埋もれている伝統的な古家




「合掌造り集落」が世界遺産に推薦されるというニュースを見ながら、我が家の木造家屋も何とかならないものかとあせった。


宗像市の資料によると、我が家(元、醤油醸造業)は、築360年。もっとも、弘化5年の系図で調べると、250年の建築物であることは、明白。文久元年の在銘指図(家屋敷の図面)も残っている。


20年前に表から裏に通り抜けられる土間を近代風に廊下にする際に、町役場に文化財の申請の相談をしたが、何の音沙汰もなかった。昔とすっかり変わってしまったが、何とか家屋を残したいと思い、今夏、再び、市役所に文化財の相談に行った。自分では、いろんな古い家並みと比較しても遜色のない、突出した古さの家だと常々思っているのだが、未だに調査にもみえない。


古い家々が古い巻物や図面を持っているわけだが、ただ持っていても宝の持ち腐れに終わる。そんな家が日本には数多く埋もれていると思う。


                            出光 良治

【2004年1月10日良治の感想】 10年前の新聞投稿を今、改めて読んで、なあにも事態は変わらないなあと痛感。いま、宗像市や赤間区とやりあっているが、赤間の町並み案内板など、いいかげんなものだ。6点も間違いを『市長への手紙』で指摘している。昨年の8月依頼の折衝はまだまだ解決の見とおしはない。そして、私の主張している事が、てんで根拠のないもののように言われる可能性もある。それほど、一度決まったものを変える事は難しいのだ。権力や伝説や財力が歴史を作りかえる。寄らば大樹の陰。人間が生きるってことは、そういうことなのです。

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