専業トレーダー DaTsU

休むも相場、見切り千両


効であることも多いかと思います。本間宗久は難平はしてはいけないと言い切
っています。相場についての話で共通点の多い二人ですがこの点では全く意見
を異にしています。また、これと同じことなのですが牛田権三郎は「ドテン商
い」を推奨し、本間宗久は「休むことが肝要」で「売り」「買い」「休む」を
「三位の伝」と称しています。同じ米相場で成功した二人だけにどちらが良い
か迷うところです。

 「不利運の節、売り平均買い平均、決してせざるものなり。思い入れ違いの
節は早速仕舞い、四~五十日休むべし。十分仕当たる商いにても、商い仕舞い
候後は四~五十日休み、米の通いを考え、三位の伝に引き合わせ、図に当たる
時を考え又仕掛くべし。何程利運を得てもこの休むことを忘るる時は商い仕舞
いの時は極めて損出ると心得べし。但し、商い仕舞い休むというは、何心なく
休むにあらず、その気の強弱を離れ、日日通い高下を油断なく考うべきなり。
又前年売り方にて利運する時は又々強気に張り詰めるものなれども、これ又前
年の気をサッパリ離れ、その時のその年の作の様子、物の多少、人気の次第を
考うること第一なり。」

 「自分のポジションと反対に相場が動いて含み損になった時に、難平(なん
ぴん)買いや難平売りをしてはいけない。すぐに手仕舞って四五十日は休むこ
とが大切である。十分に儲かる相場でも利食ったあとは四五十日休み、相場を
研究し、三位の伝に照らし合わせてここぞという時に仕掛けるべきである。ど
んなに儲かっている時でもこの休むと言うことを忘れると損が出てしまうと考
えるべきだ。ただ、休むというのはぼーっとしているのではなく、ポジション
を取っている時の強気、弱気という相場観を取り除き、相場を研究しなくては
ならない。前の年に利食い売りをしたむきは今年も強気になるものであるがそ
ういった先入観を捨て、現状の作柄や需給関係、人気等も考えることが大切で
ある。」という意味です。この文章の冒頭にあるように、少し下がったからと
いって難平買いを入れたりするのはもうその時点で相場観が間違っていたので
す。だから、そういったときは何をやってもだめな事が多く、いったん損切り
をして休み、次のチャンスに備えることが肝要だというのです。

 「商い利運仕当たる時、先ず大概に致し、取り留むるものなり。その節一両
日休むべし。この休むことを忘るる時は、何程利運に向きても、商い仕舞いの
節は決して損出べし。勝ちに誇り、百両の利は二百両取る気になり、千両二千
両の気移り、欲に迷うて見切りかね、損出るなり。これ欲より出て迷うなり。
不利運の時はなおもっての事なり。その時の見切り大切の事なり。慎み心得べ
し。」

 「相場が思うように行き、儲かっている時にはまず、ほどほどで利食うべき
である。そして一両日は休むべきである。この休むということを忘れるとどん
なにうまくいってても手仕舞う時には損が出たりするものである。儲かってい
るからといっていい気になり百両儲かったから次は二百両取る気になり、千両
二千両と夢がどんどん膨らんで、結局欲に迷って見切ることも出来ずに損にな
ったりするものである。この損は欲が出て迷ったために出たものである。儲か
っていない時はより休むことも大切である。そして休む時に見切ることが大切
なのである。よく心得ておくべきである。」という意味ですが、これも現在の
相場にもぴったりと当てはまるのではないでしょうか。いい気になって次から
次へとポジションを取り、ドンドンポジションも大きくなってそして結局最後
におおやられして、儲けを吐き出してしまうことが良くあるもです。つまり、
儲かっているからといい気にならずに、また、損しているからといってあせっ
て商いすると大やけどをする、と言うことなのだろうと思います。

 ※相場をやる時には常にポジションを持ったり、売り買いしていないといけ
ないと思う人もいるかも知れませんが、「ここぞ」という時に出動して、しっ
かりと儲かった次のチャンスを待つべきだと思います。決してあせって売り買
いしても儲かることはないと思います。また、自分の思惑が違っていたと思っ
た時には難平するのか、見切らなければいけないのかよく考えるべきです。そ
していつまでも悩んでないでしっかりと行動するのがいいと思います。悩むの
であればさっさと見切ってしばらく休み、じっくりと次のチャンスと待ったほ
うがいいと思います。 


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