MECHANICS FOR DOGS

BOOKS―小説1

小説1

鉄道員
浅田次郎
集英社文庫
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短編集。解説にあるとおり、どの話が好きか意見が分かれそうだ。僕は「ラブ・レター」派。「鉄道員」は映画化したら間延びしそうな気がする、観たことないけど。
地下鉄に乗って
浅田次郎
講談社文庫
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ラストのみち子の言動が唐突で全く理解できなかった。彼女は何だったのだろう?? めくるめくタイムスリップはいいが、結局は何の解決にもなっていないような気がする。
車掌さんの恋
有吉玉青
講談社文庫
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日常の鉄道を風景とした連作集。一番気に入ったのは「きせる姫」。優等生であることに閉塞感を感じてきせるに手を染めてしまった少女の心の内と、ラストの友情の描写が良い。
死神の精度
伊坂幸太郎
講談社文庫
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この、「僕ってスタイリッシュでしょ?」って感じの言い回しがあまり好きになれません。言葉遊びが繰り返ししつこく辟易。
重力ピエロ
伊坂幸太郎
新潮文庫
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この、「僕ってスタイリッシュでしょ?」って感じの言い回しがあまり好きになれません。放火に殺人、そんなにサラッと流していいのか? 映画化されたらしいが、面白くなさそう~。
1ポンドの悲しみ
石田衣良
集英社文庫
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30代の恋愛をテーマにした短編集。「デートは本屋で」に登場する、本と男が好きだっていうお姉さんとお近づきになりたい。
4TEEN
石田衣良
新潮文庫
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4人のキャラが類型的で新味なし。一度登場した主人公の彼女や友人が以降いっさい登場せず、連作物としては不出来。あと関係ないけど、表紙カバー写真がショボイ(笑)
イニシエーション・ラブ
乾くるみ
文春文庫
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トリックのためのストーリーという気は否めないけど、パズルとしてはよくできていると思う。解説が面白い。
すいかの匂い
江國香織
新潮文庫
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短編集。いずれも話の流れや登場人物が行動に至った経緯がいまいちつかめなかった。
東京タワー
江國香織
新潮文庫
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横文字の多用でハイソ感を醸し出しているだけの、中身の無い小説。浅野詩史(=作者本人?)に人としての魅力が恐ろしく無い。
博士の愛した数式
小川洋子
新潮文庫
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博士はなぜ子供が好きなのか? 子供はなぜ博士になつくのか?
まぶた
小川洋子
新潮文庫
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意味不明。
失はれる物語
乙一
角川文庫
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いわゆる”白乙一”短編集。他人が苦手で自分に自信が持てない青年が、明るくて思慮深い女性の幽霊とその猫と同居して心を開いていく「しあわせは子猫のかたち」が優しく、かつミステリとしても出色。
暗いところで待ち合わせ
乙一
幻冬舎文庫
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視力を失い幸せな未来を諦めた女性と、居場所がなく他人との接触を拒んできた男性。奇妙な同居生活を通じて互いの存在を認め合い社会に足を踏み出していく描写が温かい。
ZOO 1
乙一
集英社文庫
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「ジャンル分け不能の短編集」。「SEVEN ROOMS」のインパクトは絶大! グロテスクで陰鬱だが、日常を生きることの尊さも実感できる奇抜な作品。人を殺してしまい閉塞的な日々を送る男を描いた「ZOO」も印象に残る。
ZOO 2
乙一
講談社文庫
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「ジャンル分け不能の短編集」。「ZOO 1」と比較するといまいちだった。特にブラックコメディ系はなじめず。個人的に、この作者の作品は好みが分かれるようだ…。
ドミノ
恩田陸
角川文庫
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ドミノを展開する28人(+1匹)のキャラが書き分けられているし、展開もうまく構成されていて、楽しんで読んだが、一番楽しんでいたのはストーリーを考えて書いているときの作者自身だったりして。
光の帝国 常野物語
恩田陸
集英社文庫
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不思議な能力を持つ一族を描いた壮大なストーリーの序章。正直言ってよく分からない話もあった。続編、続々編でつながりが明らかになるのであろう…。
夜のピクニック
恩田陸
新潮文庫
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24時間かけて80km歩く。そのなかで貴子が「賭け」を実行に移していく流れが面白い。作中の高校生たちと比べると僕の高校生活は充実していなかったな…。
六番目の小夜子
恩田陸
新潮文庫
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「学校」という場所、「高校三年生」という身分の特殊性についての観点は良かったが、一部の謎が未解決なことが不満だった(野犬など)。
愛がなんだ
角田光代
角川文庫
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この主人公カップル、社会人として最低だと思うぞ。
対話篇
金城一紀
新潮文庫
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短編集。白一色の装填に惹かれて衝動買いするも、話の印象はやや薄い。3話の中では「花」が良かった。
ななつのこ
加納朋子
創元推理社
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加納先生のデビュー作。日常のミステリを取り入れた連作短編集。加納作品を読むならこれ。入れ子構造で1話で2つの謎が楽しめる。特に「スイカジュースの涙」「モヤイの鼠」が好き。
魔法飛行
加納朋子
創元推理社
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「ななつのこ」の続編で、同様に連作短編集。表題作「魔法飛行」の卓見と野枝のカップルがよい。ラストの野枝の行動が最高に素敵。まさに魔法飛行。
