つぁひ→た~く→らずぴぃのおへや

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そのよん ~かれっじ ぱーと2~

さて、めでたく音楽学部に合格し、ESLも修了したので、晴れて夏休み…といいたかったのですが、おつむの足りない私はそんな優雅な事を行っているわけには行かず、夏休みの間に、普段取りきれない教科を受講してしまおう、という計画を思い立ったのでございます。

音楽学部を専攻する場合、音楽の必須科目、選択科目、音楽以外の必須科目と選択科目の4種類を受講しなければいけないのですが、これを全部9月から4月までに終わらせようとすると、かなりの努力が必要となります。特に私の場合。
そんなわけで、夏休みでも受講できる教科を受講し、9月からはその時にしか取れない授業を頑張ろう、という事にしたわけで・・・

音楽学部1年生が始まる前の夏休みにはフランス語の集中コースを、2年生が始まる前の夏休みにはEnglish writingを受講しました。

さて、9月になり、音楽の授業が始まったのはいいものの、ついていけるのは聴音のみ(笑)。もちろん音符を読んでいる限り問題はないのですが、専門用語はさっぱり… 一番辛かったのは西洋音楽史の時間。先生は声が小さくて、ぼそぼそ話す上に超早口!! これには参りました。
それで、これはいかんって事で、速攻友達を作ることに…これはいたって簡単でした。音楽の授業を受けている人は皆同じ人しかいませんから、極端な話1日中一緒にいるわけです。で、一番最初の日に一番最初の授業で隣に座ってくれたSheilaghというアイリッシュフィリピーノのカナダ人が声をかけてくれて、それからとても仲良くなりました。(今でも友達です。2005年の8月に結婚しました。)

それからすぐウクライナ系カナダ人のTara、ドイツ系カナダ人のFranz、中国系カナダ人のBrian、韓国系カナダ人のStephanie、BC育ちのフレンチカナディアンのJoel、香港人のCindyなどなど…皆さんすぐに私を受け入れてくれて、英語ができない私に懇切丁寧に色々と教えてくれました。

Sheilaghと私はまるでワンセットのようで(笑)、いつも一緒にいました。連弾もしたし、私の伴奏をしてくれたり、私が彼女の譜めくりをしたり。勉強する時はチューターしてくれました。その代わり、週末は彼女の教会で日曜のミサの時に歌うたいのお手伝いをしたりしてました。

もう1つ私が心配していたのはピアノ。音楽学部に入ると、ピアノ専攻でないものはピアノののレッスンを受けなければいけないのです。もうピアノは弾かない!と心に誓ったのに、避けられない… しかも、私のレベルは全くの素人ではない、と判断され、個別レッスンを受ける事になりました。あぁ、怖い。またぼろくそにいわれるんだろうなぁ。…と思いきや、私の先生はNY出身のユダヤ人。まー明るいのなんのって!! 私が超緊張して最初のレッスンに行ったら、「そんなに緊張しなくっていいのよぉ、たかがレッスンなんだから~」と、肩をバシッと叩かれながら明るく言われてしまいました。私が日本で言われた事を話したら、「そんなの気にしなくっていいのよ。忘れなさいね~大丈夫だから」なんてニコニコしながらいわれました。彼女には本当に救われました。

2年生になると、周りは大学編入の事で頭がいっぱい。
私の最初の予定は短大を卒業して帰国し、就職でもしようかなぁ、なんて感じでしょうか。でも、何で編入しないの? と聞かれたときに、確かにこれで帰ってしまっていいのだろうか、という疑問が私の頭をよぎってしまった… こんな中途半端でいいのか?! 

考えれば考えるほど、自分の実力はまだまだついていないように思えて、またまた両親に一生のお願いをするのでありました(笑)。これで人生2度目。
賛成してくれました。中途半端よりもきちんと納得いくまで勉強しなさい、と。でも、後から知った事ですが、実は父も母も少しだけ寂しかったようです。

というわけで、大学編入に向けて練習の日々が続きます。
友達と一緒に勉強して、遊んで、練習して、毎日が楽しかった。

あれよあれよといっている間に、大学編入のためのオーディションは近づいてきます。どの大学に行くかを考えるのにそう時間はかかりませんでした。州外の大学に編入すると、せっかく取得した単位を認めてもらえないことが多々あり、それを考えたら州内の大学しかないわけです。といってもその当時BC州にあった大学はたったの4つ(笑)。そのうちのひとつは音楽学部がない。もうひとつは当時出来たばかりでえらく遠いところにある。となると、選択肢は2つに1つ。実はその時点で行きたい大学はすでに決まっていたのです。バンクーバー島にあるビクトリアという都市にあるビクトリア大学です。大きくなく、ピアノ科が充実している学校。もう1つの大学は非常に有名ですが、キャンパスはとてつもなく大きく、校風もあまり好きではありませんでした。でもとりあえず両方受験しなくては。

ここで私は重大なミスを犯します。
副専攻だったピアノを受験対象に選ばなかったのです。まさかピアノを専攻するなんて思ってもみなかったし、自分の実力はそんな大層なものではなかったと思ったから。でも、これが実は間違いだったかもしれなかった・・・
結論から言うと、その時点では歌で音楽学部のオーディションには受からなかったのです。私はお先真っ暗… と思っていたのですが、ビクトリア大学の音楽学部長と話をした時、「君、まずは大学に編入したら? 今だったらTOEFL受けなくても編入できるから。1年音楽以外の教科を受けて、来年受かればいいでしょ。」とのアドバイスを頂き、その通りビクトリア大学の一般教養を受ける事になったのでございます。

晴れて短大は卒業。両親は卒業式に来てくれました。


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