海月の部屋

海月の部屋

中学時代




●挨拶

入学当初は近くに住んでいる子と2人で学校に行っていた。近くといっても道が1本違ったため、小学校時代は1回も話したことのない子。入学前に「一緒に行こう」と誘われて初めて話をしたという状態だったから、初めのうち、その子とは共通の友達はいなかった。ある日の通学途中「おはよう」と声をかけてきた子がいた。私はそれを一緒に行っている子に言ったのだと信じ切っており、「おはよう」とは言わなかった。特に仲がいいわけではない子が自分に挨拶するとは思えなかったから。自然に挨拶をし合って人間関係を作っていくことなんて知らなかったんだよね。

●仲間はずれにされているのか、自分からはずれてしまったのか

みんなが何かをしていて「私だけ知らなかった」ということがよくあった。知らないうちに話が進んでいて、状況が全くつかめない。私には何も言ってくれなかったという疎外感。何でもないような顔をして内心不安でいっぱいでその場にいるしかなかった。「何やってるの?」と聞けばいいことだったんだなぁと今なら思う。でも、そんなこと当時はわからず、いつも誰かが助けてくれるのを待っていた。誰も助けてはくれないけど。

●人見知り

もともと人見知りは激しかったが、中2の頃にはさらにひどくなっていた。教科書を忘れても、隣の席の子に「見せて」と言うことができない。まともに喋れるのは本当に仲の良い子だけ。・・・と言っても一度突破口を開けばなんとかなることもある。教科書については、勇気を出して頼んだら、次からは気軽に声をかけて見せてもらえるようになった。だからといって、普通に会話できるわけではなかったけど。(それより教科書を忘れて見せてもらうってことが何度もあること自体、間違っているような気もする^^;)

●「マンガなんか読むの?」

中2の時、クラスメイトに「海月さんてマンガなんか読むの?」と言われた。すっごくショックだった。なにしろ超マンガ好き。中1の時には学校でクラスメイトに貸していたマンガが先生に見つかり、取り上げられる寸前になった騒ぎもあったのだ。でも1年の時クラスが違った人はそんなこと知らないもんね。私は周りに真面目・暗い・堅苦しいと思われていたに違いなく、ある程度は自覚していたつもりだったけど、このマンガ発言は本当にショックだったなぁ。

●隠れた攻撃性

女の子グループに責められたことがあった。私と仲のよい友達が、私にひどいことをされたと言ったらしいのだ。でも、それは全く身に覚えのない話。そんな時、私は普段のろくに話もできない状態から、攻撃的な状態に変身する。普段は自分に自信がないから、人が恐く感じるし話せない。でも本来の私は、プライドが高く納得できないことは許せない。明らかに自分に非がないことなら闘うのだ。とにかく反論しまくり、相手も押されてしまう。結局、友達の勘違いじゃないのかということで決着がつく。

●月・星・太陽

中2は気づきの年でもあった。今更?っていうことばかりだけど。
夜、部屋の明かりを消したとき、月光の明るさに驚いた。真っ暗になると思っていたのに、透明感のある綺麗な光に照らされていたから。これが月を好きになったきっかけの1つ。
中2から塾に行き始めたが、冬、行き帰りでオリオン座の位置が違うのに気付いて感動した。「すごい!学校で習ったのと同じだぁ」・・・そうじゃなきゃ困るんだけど(^^;勉強はあくまで机に向かってするもので、現実とは結びついていなかったんだよね。
日だまりの暖かさに気付いたのもこの冬。「冬は寒い」という固定観念に縛られすぎていたのか、日の差し込む窓辺に行ったら暖かかったのが意外だったのだ。太陽というと夏のギラギラしたのを思い浮かべていたけど、冬もちゃんと活躍してるんだなーと妙に感心してしまった。

