三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

原発を爆撃するとどうなるか?



ぼたんの花さんより、原発を爆撃した場合について
尋ねられたので、こちらに書きます。

原発を爆撃したら一般的には原子炉が破壊されるように
思えるので、周辺に放射性物質がまき散らされるように
思いますが、通常の爆撃程度では原子炉は破壊できない構造に
なっているという書き込みを見たことがあります。

現実には私は原発の構造に詳しくありません。
そこでミクシーという会員制のSNSでトピックを立てました。

以下はそのやりとりの一部です。

~~~~~以下引用~~~~~

爆弾の爆発方法、爆発威力と落とし方によります。
二枚以上のコンクリート壁を貫通し、厚さ数センチの
ステンレス容器を破壊し中の燃料棒を吹き飛ばす威力と
エネルギーがあれば撒き散らされます。

あと原子炉の破壊と放射性物質の飛散は、破壊されたから
飛散するというほど単純ではありません。
原子炉が外部から圧力を加えられても中身が飛散するかは、
爆弾の威力によります。威力が足りない場合は原子炉の
破壊のみで放射性物質はさほど飛散しないでしょう。

原子炉建屋の天井は薄いぺらぺらの構造なので、
数キロの鉄球でも貫通できるようですね。
ピンポイントに爆撃できるかわかりませんが。

原子炉を破壊するのが目的ならば、爆撃よりも、
よく訓練された10人程度の兵隊が原発内部に侵入して
配管などを爆破する方がよっぽど現実的でしょう。

メルトダウンを起こせば高熱の燃料が地中の水と接触して
水蒸気爆発⇒全国に放射性物質が拡散します。

メルトダウン起こしても水蒸気は圧力制御プールで凝縮し、
溶けた燃料も格納容器の下に溜まるだけで爆発にまで
至らないのではないでしょうか。
といいますか建屋の天井そんなに薄くないよ。
普通の鉄筋コンクリ造りより薄いというのですか。
まぁ、地上数百メートルから落とした鉄球とかでしたら
わからなくもないですが。

原発の壁は戦闘機が突っ込んでも破壊されないように
出来てるけど、911のように大型の旅客機が突っ込んだ場合は
その限りではない。

また爆弾に関しては、現代では数百mという低高度では
行いません。少なくとも数千mの高度から行います、無誘導の
爆弾なんて、現代では使いませんから。破壊力に関して言えば、
おそらく地中貫徹爆弾なら可能であると思います。

 但し、それで核物質が全国にばら撒かれるかといえば、
それもないと思うよ。原子炉まで到達できる爆弾が爆発すれば、
メルトダウンを起こす前に中性子線が止まる。

海中から打ち込まれるってないのかな?
冷却水取り込み口を爆破されるとか。

取水できなくなったら34秒で冷却不可能、途中で原子炉停止しても
冷却水がないと炉心溶融・水蒸気爆発はありうるのでは。

取水できなくなったら、制御棒動かして炉心の緊急停止だと
思うんですけど。

もしも仮に原発を破壊するならバンカーバスターのように
硬い岩盤でも突き抜けて、内部でナパーム弾のように
激しく燃えて、強アルカリ性で、一次冷却水と化学反応して
爆発力が凄まじい兵器でないと、ただ破壊するだけでは
原発一基が使えなくなっただけの問題にしかならないと思います。

いや、簡単な話、原爆を落とせばいいんです。
長崎級でも原発は吹き飛びますから。

>「原発を爆撃すれば破壊される」

>「しかし、それだけでは広範囲に放射能汚染が
広がることはない」

>これは私の途中結論です。

 そのとおりです、但し例外もあります。
破壊が中途半端に終わった場合です。
例えば、原子炉自体に大した損害はなかったけれども、
制御システムにダメージを食らった場合は、原子炉の制御が
出来なくなり、下手をするとメルトダウンという可能性は
あるでしょう。

核弾頭を開発する能力はないけど、通常弾頭のミサイルは
他国から輸入して持っているならず者国家が、
日本の原発を攻撃する可能性は当然あるでしょ。

その可能性は否定しませんが、弾道ミサイルってのはCEPが
広いので、まず間違いなく当たりません。
弾道ミサイルは、精密誘導は出来ないのです。
巡航ミサイルは使いこなすのに高度の技術が必要なので、
そのようなならず者国家には扱えません。

テロリストだったら、911みたいに燃料を満載した旅客機を
ハイジャックするか、小型機に爆薬でも積んで突っ込めばいい。

 爆弾を積んだ小型機程度では無理でしょうね、
ですが911と同じケースが原発で再現されたらやばいで
しょうね。既に記しましたが、原発の外壁は戦闘機が
突っ込んでもビクともしません。
しかし大型旅客機では耐えられないでしょう、
質量が10倍以上違いますからね。

原子炉その物を狙うより冷却水の配管の継ぎ目を外すほうが、
はるかに簡単だとは思うんだけれどソノ場合は緊急停止して
くれるのでメルトダウンに繋がるなんて事は「ゼッタイに」
有り得無いんですよね。地震の場合と同じく。

航空機が突っ込むことについては、六ヶ所村の施設については
設計段階で考慮されています。
ただ、近くに射爆場があった関係でF-16が燃料満載で
突っ込むことについてですが。

それよりはるかに古く、B-747も就航していない段階で設計が
はじまった敦賀第一などか、その種のアクシデントに
どの程度耐えられるかはわかりませんが。

敦賀原発第一号機はBWRなので、たぶんコンクリートも
かなり分厚いと思います

それに大型旅客機は質量こそ大きいものの速度は
戦闘機よりも遅いですし、背の低い建屋に衝動させるには
エンジンの出力を下げて滑空状態にしないと当たらないですから
かなり難しいんじゃないですかね?

自分がテロリストなら、燃料を満載した状態の旅客機を
ハイジャックして、燃料タンクに爆薬をセットし、
ギリギリまで通常の航路を保った上で、熟練したパイロットの
操縦で原発に突っ込みますね。

原子炉まで到達することは無理でも、重要な施設や配管系を
破壊し、広範囲に放射能汚染をもたらすことは可能でしょう。

また飛行機の燃料の爆発によって大規模火災を
引き起こすことで、復旧を遅らせ、ダメージをさらに
拡大できますね。

~~~~~以上引用~~~~~

途中から、爆撃ではなく、飛行機を使ったテロの話に
なっていますが、その理由は

「原発を攻撃したときの国際世論を考えると、それを容認する
国家はほとんどないので、爆撃する政治的な意味がない。」

という極めて現実的な意見が大勢を占めたからです。

しかし、歴史を見てもわかるように、必ずしも歴史は
意味のある行為ばかりで構成されているわけではありません。

ですから、それを押しのけて、「もし攻撃を受けたら」という
議論を進めたんのですが、こういう結果になりました。

当たり前の話ですが原発は爆撃されることを前提として
建設されているわけではありませんので、

「爆撃されたら」

それなりのダメージを受けるのが当然です。
ただ、それがどれほどのものか?
当然ながら爆弾の威力に比例するのは当たり前です。

通常のビルなどを破壊する程度の爆撃では防御壁で
覆われている原発を破壊できるかどうか微妙?

また破壊できたとしても、それが深刻な放射能漏れに
なるかどうかは微妙なのではないでしょうか?

ただ、私のいう深刻な放射能漏れとは、複数の県に
またがって即時に避難が必要な事態を想定しています。
当然のことながら、爆撃されたら原発所在地の市町村は
避難が必要です。

最終更新日 2009年04月09日

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