7000円の日当を得て、ホームレスながら食堂で食べたり、銭湯に行ったりしていた。時には、公園での炊き出しのボランティアを率先して手伝ったりもしていた。貧しいながら、お互いを助け合う仲間ができ、徐々に社会復帰しつつあるこの青年は、記者のインタヴューに対して、しばし堪えきれなくなり、下を向いて、涙を流していた。長年心の隅に閉じ込めていた人間的な感情が、どっと沸き上がり、まさに堰を切って流れた瞬間だった。多くの視聴者は心を奪われたと思う。日本の未来はまだ大丈夫だ。こういう人達が支えてくれる限り、救いはある。この人達を見捨ててはいけない。このまま、日本人が昔から守ってきた大切な心を無くしてはいけない。奉仕の心を。利他愛の心を。テレビを見ながら、私も溢れる涙に目の前が霞んでしまったのを覚えている。 参考)NHKスペシャル「ワーキングプアIII 解決への道」の感想 http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor5.html
2008年02月22日
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医療崩壊という言葉が昨年流行しました。また、歯科開業医の5分の1は、ワーキング・プアであるという経済誌の見出しもセンセーショナルでした。 都市部では、歯科医院の看板が巷を賑わすように、歯科医師は、一般医とは逆に明らかに過剰です。政府も対策に乗り出していますが、なかなか抜本的な改善はありません。そして、更に、深刻なのは、歯科技工士さんの業界です。 歯科技工士25歳未満は7% http://espelana.blog109.fc2.com/blog-entry-202.html ある地区の歯科技工士会の話しですが、ここ10年くらい執行部のメンバーが誰もいない。任期満了とともに会長はじめ3役が退会していったそうです。しかも、若い新入会員もいない。また、新卒の技工士さんの卒後の離職率が、9割という都市部での話もあります。 歯科技工所で働いている技工士さんは、睡眠時間は3,4時間が当たり前で、自宅に帰れない日も多いと聞きます。また、こういった現場の影響で、全国的に歯科技工士を養成する学校も閉鎖せざるを得ない所が増えており、定員割れも多いです。需給関係のアンバランスは、かなり深刻で、しかも、診療報酬の問題が、これに大きくのしかかっています。 以下タイムリーな記事を転載します。(日本スリービー・サイエンティフィックの記事より) ■特集 「求められる歯科診療の保険見直し」 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が2006年に行った調査によると、患者が望む歯科医療への要望第1位は“健康保険のきく範囲を広げて欲しい”で、調査対象者の79%に達した。2位は“夜間休日の治療”で約53%、3位は“窓口負担の軽減“で約51%だった。保険適用が望まれる多くの技術が保険適用外となっている可能性がある。また歯周治療、エックス線画像診断、フッ素塗布といった歯科医療、合計73項目の保険点数が20年間据え置かれているが、この間に消費者物価は1.5倍以上になっている。 日本の歯科医療関係者の診療報酬は他の先進国に比べてきわめて低く、保険点数の影響が大きいと考えられている。 現在、年収300万円以下の歯科医師は5人に1人、200万円以下の歯科技工士は3人に1人といわれている。
2008年02月16日
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16日で、喪が開けました。こちらの習慣では、正月とは、「松の内」(元々は1月1日から1月15日まで)を指します。旧暦の15日を軸とする小正月(こしょうがつ)の名残があるとも言えますね。 今年も宜しくお願いいたします。
2008年01月18日
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違ってていい。早く差別の無い世の中にならないかな。皆心から友達です。金子みすゞの詩は、永遠不滅ですね。 私と小鳥と鈴と 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、 地面を速く走れない。 私が体をゆすっても、 きれいな音はでないけど、 あの鳴る鈴は私のように、 たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 (金子みすゞ)
2007年11月13日
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足で踏むマッサージ法、フーレセラピーは新しい癒し(産経新聞) http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071105/trd0711050827001-n1.htm フーレセラピー(足踏み療法)が話題になっている。とても気持ちよさそうだ。 ところで、私は真向法(第四体操まで)を我流で毎朝行っているが、以前道場に行ったことがある。その時、補導体操を試していただいた。ただ、掌圧だったのだが、翌日の筋肉痛が、ひどかったことを覚えている。ましてや、フーレセラピーは、足圧なので、翌日はどうなのだろうかと考えてしまった。 真向法協会のHP http://www.makkoho.or.jp/index.htm
2007年11月08日
