ネタ詰まりになったら書いてみようと思っていた話を数話連載してみます。題して「不思議な話」。
私は「JAPAN SKEPTICS」(いわゆるとんでも科学を批判する会)に入会しようかと思ったくらいの人間ですから、マスコミで取り上げる類の 超常現象には基本的に懐疑的 です。でも、自ら体験した不思議なことや奇跡的なことに対してまで「単なる錯覚だ」とか「ただの偶然だ」とかでは済ませたくない気持ちがあります。
まず最初は軽いものから。これは「運が良かっただけ」で片付けていただいても結構な代物です。
10年ほど前、ボーイスカウトの恒例行事で初日の出登山に参加した時のことです。私の息子ふたりがボーイスカウトに入っていたので、娘も誘って家族5人で参加していました。登山と言っても600mそこそこの山ですから皆小さなリュック一つの軽装です。山の麓の枚岡(ひらおか)神社を抜けてすぐの斜面で事故は起こりました。
まだ人家も切れていないぐらいの上り口だったものですから、数メートルおきに街灯が灯っていました。だから手にした懐中電灯は消したまま。私は道の左端を、妻は私のすぐ右後方を歩いていました。すぐ行く手の路傍に高さ10センチ位のコンクリートのガードレールのようなものが見えてきましたが、その外側は影になって真っ暗。斜面の続きだろうと思ってそのまま歩いていたら、 急に足の下の地面が無くなったのです 。妻を含め後ろを歩いていた人達は、 瞬時にして私が消えた ので、心臓が止まりそうだったと口々に言ってました。
コンクリートのガードレール様のものは、小さな橋の欄干に相当するものだったのです。私は大人ひとりが辛うじて立てる空間に落ち込んでいました。深さは1mぐらい。胸を少し擦りましたが、他にどこも痛む所はありませんでした。その時は暗いので辺りの様子はよくわかりませんでしたが、帰る時に朝の光の中で確認してゾッとしました。どうやったらこんな狭い空間に怪我ひとつなく一気に飛び降りられるだろうか。そんな思いを抱かせるような小さな穴でした。どこをどう打っていてもおかしくなかったのです。前のめりに、顔面でも打っていたらただごとでは済まなかったに違いありません。
これ一回だけのことであれば、たまたま運が良かっただけで済むのですが、実はこの神社では過去にもう一回、奇跡としか言いようのない命拾いをした経験が私にはあるのです。
つづく
この写真だけでは分かりにくいでしょうが、ここが私の落ちた穴です。右が橋の端。

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