うりぼうず

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思いつきコーナー


 ★資源の豊かさと幸福

 石油資源に恵まれているイラクは、今幸せか。多分、違う。では隣国のイランは。石油があるばかりに、パーレビー体制下で富の偏在が進み、その反動としてのイスラム革命、イラン・イラク戦争、さらには、その後も続く混乱。サウジアラビアはどうか。一部の王族がご乱行。下々にも、富のおすそ分けはあったが、石油があるがゆえに、肝心な労働は外国人まかせになり、働かない上級公務員と、そのための技術を身に付けなかった大衆があふれ、さらには、石油収入の減少と人口増、さらには失業も増加。
 金満国家クウェートも、国民よりも多い外国人労働力に頼るいびつさでは、サウジをはるかにしのぐ。
 東南アジアでも、ブルネイなど似た様なものか。インドネシアも、スハルト時代に軍閥による経済支配が進み、石油による富があったにもかかわらず、アセアンの中でも、マレーシア、タイなどにはるかに引き離されてしまった。
 では南米のベネゼエラは。これも、まったくぱっとしない。
 北海油田のイギリス、ノルウエーは。サッチャー政権以後のイギリスの復活は、石油収入とは、ほとんど関係のない次元での出来事だろう。
 ロシアも、脱社会主義の過程で一部の詐欺師どもが富を独占。いまや、世界でもっとも富が偏在する国家へと変貌を遂げてしまった(大して根拠はないが)。
 今も、それなりに石油を産出するアメリカは。もちろん、20世紀初頭には、石油の産出がプラスになったかもしれないが、今では、むしろ全体の活力を引き下げる方向に作用している。省エネ化の遅れは、今後の競争力維持に大きなマイナスとなるのでは。
 日本も、16世紀から17世紀には金、銀の産出では世界的な資源大国であった。しかし、その富は絹織物の輸入などに消費され、国内産業の発展には役立たず、むしろ、これらの資源が枯渇してからの方が、綿花、生糸生産などで、産業の活性化は進んだのではないだろうか。
 石油に限らないが、豊かな資源は、決して人々を幸せにすることはないのではないだろうか。

 石油の産出は、基本的に装置産業。その生産にそれほど人手はかからない。多くの人手がかかるということは、それなりにコストもかかることになるが、そこから得られる富は広範囲にいきわたることになるが、石油ではそれがない。しかし、それだけ強力な輸出品があれば、通貨は強くなり、輸入はしやすくなり、消費物資は入ってくるがそのほかの産品の輸出は難しくなる。よって、国内産業は衰退していく。あるいは育たない。

 ★領土問題
 北方領土、尖閣諸島など、さまざまな領土問題がクローズアップされているが、感情論を排せば、あんなものはいらないと言うこともできる(ソ連や中国の回し者と呼ばれそうだが)。北方領土は、かなり大きなものだが、仮に日本に返還されたとしよう。現在、あそこにインフラなどまったくなきに等しい。それでも、ある程度の人は移り住むだろう。移り住んだからと言って、自助努力というわけにも行かず、また、せっかく取り戻した領土ということで、多額の資金が投入されるだろう。では、あそこにそれだけの経済的価値があるか。確かに木は生えているし、温泉もいっぱいある。鮭や昆布もとれるだろう。しかし、今の日本にとって、それがどれだけの富を生むものなのか。多分、必要な投資の何分の一ではないだろうか。
 さらに、北方領土を故郷と意識している人の数は、残念ながらかなり少数になっているだろう。逆に、あそこを故郷と思っているロシア人は、それなりの数に上る。返還されたら、彼らをどうするか。日本に吸収していくのか。ロシアに補償金でもつけて送り返すのか。また、彼らだけでなく、それがたとえ理不尽であったとしても、恨みを買うだろう。長い眼で見て、それは得策か。将来、長期間にわたって、新たな火種となる可能性も秘めている。
 そもそも、あの地域はロシアのものでないことも確かだが、所詮はアイヌなど、少数民族の住んでいた地を、ロシアや日本が勝手に看板を立てて「うちのもんだ」と主張しているようなもんではないだろうか。

 まあ、あくまでも、カネの面から見たものであって、一度譲歩すればどこまでも相手が付け上がってくるといわれれば、こちらは返す言葉もないが。

 尖閣諸島も、石油資源の存在などが取りざたされてるが、日本にしても、中国にしても、互いの石油消費量からすれば、ほとんど取るに足らないものではないだろうか(埋蔵量などの根拠もなしに書いているので、違ってたらごめんなさい)。まあ、国際法的にみれば、多分どちらも日本の主張の方が正しいのではないかとはおもうんだけど。だけど、北方領土に関しては、返せ、返せとだけ口先で言っているだけの方が、相手に多少の負い目を持たせる意味でも、得策だと思う。
 きっと、売国奴などと言われると思うので、こんなだれも読みそうもない所に書いておきます。


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