鶴々鹿々

鶴々鹿々

サンフランシスコ観光


 徐々に「行く気」をあげていった私、当日はいつもの旅行のように楽しみに空港へ着いた。久しぶりに友人と会う。この友人と一週間寝食をともにするのか、と大げさに考えつつも、大学の友人ほど親密に過ごしていたわけではないためこの先のいろいろなことを少し不安に考える。
 一連のチェックを通過して飛行機に乗るのだが、考えてみると最初の手荷物検査場が一番旅行へのドキドキ感があり、楽しみ感があった気がする。

 約9時間のフライト、ほとんどが快適な空の旅ではあったのだが…。ここにきて一個目の”イライラ分子”が積み上げられたのである。
 それは、飛行機の到着時間が朝の7時のため寝ておこうと思った時のこと、一人の友人が『寝れない』と言い出す。

  いやいや…、寝れないんじゃなくて寝るんだよ!

 と思い、寝るよう促すと、『俺、こんなところじゃ寝れないよ』と。まあ分からないでもないが、寝なければしょうがないだろと、少し呆れ気味に寝るよう促すのだが…。元々飛行機の揺れが嫌い(え?みんな嫌い?)な友人、そのせいもあってか結局寝ず、それに私も付き合わされ睡眠不足。後に大量のイライラ分子が積まれるうちの最初のエピソードである。

 サンフランシスコ観光は旅行代理店のパックのオプションのため、手早く市内を知ることができた。
 旅行に行っても(そうではない新しい場所でも)、私は都市景観と建物観察に目が忙しい。絶えずいろいろなところを見ている。今回もそうであった。
 S.Fでの驚きは、電柱が地中に埋まっていることであった。日本では祇園の通りでされているが、その他はあまり聞いたことがない。S.Fではそれが市内全体でされているのである。景観を維持する取り組みがされていることを教わったが、それにしても市を挙げての取り組みには頭が下がる。
 電柱のない通りから空を見上げると、空が高く見える。それだけで気分のいい思いがした。日本の都心部でこれができれば景観良くなるのになあと思う。

 ゴールデンゲートブリッジやチャイナタウンなど観光ガイドに載ってそうなところを大雑把に回ってホテルに着くと、友人たちは疲れたと、寝始めた。
 まあ確かに疲れたろうが…、昼過ぎにホテル着いて寝るとは何ぞや!特にそこの友人、あなたは飛行機で寝ないから眠いんだよ!

 早くも友人に対するイライラが出てくる。
一緒にいると相手の悪い点も見えてくるというが、これらはまだまだ始まりに過ぎないのである。
 そんなわけでホテル着後は特に何をするでもなく、一日が終わる。

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