長かった一週間①

長かった一週間①


病院から帰ってきたら、すぐにパジャマに着替えてベットに横になった。
そして、新潟にいる旦那様に電話をした。
「おかけになった電話は電波の届かない・・・・・」
また電源切ってる。今日病院行くって言ったのに、結果は気にならないのかなぁー・・・・自分の子供なのに、自分の奥さんなのに・・・・
またメールで送った。
もう泣かないって決めたのに、どんどん涙が流れてくる。もしも、この子に何かあったら・・・私はどうやって責任をとればいいんだろう。喜んでくれた人たちを悲しませてしまう事になる。何もかも私の責任だと思うと、悔しいというか、後悔ばっかりが先にきてしまう。
苦しくてたまらないのに、聞いてくれる人が傍にいないから、また余計に涙が出てくる。
夕方頃から、腰が強烈に痛む。伸ばしても、曲げてても、横になってても、うつ伏せでも、どうやっても痛くて痛くてたまらない。これって陣痛の痛みに似てるのかなぁ~?
「いたーーーい!いたーーーい!」
何度も叫んだけど、旦那はいない。誰かさすってくれ~。
正直言って、こんな痛い思いをするくらいなら・・・・・と思ったこともありました。一日中泣いて、痛みにもだえて、早く楽になってしまいたいって思いました。

つわりを忘れていた。
(そういえばこの頃気持ち悪さがない!)と思ったのは、お腹や腰が痛み始めてからだった。
つわりがなくなってしまったという事はお腹の赤ちゃんはすでに・・・・・・
考えちゃいけない事を考えてしまった。だけど、気持ちが悪ければ、赤ちゃんがまだ生きてると思えるけど、何の症状もなければ不安になってしまうのも無理ないと思う。というか、何か確実なものがほしかっただけでした。
人と話していても、食事をしてても、シャワーを浴びてても、寝てても、起きてても、考えるのはお腹の赤ちゃんのことだけ。
なぜつわりが止まってしまったのかは分からないけど、切迫流産の時は、つわりが一時的に止まったって話を他でも聞いた。私だけじゃなかったからちょっと安心した。

9月21日、私がこんな状況だというのに、うちの両親は旅行へ出掛けていった。
私一人では心配だからということで、急きょ姉が泊まりにきてくれた。
旦那様も新潟から今日帰って来る。明日からは仕事だからお弁当も作らなきゃいけなかったから、姉の登場はすごく助かった。
午後5時頃、旦那がやっと、やっと、やっと帰ってきた。
「ただいまー」
「お帰り・・・・」
顔を見たら絶対泣く自信あったのに、なぜか涙が出てこなかった。なんでだろう?
後で考えたら、旦那が横になってる私にかけた言葉が原因だった。
「大丈夫?」
たったそれだけだったから涙も出てこなかった。あの時、
「遅くなっちゃってごめんね・・・・」とか「大変な時に傍にいてあげられなくてごめん・・・・」なんて言われたら、ダァダァに泣いてたと思う。
「大丈夫だよ」
と言った後に
「俺、事故っちゃって、新潟はマーチ(実母)で行って来たんやてー」
驚いちゃった・・・・
どうやら新潟へ行く前日の仕事帰りにトラックにぶつかっていったらしい。ケータイがつながらなかったのは、事故車の修理の事で会社の人と連絡を取り合うためだったと聞いた。旅行中にその事を私に伝えると、きっと心配して体にも良くないと思ったから言わなかったみたい・・・・やさしいのか、やさしくないのか。でもやっぱり言ってほしかったな・・・・


―これからはあなたのパパも一緒に あなたが無事に生まれて来てくれる事をお祈りしてくれるよ ママも頑張るからあなたも頑張ってね―


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