2014.09.17
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ハロー
お元気ですか？
スリランカもいよいよ、終わりが見えてきました
しかし、どこに行こうと旅の終わりはなかなか見えません
日記は唯一の仕事で、唯一俺が存在する場所です
読んでもらうことを意識してます
それは遠いところにいる、たぶん日本にいるであろう
自分との対話でもある気がします
自分に宛てた手紙のようなものでもあるのかもしれません
やはり孤独が長すぎたのか、ひどいあまのじゃくになってしまって
信じるのは自分だけなのです
今この世に存在しうるのは俺だけで
家族でさえ遠くに居すぎて夢みたい
夢から覚めたとき、ぜひそばにいてください
この奇妙な長い物語を語りたいです
聞いてください
しかし、自分の文章はひどいもので
ちゃんと真のイデアを象徴していないから
これを読んだとしても、話半分だと思ってください
俺はもっと文章を勉強して
真実を、本当の意味を
本当の自分に届けなきゃいけないと感じています
2014・9・9
from キャンデイ
こんな手紙とともに、長男からまた日記が送られてきた
大学ノートに細かな汚い字でびっしりとつづられている
読むことが困難なほどわかりづらい文字だが
あなたのメッセージ確かに感じましたと伝えたくて
連絡が取れない長男に向かって、長男の言葉をブログに記します
2014・8・16
明日は、スリランカに発つので、最後のインドの夜
レストランに入ってミールス９０ルピを注文した
今までのミールス中でも最高級のおいしさだったが
いつも５０ルピくらいのやつしか食べなかった
５０ルピで１００円以下、９０ルピで１８０円以下なのに
ケチ臭かったなあと思い、ぜいたくしてる気でもあった
やはり、優雅なゆとりを求めて旅してきたのではなかった
ここでは、そのわずか４０ルピによって、客層ががらりと変わるのだった
インドの幅広い生活レベルの差において
何が庶民かなんて基準もないけど
贅沢を求めた、またはある程度のランクを限定した旅だったら
たぶんふれあえなかっただろう人々との交流は思い出深い
逆に自分を貧乏旅行者と決めつけるのも限定してしまうわけだから
次の機会はもっと素直で柔軟に旅したいと思う
2014・8・17
俺の旅の初めには、意志があった
インドの押し寄せてくる逆流に飲み込まれまいと
踏ん張り、掻き分け進もうという意志
そして、バラナシでの停留を含め、気がついたらガンガーを遡り
その最初の一露氷河から落ちる町、ガンゴルトリーにいた
そこで僕は、ひとつの目的が達成した安らぎにいた
その後の僕の旅は目的があるでもなく
何となく身を何かに任せたようでもあった
１か所の滞在が長くなったりした
何かしたいとか目的がないのだから、自然と怠惰であった
そして、インドとゆうとてつもなく無窮の大地をふらふらと漂い歩いていた
逆流はもうない
接するものは寄り添うこともあれど、すぐに離れた
僕の中に巣くうインドと同じほど
無窮で広漠な深い虚無に飲み込まれてゆく
そこでは自由に古代や未来、日本とインドまた他国を行き来できた
僕の唯一の仕事と云えば、その虚無のほんのわずかな一部を
いかにも事実であったように、白い紙に書き込むことだけだった
そうしてこの５か月は埋められた
インドを旅してわかったことのひとつは、
この無窮の国と自分の存在との同一性である
まだ続いてはいくけれど、それは常に連動しているから
途切れることはありえないけど、僕の旅のピリオドがここに今ある。
なんだか多少切ない気もするのだけど、
またすぐ戻ってくるのだろうから、しばしのお別れだ
ボーイ・クレン！！
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最終更新日
2014.09.17 23:09:33 コメントを書く
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