●心因性頻尿再び

中3になった頃からまた頻尿が出てきた。今度は授業中。休み時間にトイレに行っているのに、授業中になると何故か行きたくなるのだ。しばらく我慢しているがモゾモゾ動いてしまい、かなり落ち着きがない。どうしても我慢できなくなり、先生に断ってトイレに行くことも何度かあった。廊下に出たとたん落ち着いたりして、ちょっとくやしいんだけどね。ひどいときは毎時間トイレに行ってもダメだったけど、症状が落ち着いてからは、学校では徹底した時間排泄にしていた。トイレに行かなかったと思うだけで行きたくなるから。普段は2時間毎、試験の時は1時間毎というペース。ちなみに高校もそんな感じだったけど、大学の講義は90分だったから、講義毎に絶対トイレに行くようにしていたな。

●嫌いな人

家族のことが嫌いだった。父は嫌いというよりあまり好きではないって感じ。父のちょっとした困った行動を、残りの家族3人で非難する。母にはよく怒られていた。部屋が汚いこと、勉強をサボっていること・・・。「やっても出来ないのなら仕方ないけど」と言われると、反論できないだけに余計頭に来る。ガミガミ言われると余計やる気がなくなると当時は思っていた。成績が良くても褒めて貰えず、悪ければ怒られる。・・・心を開く気になんてなれなかった。兄は変な人で嫌だった。気持ち悪いし、身内だなんて友達にも知られたくない。もっと普通の人なら良かったのにと思っていた。
でも、いちばん嫌いだったのは自分。親がいないと自分では何もできない。全面的に嫌いな親を頼って生きている。その立場が許せなかったんだよね。

●人と話すのは緊張する

中3にあがる時にはクラス変えがなかった。だから1年以上同じクラスだったのだが、やはりクラスメイトと話すときは緊張していた。男子に話しかけられて、助詞の抜けた二語文でしか答えられなかったときはちょっと落ち込んだな・・・。ロボットみたいな口調になっちゃったから。仲の良い友達が他の子と喋っているだけで、話しかける勇気がなく遠くから黙って見ていることもあった。
でも例外もある。クラスに何人か同じ塾の子がいたのだが、その子たちと休み時間にトランプや花札(いいのか?笑)で遊ぶときは、普通に仲間になれていた。同じ塾といっても、男子とは普段は喋ったりしてなかったのに。他に女の子もいたことと、ゲームだったから話題に困ることがなかったのがよかったのかな。すごく楽しかった。

●なぜ私はマンガを読まなきゃいけないの?

私はいつも自分の部屋で勉強をしているふりをしていた。試験前になると母のチェックが入るので、あわてて家庭学習用のワークブックをやり出す。しかも時間がないから答えがあるものは丸写しだ。ないものは自力でやったけどね。こんな感じで、普段は勉強をせず、マンガや本を読んだり絵を描いたりしていた。
ある時「なんで私は、こんな繰り返し読んで飽き飽きしたマンガを読まなきゃいけないんだろう?」と疑問に思った。勉強をサボっている、しかもそれを親にばれないよう騙しているというのは、精神的に負担でもあった。それに勉強をやるのは大変だが、終わった後は充実感があることを経験上知っている。それなのに、ついマンガに手を伸ばしてしまう。それがいつものことだから、もう何十回と読んだマンガ。楽しくなんかない。(すごく読みたかったマンガの時は楽しいけど^^;)・・・それなのに何故かやめられない。悩みでもあったが、不思議にも思っていた。

●変わらなきゃ

中3のいつ頃だったか、みんなとろくに話せないまま卒業するんじゃ嫌だなぁと思うようになった。実は中3の時のクラスが結構好きだったのだ。嫌な思いをしたこともあったけど楽しいクラスでもあったから。自分はあまり入り込めていなかったけどね。それに人と接するのは苦手だったけど、人が嫌いではなかったから。なんでもっと早くそれに気付かなかったんだろう・・・。もう遅い。でも、ちょっと勇気を出してみよう。
それまで、自分からクラスメイトに挨拶が出来なかった。それなのに急に挨拶するようになったら、相手も変に思うんじゃないか!?恐かったけど勇気を振り絞り、下駄箱で会ったクラスメイトに「おはよう」と言う。すごく緊張。でも言えた!頑張ったなぁと思う。・・・ただ、その後も挨拶を続けていたのか、全く記憶にないんだよね(^^;1回限りだったのなかぁ。卒業する頃思っていたのは「高校に行ったら変わろう」だったし。

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