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英国からハンガリーへの格安歯科治療が大好評(日経BPnet) http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/world/070822_dental/ 実は、世界的に成人の歯科治療が、公的な医療から除外されようとしている。 イギリスは国営健康サービス(NHS)と呼ぶ医療システムがあり、原則として無料で治療が受けられるが、歯の治療費については、8割は自己負担だ。また、NHSに加入していないプライベートの歯科医院に行く場合は、治療費は全額自己負担となるそうだ。 アメリカは、公的医療制度が充実していない民間保険の国だが、歯科治療は、受けられないか、受けられても自己負担率が高く、日本と比べ非常に高額である。4000万人以上の無保険者の存在が、アメリカ医療の負の面として社会問題になっている。貧困層の12歳の少年が歯の感染症で死亡するという痛ましい話しが今年話題になった。 世界的に医療と福祉が充実しているスウエーデンやノルウェーも成人の歯科治療が保険で受けられなくなってしまった。日本の医療保険制度のモデルであったドイツは、長年成人の歯科治療の公的給付を続けてきたが、制度改革の度に、補綴関係の自己負担が拡大し、かなり厳しい状況だ。最後に残った日本は、世界的に稀な皆保険制度のおかげで、成人歯科治療を長らく公的な保険で対応できた。ところが、世界の流れに従うかのように、最近は、雲行きが怪しくなってきた。 日本の総医療費に占める歯科の割合は、10年位前までは、約1割程度を維持していたが、このところ年々落ちて8%を切っている状況だ。総医療費が、伸びる中で、歯科だけは低迷している。長年診療報酬を低く抑えられ、ほぼ30年余新技術は、保険外である。昨年4月の改正で、医療費削減の影響をもろにかぶり、削減費のうちの6割を歯科が占めた。医療費削減は、どこから削るかと言えば、相対的に生命に直接影響が少ないと判断される歯科から削られるのではと些か自嘲ぎみにもなる。長年、初診料と再診料も医科と格差が埋まらないところに象徴されるかもしれない。今、歯科の補綴外しの噂が聞こえてきている。厚労省の以前からの懸案事項だと言われている。歯科における義歯が眼科における眼鏡のような扱いになるかもしれない。一度崩れると、歯科治療全体がなし崩し的に外されてくる可能性が出て来る。これは、政府が押し進める規制緩和のシナリオと繋がる。そして、アメリカ企業の医療市場参入を促進する。アメリカのように、貧しき者は、医療もまともに受けられなくなる。日本もかって台湾等で格安な補綴をしてもらうツアーがあったが、遠からずイギリスのようになる事を覚悟しておいた方が良いかもしれない。日本の世界に誇る皆保険制度は、きっと歯科から崩れていくだろう。
2007年10月30日
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博士が100にんいるむらhttp://www.geocities.jp/dondokodon41412002/index.html 特に大学院生の間で流行ったそうだが、この100人の村博士バージョンは、パロディ-版であるが、笑えない話しである。 1991年に大学院生倍増計画を政府が打ち出して以来、当時の約8000人から最近は、思惑通りの倍近い大学院生が誕生しているという。一方で、博士は、医師を除くと、まともに研究職に就けるのは、3割くらいで、就職探しもままならない現状である。数年前のデータらしいが、この100人の村によると、無職が、16人、行方不明か死亡が8人と予想以上に厳しい。特に自殺は、極めて高率のようだ。いわゆるオーバードクターあるいはポストドクター問題と言われる。ポスドクとは、博士号を取った後の任期付の職を呼ぶが、大学院は、出たけれど、生かせる職がないと悩み、自殺者まで出る一つの社会問題と言っていい。 私も経験があるのだけれども、開業医をやりながら、社会人として博士号を取得したので、幸い仕事には困らない立場だった。歯科の世界でも、昔は、大学院を出れば、助手か講師の席が約束されていた。今は、大学院を出ても、研究生が普通で、有給の医員になるのも簡単ではない。医員は、附属病院のある医科歯科系独特のもののようだ。厚労省管轄だと思う。文科省管轄の助手以上の定員は、増えることが少ないために、ポストドクターは、1年契約の医員として働く事が多いと思う。給料が安い為、アルバイトが無いとやってはいけない。 私が医員(某国立大学医学部)をやっていた20年前で、日給にして6000円くらいだったように思う。月に14~5万だったろうか。当然ボーナスも無い。あの当時でも、月20万円で、親子3人では、やっとの生活だった覚えがある。不足分は、当直をしたり、医局から回ってくるアルバイトで何とか賄った。米などは家内の実家から送ってもらっていた記憶がある。ただ、工学部など他の学科は、医員というポジションは無いし、アルバイトにライセンスも生かしにくいので、もっと大変らしい。 日本の企業側も研究者が欲しい割には、経験不足で、ポスドクの採用に消極的だという。教育とは時間のかかるものであるが、年齢も30才を過ぎてしまうと転職の難しさもある。最近のポスドク問題の実態調査によれば、特に女性の方が厳しいようだ。日本の頭脳流出は、昔から知られているが、研究もできない、まともな就職もできないでは、大学院への進学を躊躇する学生も増えよう。政府の大学院生倍増計画は、間口を広げただけの片手落ちの政策になっている。輸出資源の無い日本が生き残りをかけて、科学立国をめざす割には、相変わらず課題が多い現状である。博士も昨今は大変なのである。
2007年10月23日
