たぬきぶたの日記2

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さよならSL近江路号


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さよならSL近江路号



<2008年1月24日の日記から>

昭和47年(1972)10月1日

草津(滋賀県)から柘植までが草津線です。ここにもSLが走っていました。

旅客のC58と貨物のD51です。ところが、上り坂らしいところが少なく、撮影場所としては

評判にはなりませんでした。

前日の9月30日に播但線のさよなら列車C57三重連を写していますが、

次の日にはここに来ました。高校3年生のくせに、土日ごとに関西線に来ていました。

臨時列車のSL近江路号が走るということで、はじめての草津線なんです。

奈良に始めて来た頃は草津線にも営業運転があったのですが、どうしても煙のすごい

加太越えに行っていました。柘植駅の近くで写したことはあるのですが、

発車シーンだけしか面白みがなかった。でも、おそらく今日が最初で最後になると

思ったので、追いかけました。

初めは線路沿いでのありきたりのアップです。




コスモスがきれいだったんですが、白黒では分かりませんね。

ヘッドマークに日付が付いていて、わかりやすい。47年10月1日。

ヒッチハイクで追いかけます。



この写真はちょっとしたエピソードがあります。

この写真を撮ろうとしたら先客がいました。脱穀をしている夫婦の向こうにいたのです。

たしかに、人が写っているより、誰も入らないSLだけを写したい気持ちは分かりますが、

僕はこのシーンが気に入りました。そこで、先客に話しかけました。中学生みたいでした。

「もっと後ろに下がって、この農作業の様子を入れたら、絵になると思うけど、

どうだろう、もっと後ろで写さないかい?」

一応、先に場所を確保した者が優先権があるのが、この世界のマナーですから、

やんわりと誘いの言葉をかけました。しばらく悩んでいたようですが、僕の言葉に

賛同したのか、年上の高校生にイチャモン付けられるのを避けたのかは、知りませんが、

僕の指示どおりに動いてくれました。

「しめしめ、これで良い作品が写せるぞ。」

しばらくして列車は来ました。SLファンのために平地ですが、少し煙りを出してくれました。

連続撮影は効果がないと思ったので、この一枚に賭けました。

結果はまあ、自己満足ですが、良かったかなあと思う出来でした。

さて、これから2ヶ月後のことです。ある鉄道雑誌の投稿写真のコンクールがありまして、

なんと、僕の横で写した彼の作品が佳作として、写真が掲載されていました。

構図は少しゆがんでいるし、ブレ、ピン甘で失敗ですが、作品のねらいがいいということで、賞に選ばれたということです。

おいおい、これは俺が薦めた構図じゃないか。

でも出品していない俺には受賞の権利はもちろんありません。

あ~あ、出していたらなあ。絶対に俺の方がばっちり決まっているので、もうちょい上の

賞にはなったんと違うかなあ。残念!!!

草津線にはもっと行きたいところがあった。

それは途中の貴生川(きぶかわ)から盲腸線が出ています。信楽線です。

今のぼくのイメージキャラクターのたぬきさんの里です。

ここは最後の信楽駅までが急勾配ですごい煙なのです。ここに行きたかった。

残念ながら、他の場所の魅力と足がなかったせいで、断念した。

その後、この場所で信楽線の衝突事故が起こり、その補償負担で第3セクターの

この会社の経営は苦しいものとなっている。もともとJRだったのだから、JRが変わってやればいいのにと思っているが、別会社になっているのでしかたないか。

もう少し写真を載せて、本日はおしまいにしましょう。



近江路号の後ろ姿です。今も田んぼは残っているのでしょうか?



柘植駅を発車したところ。これは失敗した。走って先回りをしようとしたのだが、

SLに負けた。走りには自信があったのだが・・・(勝てるわけないよね)

腕木式信号機が懐かしい。まだ、一部にこの信号機があった。

進行許可の青信号は腕が斜めに下ります。止まれの赤は水平に直角です。

ワイヤーで駅から操作するのです。そんな風景も写しておけばよかったなあ。残念。

草津線は臨時列車だけなので、関西線の列車の撮影に行きました。

と言っても柘植駅周辺での撮影になってしまいます。駅構内で遊んでみました。

この流し取りの腕をみて下さい。



駅構内に入ってくるところです。

関西本線は単線ですから、手前にレールがあるのは、駅構内だけです。

このD51499はデフの形が際だって変形しています。

どこの工場で改造されたのでしょうか。

偶然ですが、この日はもう一度この機関車を写している。それも流し取りで。



単機回送は時々みることがあったが、重連での回送はめずらしい。

流し取りはカメラを横に動かしながら、スローシャッターで撮影します。

だから、水平な場所が望ましいが、この場所では斜めになっている。

カメラを斜めに動かして撮影したことを思い出した。デジカメと違って、

現像してみないと分かりませんから、楽しみと不安が同居しています。

煙がないと寂しいですか?じゃあ、煙さんです。どうぞ。



これが有名な 加太峠越え です。

貨物が長すぎて写っていませんが。もちろん後補機付です。



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