おもしろすぎるぜ 中国で農業

おもしろすぎるぜ 中国で農業

つづき(4)


●上海で安全な有機野菜を食べたい(その7)
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                        2006年4月12日 
昆明から、上海に戻って・・
上海って、寒いですね。もう4月というのに・・
そして、雨が降り・・・風も冷たい。
やはり、昆明はすごしやすい気候です。

ひさびさに、また 「安全な有機野菜」をたべたいとねがっている
Iさんと会った。友人のXさんと一緒に・・・
人民広場のそばのレストランで、ランチを一緒にしながら・・・
「上海で、安全な有機野菜をたべたい」というテーマで話し合った。

これまでの話は、互いにメールでやりとりしているので・・・
開口1番・・・・・
「有機野菜って、奥が深いんですね。」といわれました・・・
「こだわるには、ホントにこだわらないと、
安全で健康にいい野菜ってむつかしいんですね。」

有機野菜を作るには、ホントに総合な技術力です・・・
水をとっても、土をとっても、・・・
そして、有機質で育てると言っても、生やさしいものではないです・・・

まず、水の件を考えてみると日本と大きな違いがあります。
やはり、日本の農業は、水に恵まれています。
水不足の時には、台風が水をもたらしてくれたりしますので、・・・・
中国は、降雨量も全体的に少なく・・・
水が不足している中で、農業をしないといけないです。

上海の水を考えてみても・・・
その水の供給源は、昔は揚子江といわれましたが、今は長江。

この河は、全長6400キロメーターもあり、
チベット高原からはじまり、
雲南→四川(重慶)→三峡を経て湖北→江西→安徽→江蘇から上海に

ある意味では、重化学工業や工場の建設が急速に進んだ・・
その川の水を、上海では、利用しないといけません・・
工場廃液が流されるというのは・・・当然のことで、
すこしづつ取り締まられていますが・・・
しかし、水質は最悪です。

それに、生活排水も流れてきます・・・
中国で気がつくのは、浄化槽に関して、余り進んでいなく・・・
大型な浄化池みたいなもので、一気に浄化しようとする傾向があり、
結局は、負担が大きく、キチンと水が浄化されないまま・・・
河に流されてしまいます・・・
通常でも、「糞」がそのまま流れ出ちゃう・・こともあります。

畜産においても、同じように、糞尿の垂れ流し傾向にあります・・・
工場排水、下水の垂れ流し、畜産の汚水の垂れ流し・・・
まさに、長江は、なにごとも受け入れて・・・
自然の浄化機能を活かしながら、流れていますが・・・
それは、まさに悲鳴を上げているようなものです。

そういう水を飲料にしたり、農業用の水で使わなければならない
とするならば・・・やはり、厳しい状況だといえます。
長江の水をイオン交換樹脂や浸透膜などで、
浄水化するプラントをもっと沢山つくる必要があります・・

ある意味では、上海で農業をするって、
水をいかにクリアーにするか?・・・そのことが大切ですね。

環境問題って、むつかしいのは、
きれいな水を汚すと・・・・よくわかるんですが、
汚れた水が流れていると・・・
汚してもいいと思っちゃうところが、あることですね。
中国では、みんなで、河の水を汚しているところがあるような
かんじです・・・

道路に平気で、ポイとゴミを捨てますが・・・
「道路清掃人の仕事」と平気でいいます・・・
河にも、ポイとゴミを捨てて・・・水は流れる・・・
という感じでしょうか?


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●長江の流れる三峡は、ダムが建設され、生態系の破壊につながると
 警告を受けている・・・
水質に影響ない

長江デルタの深刻な地盤沈下

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●上海で安全な有機野菜を食べたい(その8)
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水を大切にする・・・・
少ない水を効果的に使うことと
水を汚さないという二つがあるんですが・・・
どうも、中国では、「水を汚す」ことは、
よくないという考えが希薄です。

結局は、きれいな水を見たことがなくて、
どんよりと汚れた河や、緑色の湖しか見ていないことが
大きいのかもしれません・・・

今回、上海で農業するよりも、
雲南で農業をすることがいいと思ったのは、
上海の気候条件 「夏あつく、冬寒い」というのは、
暖房費がいるし、電力費がいるというエネルギー多用型なことが、
一つのキッカケですが・・・
もう一つは、やはり、水の問題です。
上海の水より、その源流の雲南の水の方が、
水質がかなりいいと思ったからです・・・
(実際は、キチンと分析する必要がありますが・・

ただ、中国で農業をする場合に、
高品質の農産物ができるからといって、
日本の農業を単純に持ち込むことがいいのかどうかは、
やはり、問題があるように思っています。
日本の農業は、水が豊富なところから、出発しているので、
この点を改めないといけない・・・

私は、以前 イスラエル に視察に行って、
沙漠に近い国で、先端的な農業が展開されていたことに
驚きました・・・・

その技術は、
水を節約する点滴灌漑システム
高温の気候の中で、如何に徹底して、涼しい環境のグリーンハウスをつくるか
の2点でした。

私が雲南ではじめる栽培は、従来のハウスを使い・・・・
(作っていた人が、逃げてしまったので・・それをかりることに
そのハウスをイスラエルで学んだ技術を導入することにしました。

やはり、中国で如何に、水を少なくて、効率的に栽培するかは、
きわめて重要なテーマですから・・・

また、紫外線カット及び、熱線カットフィルムを使い・・・
如何に、夏場の温度を低くする方法を使います。
雲南は、海抜1800メートルですから、涼しいのですが・・
しかし、やはり、もっと涼しくした方が、植物にいいのです・・


banar
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中国とイスラエルは、2005年11月 
農業技術での分野で研究開発を進めるための
共同ファンドの設立する契約を締結

イスラエルの農業技術会社は、このファンドを通じて、
中国政府への国家プロジェクトへの参画が容易になる。

現在のイスラエルと中国間の貿易高3000億円を
2008年までに1兆2000億円にするという。
(農業技術通信社 浅川氏の情報)

この中心的な技術が、
イスラエルの灌漑技術にあるといわれている。
(つづくへ)

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