専業トレーダー DaTsU

下げを待ち買い入るべし、心定まらず


にすれども、その時の模様に迷うことあり。下げかかるときは十日、十二日、
十三日も下がるもの故、能く能く見合わせ、下げを待ち買い入るべし。丑の日、
不成日、天一、八専、此の日多くは下げ留まりなり。わけて下げ相場の買いは
底を買わざれば利浅し。

 「天井を考えるときは100俵以上の上げを目標にすればいいのですが、底を
考えるときは100俵の下げを目標にしておいても実際にそのときになると、相
場の雰囲気で迷うことが多いものです。下げ相場になると『天井三日、底百日』
と言われるように、10日も13日も下げ続けることもあるので、良く考えて下げ
きったところを待って買いに出るべきです。暦では丑の日、不成就日、天一、
八専などの日に下げ止ることが多いと言われています。特に、大勢下げ相場の
時は、しっかりと底値で買うようにしないと儲かったとしても儲けは少ないも
のとなってしまいます。」
 と言う意味ですが、ついつい買いをあせってしまう身には考えさせられる言
葉です。上げ相場の時はもうここまで上がれば十分(百俵上げ)といったとこ
ろで売れば「天井三日」といわれるようにすぐに売りの効果が現れることが多
く、逆にそういった「十分に」上昇したところで利食い売り(利益を確定する
売り)をしないとすぐに他の人が利食い売りを出して下がってしまうことが多
いものです。逆に買いを考える場合は十分に(百俵)思って買いに入ってもま
だ下落を続けてしまったりすることが多いものです。もう十分、と思ってから
一呼吸置く感じでよく見極めてから買いに出ても決しては遅くはない、と言う
ことです。万が一買いそびれても空売りの買戻しでなければ損をするわけでな
く、儲けそびれるだけなので、実害も少ないということも言えると思います。

 米上ぐべしと思えども、もし此の間にひと下げ出ること心もとなく見合わせ
候節、少々上がる時はさてこそと思い、下がればさてこそ下げなりと思う。是
一体心定まらず動くなり。跡相場にて考うる時はあの上げ売り、此の下げ買え
ば、上げ下げにて取ること、心安く思われるけれども、高下を取ること稀なり。
一両月も跡見合わせ、一度の上げか、下げかを取る考えをなすべきなり。上げ
下げを取る心にては、年中休みなく、相場に連れ、心動き騒ぐものなり。それ
故損出るなり。

 「相場が上がるのではないかと考えている場合でも、それまでの押し目を買
おうと見送っているときに、押し目もなく相場が上がり始めると『あぁ、やっ
ぱり相場は高いんだ』と思い、逆に下がり始めると『やはり買わなくてよかっ
た、予想通り下がってきたけど、もっと下がるのではないか』と思うものです。
往々にしてこういう風に心が定まらず優柔不断に相場の雰囲気だけで動いてし
まうことが多いものです。あとで考えて、『ここで買って、ここで売って』と
考えれば上げでも下げでもうまく取れるように思うのだけれど、そううまく上
げ下げで取れるものでもありません。あせることなく、じっくりと相場を見て、
上げや下げの一度でも確実に取れるようにしたほうがいいと思います。上げ下
げの『あや』を全て取ってやろうなどと思っていると年がら年中休む間もなく
相場の雰囲気に振り回されて、方針も定まらず、上だ下だと考えもまとまらず、
結局損になってしまうものです。」
 今の相場付きを表しているような言葉として、この言葉も非常に興味深いも
のがります。市場の雰囲気やその株の目先の値動きだけに連られ、あっちだこ
っちだ、それ売りだ買いだと忙しく右往左往してみても結局儲からなかったと
いうことがよくあるのではないかと思います。付和雷同してあちこち動くので
はなく、落ち着いて、上げか下げかを見極め、方向が決まったらどのあたりで
買いに出てどのあたりで売るか、もし買った後下がったらどうするか、もう一
度買い場を探すのか、すぐに投げるのか、などとしっかりと方針を決めてその
とおり動くのが正解となることが多いということです。ここで宗久翁が言いた
いのは目先の相場の動きに惑わされるな、ということ、しっかりと方針を固め
てから売り買いに出動すること、を言いたいのだと思います。

※今週はじっくりと相場を見極めてから行動しましょう、ということを述べた
部分を取り上げました。しっかりと相場を見極め、決してあせることなく、方
針を固め時には臨機応変にでもしっかりと方針を持って相場に臨まないと目先
の動きに振らされて、損ばかり嵩むことになってしまいます。自分の投資スタ
イルにあった方針でしっかりと見極めながら投資をしていきたいものです。


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