三代目の挑戦

Aug 27, 2005
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カテゴリ: 一期一会
奈良県吉野にある、先輩の実家に行ってきました。




林業を営んでおられるお父さんから、山のこと、自然のこと、色々教えていただきました。




杉は植えてから立派な木材として使えるまで100年以上かかるそうです。いま、切り出しているものは自分達のひい祖父が植えたもので、自分達が今植えているのは、ひい孫が切り出せるために植えている。自分達はそうやって生かされているという話しには、ココでしか聞けない真実だと思いました。



法隆寺や薬師寺の宮大工であった西岡常一さんの著書「木のいのち木のこころ」という本でも、千年の木は材にしても千年持つ、と書いています。お父さんも「木が呼吸するんや。自分の油を出して水分を吸収する」といっておられました。



おじいさんが家を建てたとき、木を植えてこう言われたそうです。「この家は200年は持つ。いま木を植えておいたら200年後にちょうどいいやろ」昔の人には200年、300年という時間の感覚があったそうです。



宮大工の口伝には「堂塔建立の用材は木を買わず山を買え」「木は生育の方位のままに使え」というモノがあるそうです。
山の南側の木は細いが強い、北側の木は太いけど柔らかいなど、生育の場所によって木にも性質があるそうです。
今ではそんなこともだんだん薄らいでいき、癖の無い合板を使うことも多いそうです。







美味しい牡蠣を育てるために、山に植林をする。という話を聞いたことがあります。美味しい牡蠣を育てるには綺麗な海にすること、綺麗な海にするには綺麗な川にすること、綺麗な川にするには綺麗な山にすること。つまり、原点なんだと思います。



木は本来、きちんと使いきちんと植えさえすれば、ずっと使える資源なんや。鉄や石油のように掘ってしまえば無くなるモンじゃない。使わせていただいたら、また山に植える。育つまで使わせていただく。当たり前のサイクルなんや。



机に座っては決して学べないコトを、吉野で教えてもらいました。
小手先ではない真実。吉野の杉を何代も守ってきた積み重ね。
お父さんの話す言葉には飾り気のない分、物凄い迫力と真実がありました。





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Last updated  Aug 27, 2005 11:26:58 AM
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トモっち~ず @ 御無沙汰しております。 しばらくブログをサボってましたが、大好…
「梅太郎」 @ Re[1]:伸びる(09/04) 毘沙門Rider!さん ありがとうございます…
毘沙門Rider! @ Re:伸びる(09/04) ご無沙汰してます。 本質を見抜き、何事…
「梅太郎」 @ Re[1]:神様からのプレゼント(03/06) 毘沙門Rider!さん ありがとうございま…
毘沙門Rider! @ Re:神様からのプレゼント(03/06) 今年もお疲れさまでした。 本当に、沢…

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