たぬきぶたの日記2

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根性の早起き撮影



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根性の早起き撮影





昭和47年(1972)3月13日(月)

先週から早朝の撮影が続いている。今までにない早朝撮影をしています。

なぜかって?  それは・・・・・悲しい話でございます。

写真を見ていただければ、それが分かります。

なにぶん涙もろい性格でして、ネガをスキャンしながら悲しみを思い出していたのです。



 カメラをもって朝飯も食わずに家を飛び出します。まずは、京口駅にて。



この写真を覚えていてください。このC11363号機は数時間後には

変身します。きれいになるのです。



この踏み切りは1年前までは、人手によって開閉されていました。

列車の通過にあわせて踏み切り番がハンドルをくるくると回して

いました。ATSという列車制御装置では駅のすぐそばに踏切があると、

とんでもなく長い間、閉まったままになることがあります。距離によって

警報がなりますから、駅に到着する前から閉まってしまいます。

これが機械がアホなところです。おりしも、国鉄の合理化によって自動化になってしまった。

古い踏み切りを写したネガがあるかどうか、記憶がないのですが、あれば即刻

載せますね。 先を急ぎましょう。今日も10コマ以上を予定しています。

北上して後補機をねらいます。この日は砥堀あたりまで行った。

もっと近くで、いい場所がないものですかねえ。



これを写して学校へ。 あとの作品は放課後に遠征したものです。



お気に入りの場所ですが、家から遠いのが難点です。

明日の朝もここに来ることになります。昼間には列車本数が少ないので

機関区に行った。行かなくてはいけないのです。だって・・・・



17時25分発のC57旅客列車を機関区構内で撮影。

逆光で天気も良かったので、こんな写真に挑戦です。

さて、次の写真からは涙が出ます。僕だけですが。



早朝に写した363号機が掃除されて、きれいに磨かれています。

ペンキも塗りなおされています。普段はきれいに磨かれることはなく、

ススとホコリで汚れているのですが、この日はきれいに磨かれています。

嬉しい気持ちと、悲しい気持ちが同居しながら、この作業を見つめました。

播但線で撮影してきた1年近い年月が思い出されます。

家からここまで何回通っただろう。たくさんいたC11達がどんどん減っていった。



ついに終わりのときが来ました。その最後の一日のために化粧が施されています。

いわば死に化粧みたいなものです。涙が出てとまらないよ~。号泣

泣きながらこれを書いています。



となりにはすでに化粧がすんだ331号機が休んでいます。



明日のさよなら列車は2両で牽引します。C57はもう少し先に

廃止になりますが、C11は明日の3月14日で終わりです。

普通は1両で牽引するところですが、やはり機関区のみなさんも

朝の後補機列車が名残があるのでしょう。各地でさよなら列車が

開催されていましたが、ここではめずらしい編成での列車を考えたようです。




もうじき廃車される運命のSLの点検と整備をしている職員の

姿をじっと見ていました。構内にいるSLファンは僕だけです。

今だから言えるが絶対に僕が一番多く機関区に通った。

夜にも行っていました。カメラを持っていなくてもSLの顔を見に行っていた。



数ヶ月前にDE10が投入されて、C11の本数が激減したが、不思議なことに

その後はまた復活して本数が元にもどった。やれやれとは思ってうれしかったが、

やはり永遠に続くわけもなく、いつかはこの日がくると思っていた。



構内には夜の列車のためにC57が休んでいた。このC57も

半年先には消えていく運命です。明日はいよいよC11の最終日。

どんな写真が撮れるでしょうか。

(自己満足評価ではベスト5に入る出来だと思う作品です)

まだ、涙が出ています。今夜は眠れないのかなあ。



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