熱血!格闘!ジャズチューバ!!

JazzTubaとは?

~ ジャズ・チューバという分野に対する一考です ~


 プレイヤー人口の多くなってきた管楽器の世界。これは何と言っても金管バンド及び吹奏楽の普及の影響でしょう。

 役割的にベースラインを受け持つことの多いチューバは、オケや吹奏楽、金管バンド等で吹くことはあっても、それ以外の場所で使われることは他の楽器に比べ、非常に少ないと思われます。

 クラシックプレイヤーのレベルの向上に比べ、ジャズチューバは一体どうでしょうか。需要のせいもありますが、プレイヤーの数も、レベルも、他の楽器(ジャズで使用されることの多いTp・Tb・Sax等)とは、まるで比較の対象にならないと言わざるを得ません。素晴らしいプレイヤーも、勿論いらっしゃいますが、楽器人口の割合に対してということです。

 チューバでジャズで勉強するための場所自体が、ほぼ無いに等しい日本では、環境としては恵まれているとは言い難いのが現実なのです。

 北海道で「ユーフォニウム・テューバ国際会議」が行なわれたとき、ジャズ即興コンクールがありました。ゲストで来ていたリッチ・マティソンのバンドは素晴らしかったけれども、そのときのチューバ部門のレベルは正直???と思いました。関係者の方々ゴメンなさい。でもその時本当に感じた気持ちなのです。ワザ的に凄い人はいたけれども、他の楽器と比べてみると『ジャズ』に対する認識が、まだまだ甘かったのではなかろうかと思います。最近は素晴らしいプレイヤーも増えてきましたけどね。

 ウィントン・マルサリスのように、本当に凄いプレイヤーは、ジャズ・クラシック等こだわらず、何でもこなしてしまいますが、普通はやっぱりそれぞれの専門分野で力を発揮しています。(チューバの世界では多方面と言えば、R・ボボ、H・フィリップス、J・セルフ、T・ハンクス、S・ピラフィアン等でしょうか。)

 クラシックとジャズの一番の大きな違いは、「譜面通りにしっかり演奏する事」と、「譜面を見て感じたことを表現する事」でしょうか。クラシックでは音符、休符があればいいけれど、ジャズでは独特の譜面を読むために、コードネームの習得とアドリブのセンス等が不可欠となってきます。まあ、場合によってはアドリブはなくても大丈夫ではありますが、チューバはそれも表現出来る楽器である、ということです。

 『アーリータイム・ジャズバンド』(※以後ETJ)でデキシーを始めたばかりの頃は、どのように演奏したらよいのかわからず、かなり悩みました。特にETJではチューバとベースが共存しているため、どのように動くのが一番いいのか、演奏する度に試行錯誤を繰り返してきました。幸いにもETJのベースのトミー君は、非常ににセンスの良い、素晴らしいベーシストだったのでこちらの思いを理解し、協力してもらいました。今は、彼のプレイ無くしてありえないと言うくらい絶大なる信頼を置いています。

 そんな中で、何度か演奏を重ねていくうちに、ETJの独特のサウンドのパターンが出来てきたように思います。

☆テーマの際はチューバ、ベース、2ビートユニゾン
☆多少動きの出てきたところではチューバ2、ペース4ビート
☆アドリブを回すときはベースのみ
☆チューバはベースラインというよりもソロ楽器としての使用


 また、メンバーの都合により【チューバだけ】【ベースだけ】の本番のときがありますが、そのときは多少スタイルが変わってきます。

☆チューバだけだと全体的に2ビートのクラシカルな『正統派デキシースタイル』
☆ベースだけだと『少し新しい時代のジャズを意識した響き』
☆そしてチューバ、ベースの二本が入った『ETJ独特のサウンド』


 最近はリーダーが正統派デキシーにすごくこだわりを持っているようで、ベース、チューバを含めて、そんな方向に持っていきたがっているようですが、自分としては他所に無いETJサウンドをもっと確立、発展させていきたいと思っています。但し、チューバだけのときの吹き方はもっともっと研究していかねば。

 デキシーキングスとかを聴くと、「正統派で、ウチのインチキデキシーとは全然違うな」と思い知らされます。まずそれもキチンとマスターしないといけないのかもしれませんね。リーダーの言っているのはこの事なのかもしれません。

 T・ハンクス、T・ジョンソン、H・ジョンソン、そして何と言っても敬愛するサミュエル・ピラフィアンを目指し、これからも頑張っていきたいと思います。

 また、デキシーだけでなく、昔の「東京アンサンブル・ラボ」や、現在大好きな「ソリッド・ブラス」等、チューバが活躍するバンドや団体が増えてほしいですね。

    長い文章に最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。



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