三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

住職になるには?



法事の後には御膳を用意していただくことも多いのですが、
私はあいにくと人見知りが激しく、愛想もないので
施主の方も話しにくいのでしょう。

よく聞かれる質問が

「ところで三人文殊さんはどこのご出身ですか?」

「岐阜県ですけど」

「へ~遠いところから来られたんですね」

「ええ」

「ところで、お寺の住職になるには、本山からここのお寺が
空いているから行けとか言われるんですか?」

「いえ」

「ではどうやったら住職になれるんですか?」

「自分で入るお寺を探すんですよ」

「ええ~、そんなのできるんですか?」

「相当難しいですね」

「坊さんになったら、どこかのお寺に派遣されると思っていました」

「それが違うんですよ」

最近はお遍路ブームです。
たとえば一般の人がお遍路さんをして真言密教に
興味を持ったとしても、高野山で修行するだけでも
相当大変です。

1、高野山真言宗の住職に保証人をしてもらう。

まずこの段階で、寺院の子弟でないと
難しいと思われます。
昔ならいざ知らず、権利を主張する人が多い世の中では
最低でも真言宗の檀徒でないと保証はほとんど無理でしょう。

2、高野山の山内寺院(高野山の上にあるお寺)の住職に
保証人をしてもらう。

「さあ、坊主でもやろうか?」と思ってもあまりにも不可能すぎて
想像できないぐらいハードルが高いですね!

寺院の子弟以外から住職になった人で、高野山大学出身者が
多いのは2がクリアーしやすいからでしょう。
(高野山大学の先生をしている、山内寺院の住職が
何人かいます)

ちなみに、これは高野山の中の修行道場である、
専修学院・真別所に入る条件です(年齢制限・定員もあります)。
また両方とも試験・面接があり、希望者全員が
入れるわけではありません。

それ以外に高野山の山内寺院で行をするという
ルートもあります。
こちらはそれほどハードルが高くないので、たとえば定年後に
真言密教の修行をかじってみたいという方などには
お勧めかもしれません。

前述のハードルを乗り越え、高野山で修行して僧侶の資格を
取ったところで新たな問題が発生します。

3、空き寺は基本的にない。

当たり前の話ですが、住職がいないお寺は、できるだけ早く住職を
補充するはずですし、後継者が無くて困りそうなお寺は
それを避けるために早めに手を打ちます。

就職のように新規募集をまとめてしているわけではないので
修行がおわって「さあ、お寺へ」というのは無いのが普通。

どこか大きなお寺で手伝いをしながら、
空き寺情報を入手するのが一般的です。

とはいえ、大きなお寺の手伝いも無制限にはあるわけでは
ないので、それからあぶれるのが一般的かもしれません?

勿体ない話ですが、大変なハードルを超えて修行をしても
それでおしまいになる可能性が高いのです。

私の師匠の弟子は20数人という話を聞いたことがあります。
住職までたどり着いたのは二人とか?
庵などの布教場所を確保した方でも五人ぐらいとか?

私は30過ぎてから、お遍路に出て、縁あって高野山に登り
お寺に入った経歴からか

「坊さんになりたいんですが?」

と相談を受けたこともあります。

「紹介してもいいですが、お寺には入れませんよ」

と答えざるを得ないのは残念です。

やっと、空き寺情報を入手しても、
うまい話はそうそう転がっていません。

それなりの覚悟が必要です!

高野山にいたころ、専修学院の寮監を長くしていた「Sぽん」
という人がいました。

私と同じ歳ですから、高野山大学を卒業してから
十数年たっていたのでしょうか?

「Sぽんさんお寺に入らないんですか?」

「なかなかいいお寺がないんだよ。やはりキチンとした
収入がないといけないし、お寺を運営していくだけで精一杯では
ちゃんとした布教もできないし、お寺を立て直すことに
人生を傾けるようでは・・・」

今の時代、地方ではお寺の運営収入だけでは生活できない僧侶も
増えています。副収入がある方でないと、
入れそうなお寺を確保するのことすら至難です。

極端かも知れませんが、とりあえず、雨露がしのげる場所を
確保すればよし、というあたりで手を打たないと・・・

さらに、現在の住職(管理者)並びに檀信徒の意向が重要です。
こちらの希望と相手の希望が合わない場合が結構多く、
相手がよほど急いでいるというような場合でない限り
無条件で入れることは少ないと考えられます。

だんだん気が重くなってきましたね!

住職になるのも大変ですが、なってからは
責任がかかってくるのでもっと大変です。

ちなみに、今お話したのは、手続きの問題です。

真言密教の修行はそれなりに面白いので、物にこだわらず
人生を楽しく生きたいという方にはお勧めかもしれません。

そうそう、言い忘れましたが、お寺の子弟でなくても
住職になる近道がありました。

男子がいないお寺の女子と恋愛!

私が知っている限り、修行をしてからお寺に入るより
大きなお寺に入れる可能性が高そうに思えます!

最初から住職を目指される方は
こちらがお勧めかもしれません。(*^_^*)

最終更新日 2009年03月13日

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