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人間を右脳型と左脳型に分類する性格診断が流行っているそうです。私も『うさうさ脳診断』をしてみました。 http://www.nimaigai.com/home.php 右脳型(う)左脳型(さ)男女の組み合わせで、8種類あり、指組と腕組みで判断します。私は、『うう型』でした。素直で無邪気な正直者。意外に典型的な右脳型なんですね。絵や音楽が好きな訳だ。血液型性格診断同様に利き脳診断は、科学的根拠は無いそうですが、1000人の統計的な処理をした背景があるので、当っている感じもします。血液型と組み合わせるのも面白いかもしれません。ちなみに血液型は、0型で、素朴な性格です。相対的に使わない脳を刺激する事が、脳の活性化に繋がる事は間違いないようです。「アエラの今週号(10月29日号)参考」
2007年10月21日
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新しい病気が急速に世界に広がっている - WHO調査(朝日新聞) http://www.asahi.com/health/news/TKY200708250086.html WHOが発表した07年版「世界保健報告」から。この40年間で、エイズ、SARS、鳥インフルエンザなど39の病原体が前例の無いスピードで見つかっている。この際、伝染病発生情報やウイルス検体の共有が欠かせないわけだが、飛行機による大量の人や物資の移動で病気は数時間単位で国から国へと移動し、拡散防止は「事実上不可能」だという。特に新型インフルエンザの発生・大流行は、過去の流行をもとに試算すると、これまたショックな話しだが、約15億人が感染する可能性が高いそうである。 かって動物しか襲わなかったウイルスが、人を襲うという。今やウイルスとの戦いの時代である。SARSは、某国がアジア人向けに品種改良したウイルスだとする噂があるので、過去に使われた細菌兵器のように極秘で使われたらたまったものではない。また、研究室から事故で漏れた変異ウイルスが、気付かぬうちに周辺にどんどん拡散していき、人々を死の恐怖に陥れるSF映画を思い出す。にも拘らず、いつも事後対策しかしない日本は、先進国の中でも大きく遅れを取っているようだ。 いづれにせよ、世界的な新しい病気の拡大は、己のエゴのために勝手な事をする人間への自然の逆襲かもしれない。ただ、戦うだけでなく、自戒しなくては、キリが無いのではないだろうか?
2007年10月12日
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リタリン乱用が大きな社会問題になっているようだ。リタリンは、ネット上で「合法覚せい剤」や「ビタミンR」などの名称で紹介され、乱用者は「リタラー」と呼ばれているそうだ。製造販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)は、適応症から難治性・遷延性うつ病を除外する方針を固め、学会の了承を得たうえで、近く厚生労働省に削除を申請する見通しである。医療業界では、異例にことだそうだ。 患者の大量服用だけでなく、適応症以外の人の乱用が急増し、2006年の販売実績は、3370万錠で02年の1・2倍という。最近は、入手法を紹介する関連サイトも急増し、中にはリタリンを容易に処方してくれる病院を列挙しているサイトもあるそうだ。複数の病院を渡り歩いてリタリンを大量に仕入れ、無許可で販売して摘発された事件も発生している。 精神科医の安易な処方は、もちろん問題だけれども、「うつ病や睡眠障害は外形的な症状がなく、患者の申告に頼らざるを得ない。」と処方の難しさを指摘する医師の意見もある。更に、背景には、精神科医に限らないが、医師不足(偏在)や技術料の低さなどは、診療時間をかけず、薬物という物に依存しなければ経営が成り立たない日本の保険医療制度の構造的な問題を関係しよう。また、自然療法をなかなか認めない日本の医療業界やあくまあでも薬を使わせようとする製薬業界の体質も複雑に絡み合う。こういった問題は可能な限り情報公開をして、様々な立場から皆で意見を出し合い具体的に対応していかないと、法律で取り締まるだけでは根本的な解決にはならないと憂える次第である。以下は、昨日の記事である。 ▽多動性障害薬コンサータ、リタリンと同成分で承認見送り(読売新聞) http://tinyurl.com/2hz43l
2007年10月05日
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8月20日の厚生労働省研究班の調査http://www.excite.co.jp/News/society/20070820150100/20070820E40.084.html 医療系の学生の喫煙率の調査で、歯学部生が、男性62%、女性35%と特に高いだけでなく、患者の喫煙に関しても比較的寛容であることがで分かった。ニコチン依存症の学生もかなりいる模様である。 最近は、喫煙と歯周病との関連が明確になり、必要に応じて患者さんに禁煙指導も行う時代なのに職業意識が薄いと言うべきか。しかも、何も歯学部や歯科大の学生に限ったことではなく、女性は、全学部で全国平均を上回っているという。この事実に至っては、飽きれる話しではないだろうか。自ら改めなければ、患者さんに指導はしずらいと思うのだが。ただし、有機農法のタバコは、害が無いという話しもあるので、あくまでも喫煙経験のない私の感想であるので、悪しからず。ちなみに20代の喫煙率の全国平均は男性49%、女性19%だそうだ。
2007年10月01日
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