
心あたたまる日本映画を観て来ました。『 バルトの楽園 』。らくえんではなく がくえん と読みます。バルトはお相撲さんの名前ではもちろんなく、ヒゲのことらしいです(異説あり)。
ベートーヴェンの第九の日本初演 が徳島県の某捕虜(当時は俘虜)収容所で行なわれたということは、かなり前から知ってはおりました。徳島の知り合いにその記念館があると紹介されたこともあるのですが、見に行かなかったものですから、いったい何がどうなってそんな片田舎で第九初演が行なわれるに至ったものやら謎だらけでした。今まで私の抱いていた多くの謎を一挙に解き明かしてくれたのがこの映画です。
第1次世界大戦の時、日本軍の捕虜となったドイツ兵は日本各地の収容所に入れられましたが、徳島にあった板東俘虜収容所以外は、まるで刑務所然とした所で(実は私も捕虜収容所と言えばどこともそういうものだろうと思っていました)暴力と威嚇によってのみ所内の規律が維持されていた模様です。
板
東俘虜収容所
は古今東西、世にもまれな、 自由で明るい空気に満ちた収容所
だったわけですが、なぜそんな奇跡的なことが可能だったかと言えば、それはひとえに 松江豊寿
なる実によくできた所長さんの存在あったればこそなんですね。
私は 大河ドラマ
にも 暴れん坊将軍
にも マツケンサンバ
にも不案内なずれた人間なので、 松平健
という俳優をよくは知らないのですが、この所長さん役はなかなか良かったですね。
それにしても、この松江所長、 陸軍上層部に睨まれながらも捕虜たちの人権を守り、地元住民との交流にも寛大 であったというところに感銘を受けました。昔は軍人であっても、このように 人間として大きな器 の持ち主がいたのでしょうね。もちろん映画ですから多分に美化されてはいるのでしょうが。人の上に立つ者かくあるべしと思いました。お上の顔色ばかり伺って、人民大衆の嫌われ者に成り下がっているような政治家や役人ばかりが目に付く世の中なので、余計に感じ入ってしまったのでした。
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