別れた夜の手紙

相変わらず命はまばらで
返してない物がたくさんあって
当たり前のように眠れない夜は更ける

意味もない音と光が目の前を過ぎるのを待って
ただ待って
呼吸が緩やかになるのを待ってる

今日という区切り
いつからだろうこんなに煩わしく感じるのは

君がいつのまにか変わってしまった
そんな気持ちにどこか似ている

今の僕はバカげた空想でなんとか生きて
相変わらず命はまばらで


どうしても離れない風景
いつもずっと胸のなかにある
いくら言葉を重ねても
伝えられなくて伝えられなくて
この走りだす想い
君を少しでも近くに感じていたいから
重ねる重ねる言葉


あの日見た夕日
あの日見た雪
理由はきっとなんでも良い

君との時間を忘れたくないから
色々絡めて
言葉を重ねて
ゆるやかに浸っていたいだけなんだ

思い出はいつもまぶし過ぎて
勝てやしないよ
分かってるよ

道の途中で本当のものを見つけて
どうしようもないんだ
無くしてから気付くから

大切な物ほど
大切な人ほど

夢みたいなことばかり言って
夢みたいな言葉ばかり言って
君は笑うかも知れないけど
とても大切で愛しい君
僕はやっぱりこんな生き方しか出来ないよ

そうやって心配そうな顔
何回見ただろう?
その度に僕は心の中で『ありがとう』って
一度も素直に言えなかったけど
『ありがとう』って
繰り返し繰り返し
『ありがとう』って

お願いだから今は少し止めないで
もう少しであの場所に近付けるから


明日はきっと素晴らしい日だって笑って
ありがとうって笑って
君の幸せを祈るから
君は幸せでいて


君に返したい物がこんなにたくさんあるのに
返す物に手が届かないよ
僕がもし消えたらずっと返せないから
だから僕はまだ生きてる

さよなら
もうおやすみ





© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: