うりぼうず

うりぼうず

オーストラリア2



 エアーズロック行きの出発まで、4時間ほどの待ち時間があるため、ロビー内でぶらぶら。子どもはさっそくコアラやカンガルーのぬいぐるみの詰め合わせを発見。小さいのが12頭入って8ドルぐらい。「友達にお土産を買って帰る」とわめいていたので、一匹70円ぐらいなら手ごろか。

 それにしても、子どもたちの間で、旅行のお土産配りがはやっているのは、なんとかならんか。たしかに、うちの二人もよく「お土産」をもらってくる。もらうだけもらって、こっちがなにもないのは、肩身が狭いのはわかるが、やっぱりヘン。

 赤茶けた、無人?(時々、人間の痕跡はある)の大地の上を、ひたすら飛び3時間。窓から「ウルル山」(エアーズロックは、白人が勝手に付けた名前。今では、豪州では正式にウルルと呼んでいる)が見えてくる。

 砂漠の真ん中に、ウルル観光のためだけに作られたような、空港。こんな所では、飛行機がもっとも手軽な乗り物なのか、セスナのような小型機が多数駐機している。

 バスで10分ほどで、エアーズロックリゾートという、いくつかのホテルなどが集中する観光宿泊施設に。建物は、せいぜい2階どまり。土地がだだっ広いだけでなく、アボリジニ(彼らが自分たちを呼ぶ名はあるが、それぞれの部族=民族とよぶべきか=で呼称が違うので、とりあえず、先住民をこう呼ぶしかない)の聖地を汚さないために、低く抑えてあるとのこと。それにしても、プールはあるし、芝生の広場はあるし、砂漠の真ん中で水がもったいない気はした。

 一休みすると、カタジュタ(オルガ山)見物へ。これも、ウルルと同じような一つの岩だったのが、浸食でいくつもの岩に分かれたものだとか。その岩の一つは、風の谷のナウシカのオームそっくり。風の谷も、この岩と岩の間の地形をモデルにしたとかしないとか。

 「なんとなく、ただのでっかい岩」という、意識だったが、アボリジニが聖地とするのがわかる。まっ平らな砂漠の真ん中に、こんなものがあれば、誰だって拝みたくなる。トルコのカッパドキアを見たときも、「なんでこんなものが自然にできるんじゃ」と思ったが、ほぼ同クラスの感動モノ。
 カタジュタのふもとを、子どもたちははしゃいで駆けていったが、彼らの眼にはどう映ったのか。これまでに、多くのものを見てきた大人の、それらとの対比による驚きと、あまり他との比較なしに見る子どもの驚き。聞いたけど、ピンとくる回答はなかった。

 なんでも、ここから西海岸のパースまで伸びる道路があるとか。次のガソリンスタンドは約800キロ先だとか。道の入り口には、警告の看板が立っていた。大量のガソリンの携行、スペアタイヤ2本以上、行動計画の提出など。さすがに、トンデモナイ所だ。

 ここから引き返し、ウルルの山麓(岩麓?)へ。岩のそばだと、岩の上に降った雨が集まりやすいのか、比較的木が多く、背も高くなる。そもそも、砂漠といっても、「月の砂漠」でイメージする砂漠ではない。高さ4、5メートルの潅木がまばらに生え、とげが多かったり、やたら茎が固い草が結構茂っている。季節によっても違うのだろうが。多分、夏になれば、これらの草はカラカラになるのかも知れない。乾燥の度合いからすれば、以前行ったイランの砂漠(こちらも砂ではなく、石がゴロゴロしている砂漠だが)の方が、乾燥しているような気がした。

 ウルルの麓には、アボリジニが神聖とする場所が多く、それらの場所は撮影禁止。どこがいいのかいけないのか、今一つわからないが、壁画が書いてあるからダメというわけではない様子。撮影可能な壁画もいっぱいあった。

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