掌の中の小鳥
加納朋子
創元推理社
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連作短編集。まとまりはあるけど、最後の「エッグスタンド」だけ人物設定が浮いている気がする。「自転車泥棒」が好き。
いちばん初めにあった海
加納朋子
角川文庫
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加納作品で僕が読んだなかでは最高傑作。「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」がリンクしているのが面白い。結城麻子さん好きです。
月曜日の水玉模様
加納朋子
集英社文庫
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連作短編集。陶子は加納作品ではやや異色な主人公。相変わらず、爽やかで読みやすい内容、文章ながら伏線がしっかりしており頷かされる。
レインレイン・ボウ
加納朋子
集英社文庫
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「月曜日の水玉模様」の姉妹編。一話一話の「色」が良いうえに、作品全体としての構成の完成度も高い、まさに「虹」のような連作短編集。
沙羅は和子の名を呼ぶ
加納朋子
集英社文庫
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加納作品では珍しい、互いに独立した10話の短編集。僕のBEST3は「天使の都」「花盗人」「オレンジの半分」。「フリージング・サマー」も切なくて印象に残る。
螺旋階段のアリス
加納朋子
文春文庫
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連作短編集。中年のおじさん探偵と美少女の助手のやりとりが面白い。「夫婦」がテーマ。
虹の家のアリス
加納朋子
文春文庫
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「螺旋階段のアリス」の続編。今度は「家族」がテーマ。話が進むうちにアリスの人物像が変わり神秘性が失われているような…。
モノレールねこ
加納朋子
文藝春秋
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短編集。「死」や「別れ」を描き、切なさの中にも温かさ、爽やかさが残る8篇。ただし、人が都合よく事件事故に巻き込まれたり不治の病になったりするところに重みが感じられなかったか。
ニシノユキヒコの恋と冒険
川上弘美
新潮文庫
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「恋」は容易くても、自分と相手の両方を見つめないといけない「冒険」は難しい。「ニシノユキヒコ」のつかみどころのなさをそのまま表現したような構成。
長い腕
川崎草志
角川文庫
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「歪み」をテーマに現代のゲーム制作やインターネットと江戸時代の建築を融合させたアイデアが面白かった。ただ、あの犯人にあれほど緻密な犯行ができたのか?キャラクターグッズやアニメは何だったのか?という疑問も残る。
青の炎
貴志佑介
角川文庫
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高校生が殺人方法を考え、準備し、実行に移す一連の流れに緊張する。そして実行後に去来する空しさに心を打たれる。美術室のシーンも印象深い。
透明な一日
北川歩実
創元推理文庫
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前向性健忘症を扱った複雑な論理展開を楽しめる。しかし犯人の動機に感情移入できず、犯行を後悔しているのかそうでないのか記述が曖昧なのが気になった。
もう一人の私
北川歩実
集英社文庫
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双子、替玉、新生児取り違い、インターネット通信 ―さまざまな「もう一人の私」をテーマとする短編ミステリ集。結婚詐欺師に騙された女の狂気を描いた「婚約者」が特に良い。
私を見つけて
小手鞠るい
幻冬舎文庫
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短編集。全篇とも日本人女性-米国人男性のカップルに横たわる人生観の差異やすれ違いを描いているが、1人1人の人生や経験、環境が個々で異なる以上、国籍や性別によらず普遍的なテーマであると思う。
眉山
さだまさし
幻冬舎文庫
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主人公の母親には魅力を感じた。しかし、なぜ献体を申し込んだのかとか、なぜあの人物があの日に阿波踊りの会場にいたのか、とか色々気になる点が…。
エイジ
重松清
新潮文庫
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通り魔として逮捕された同級生に自分を照らし合わせていく切り口が新鮮だった。「マジ」等の少年言葉?の多用が鬱陶しいのと、ラストがかなり物足りないのが気に掛かる。
クローバー
島本理生
集英社文庫
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あとがきで著者が「冬治のモラトリアムの物語」と述べていたが、物語の主体が華子と冬治から冬治のみに移行していたり、クローバーの意味が最後まで生かされていないところ、著者自身のモラトリアム的な未完成さを感じた。
防壁
真保裕一
講談社文庫
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警視庁警護課員、海上保安庁特殊救難隊員、陸上自衛隊不発弾処理隊員、消防庁消防隊員。危険と隣り合わせの男達の強さと弱さを描いた短編集。取材がしっかりしており臨場感がある。
連鎖
真保裕一
講談社文庫
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元食品衛生監視員による汚染食品の追跡、という設定は新味を感じたが、真相が何度も転回して頭がこんがらがった。ともかく、嘘や憎悪は連鎖していくということか。
6時間後に君は死ぬ
高野和明
文春文庫
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「運命」「未来」「人生」をテーマにした連作短編集。ミステリ、ファンタジー、サスペンス、と様々な形をとりながら、「未来は努力で変えられる」「平凡な人生が一番の幸せ」といったメッセージを投げかける。
ベリーショート
谷村志穂
集英社文庫
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「恋愛」をテーマにした、題名通り非常に(very)短い短編から構成。「恋愛」がもつまるでベリー(berry)のような甘酸っぱさを表現。恋に落ちた瞬間を「陥落した」と表現した一文が印象に残っている。


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