たこ焼きとラフランス

夏風





 私の中学三年間での一番の思い出は、三年生の部活動最後の中総体だと思います。
何故ならば跡を濁さぬぐらいほど素晴らしい最期を遂げることができたからです。
個人戦で第一回戦、面倒なので応援の人は誰も呼びませんでした。
気分そのままに試合を進めるうち、最終セット一〇対〇で、最期の一本、見事サーブミスで負け、なんと中総体最期の試合でストレート負けしてしまいました。
まるで、お酒にぴったりだと思って、最期まで楽しみに残しておいたカラスミをやって来た泥棒さんに食べられてしまったときのような、絶望感が僕を襲いました。
目の前のモノは全て色あせ、呼吸を止めてしまったようでした。
初夏の晴れ渡っているはずの空は、灰色に染まり、体育館という大きな箱の中に僕一人取り残されたような孤独感。
僕はコートの前に独りたたずみました。
 遠くから仲間たちの呼ぶ声が聞こえ、僕ははっとした。
「そうだ。僕には仲間たちの場所へ帰る義務があるのだ。」
そう呟いて僕は仲間たちの元へ笑顔で走り出した。大きな希望と夢を背負い・・・そう、今のぼくにはプロの卓球選手という偉大ながらも無謀で壮大な夢がある。
 夏の始まりを告げるさわやかな風が、僕の背中を押した。



  あらすじ
中学校最後の中総体を迎えた“僕”は一回戦から強豪桜城南中とあたり、大敗してしまう。そこから始まる仲間たちとの熱い友情ファンタジー。
 作者TKの半自伝的作品。そして、AKとの夢のコラボレーション!







あとがき

「夏風」は授業時間中に共同して書き下ろしたものです。
一話簡潔です。どうみてもファンタジーではない。
そして悲しいかな、実話である。ちなみにTKは僕でAKは女学友。

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