URIZIP102 マメちゃんがやってきた

URIZIP102 マメちゃんがやってきた

マメ誕生



 朝8時すぎ、足を引きずりながら、ようやくエレベーターに乗って産婦人科へ。
 もうボーッとなっているマメ母に、看護婦さんは「母子手帳と保健証出して」。マメババは何もわからないので、マメ母痛みをこらえつつ出す。
 そして、陣痛室へ案内される。看護婦さんあまりに早く歩きすぎ、どこ?
 陣痛室で、出産用の服に着替えが、痛くて何もできないっ!いーたーいー!一番楽なのはトイレできばること。トイレを占領する。助産師さんに「早く出てきなさいっ」と言われても、出られない。どんどん血が出る。
 陣痛室はベットが3つあって、マメ母は右、隣にはすでに人がいた。昨日の夜から陣痛の様子を見ているようだが、なかなかこなさそうなので、手術室へ行ったようだ。左にはご主人が立会い出産する人がマメ母の少しあとに来た。
 マメ母が陣痛室に入ってすぐに、分娩室から「オギャー」という声が聞こえた。ああ、生まれたんだぁ。いいなぁ。
 木馬型のイスを貸してくれたけど、ぜんぜん座れない。痛い。朝ごはんが運ばれてきた。体力勝負だというので、食べたいがじっとしていられないので、食べられない。陣痛の間を見て口に入れるが、そもそもが美味しくない。
 先輩ママはなかなか陣痛が来なかったとかで、促進剤をつかったりしたので、病院で食べるものとか、音楽のテープとかを用意していったと聞いている。助産院で生んだ人は携帯で実況メールしていたらしい。そんことする精神的余裕がない。
 私が痛い痛いと叫んでいるので、また助産師さんが来て「そんなにいきむと無駄な体力使ってるよ、もったいない」と言って去っていった。うーたすけてー。
 もがいていると、空いた真ん中のベットに人が来て、その人はあっという間に分娩室に入っていった。私はまだダメですか~。
 11時すぎ、ようやく分娩室に入れてもらえた。(あとで考えると、前に生んだ人が分娩台で休んでいたので、きっと空いてなかったから、ひっぱられたと思う)
 「まだ生まれませんか」「ま1~2時間では無理ね」がーん。目の前に大きな時計があって見てはいるけど、時間をぜんぜん覚えていない。
 痛いというと、助産師さんが飛んできてくれて、腰をさすってくれる。さすがツボを心得ているので、楽になる。ほんとうに感謝。このとき分娩台には三人いたのだが、助産師さんは二人。一人は私につきっきりになってくれた。
 私が一番恐れていたこと、会陰切開。でも、いざ分娩台に上がると、先生!早く来て切ってください!って思ってた。医者が現れないと、まだまだ生まれないってことだから。(後で聞いた話、まだ完全に開いてないから、医者も来てなくて、いきんでいいよと助産師さんが言ったので、いきんでいると肛門近くまで裂けた人がいるって。怖くなった)
 カーテン一枚で横にいる人たちの様子がわかる。右の人も騒いでいるがマメ母ほど大声でない。しかも冷静「すみませんー、痛いんですけど」って。真ん中の人はあまり陣痛が来ないようだ。「飴食べていいですかー、お腹すいて」とか言っている。
 やっと、いきんでいいよとお許しが。無我夢中でいきむ。「ウンチをするように」と聞いていたので、その通りに(うちの病院は浣腸も剃毛もしない、出てもしょうがない!幸い私は夜中の陣痛と共に大は出てた)。いきみ方が上手いと言われる。早く出てくれ!「赤ちゃんもがんばっているのよー」こんなとき、赤ちゃんのことなんか考えられない。すまない、マメ。私は痛いんだよ。
 出産は、月の満ち欠けと潮の満ち干に関係すると聞いていた。12月25日はたしか新月だったはず。そして、潮も朝8時だったらしい。その前後2時間だったかな(うろ覚え)で生まれるらしい。もう過ぎているが、その時間を逃すと次の潮まで待たなければならない。それは夕方。絶対無理!そんな時間まで待てないと無理にいきむ。
 ああっ、切られる感触が!何度も「もう一度!」を繰り返して、ようやくマメ誕生!13時16分。初めての陣痛から12時間弱。生まれてすぐのマメを抱いて「ありがとうね」とつぶやきました。
 結局いつ破水したのか、わからなかった。トイレでいきみすぎたから。
 想像していた生むときの痛さよりも、いきんでいいよと言われるまでの陣痛のいたさのほうが辛かった。もう一人…なんて考えてもこの痛さを覚えている限り無理!呼吸法なんて、いつ使うのぉぉぉ!
 その後、後陣痛がおこるのを待たずに、もう一人の助産師さんがマメ母のお腹をぎゅーっと押したら、何かがポーンと飛んでいきました。あれ何?見えなかったのがよかったのか、でも何が出たか知りたい…。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: