としきぴ堂

としきぴ堂

ウェブに見る憂鬱~ゲーム廃人~



たしかに上記のタイプは存在すると思います。最近気がついた(あたしはマックユーザなので、あまりネットゲームする機会がなかったので)のは、「いい人」を演じてそのキャラクターに自己投影するタイプもいることです。
掲示板でも管理者が「いい人」を演じる傾向は、あたし自身を含めて多くの方にありますが、ゲームの「いい人」は没入の度合いがはるかに深く、演じている役の背景に鬱系なトラブルを抱えているケースが多い気がします。

ケース1
この人は、気弱な印象の男性プレイヤーでしたが、いっしょにゲームをするうちに、個人的な話もするようになって、どうやらゲームのしすぎで、奥さんと家庭内別居に近いとの話題が出ました。
会社から帰宅したら、まずパソコンを起動してゲームサーバにログインという生活が続いていたようです。睡眠時間も削っているので、日中仕事で車を運転していて、居眠りをしてしまったこともあったそうです。
この方は、ゲームに関する情報を得るために、ウェブを検索し、ゲーム攻略に役立つ情報を他のプレイヤーに提供したり、レアなアイテムを手に入れては他のプレイヤーにあげたりしていました。また時間がかかるレベルアップを手伝ったりも。
他のプレイヤーからは頼られて、本人はやりがいを感じていたのかもしれません。しかし、実生活を荒らしてまで、ゲームをするという以前に、家庭内不和や職場への不満などがあったようでした。

ケース2
とてもゲームに詳しいベテランふう女性プレイヤーでした。ゲーム内の独立町を設立してリーダーをしながら、資金稼ぎのために出勤前の早朝毎日ログインしていたのが記憶に残っています。
最初の印象は、ものにこだわらないさっぱりとした人柄でしたが、所属人数のわりに規模の大きな施設を多数設置した町を維持することに嫌気がさして、ゲームをやめてしまいました。
このケースでは、ゲームのシステムである町が鍵となっていました。町に所属しなければ、ゲーム内のイベントに参加できないというような感じでした。イベントにあわせてログインするプレイヤーを誰かれなく受け入れた、この町の存在は、思いのほか多くのプレイヤーの役には立ちました。しかし、町が発展するのと比例して、維持費が膨らみ、結果的に一人で背負い込んだ彼女は追いつめられるようにやめていきました。

この他に、ゲーム専用のファンサイトを立ち上げる、掲示板を設置して書き込みのすべてに目を通してレスする、など、かかる時間を考えると、膨大な労力をゲームに割り振っているケースがあります。
たかがゲームに、日常生活に支障をきたしていながら、どうすることもできない人が確実に存在しています。この人たちは、ゲームを自由意志で開始したはずなのに、いつの間にか、ゲームをさせられているようなアンビバレンツな立場に陥って、もがき始めます。
最終的にはゲームを離脱して、別のゲームに移行するケースが多いようです。

数はさらに少ないと思いますが、ゲームのために「ひきこもり」になっている人もいるかもしれません。

今回の記事は、ゲーム内での観察を元にしており、あたしのゲーム内での立場や主観が観察にまざっていることをお断りします。また、特定の個人が判明しないよう、実際の人物やできごとを編集しております。

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