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2009.05.25
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93

カテゴリ: 息子とのあゆみ




キラキラとした大きなツリーが飾られ、24日に向けて
日々少しづつ飾りも増えていくように見えた。

2メートル近くあるツリーは大人の私たちすらワクワクする
気持ちにさせられ、院内を行きかう子供達はそれ以上に
近づいてくるクリスマスに心を躍らせ浮き足だっていた。

この月に2回目の大きな機械が必要な検査があり、
擢斗は久しぶりにICUから出て1階の大きな検査室へとの移動があった。

1度目と同じ、大きな移動には大きなリスクがあるという
説明を受け、同じように不安に駆られた。

大きな呼吸器から離れて、先生が押す手動のポンプが擢斗の呼吸を
助ける形での移動になる。


そんな時にどんなリスクがあるか、
どんな体力的消耗があるか、


万一の事があった時の為に、重ねて様々な説明があった。

3階から1階へのたったチョットの移動が
あの子にとって、想像も出来ないほどのストレスと疲労になる。


検査当日は、1度あの子の体調が思わしくない為に延び、
すこし予定日よりも遅くなった。


大きなベッドに小さな擢斗が、
大勢の看護師さんと、
真剣な表情でポンプを押す先生に囲まれて、
移動する。



ベッドの上には手術室へ移動した時と同じように、
酸素濃度?を測るような小さな機械やら
色々なものが乗っかっている。

ゆっくりゆっくり、

沢山の看護師さんにベッドが押されて動きだす。


関係者だけが乗る大きな広いエレベーターは
一気にキュウキュウになって、
広々とした空間にいるのはベッドに横になっている擢斗だけだった。


エレベーターはいつも私たちが
夜や、休日に使う裏口の近くに出る作りになっていて、

丁度、面会客が何故か裏から入って来たらしく、
珍しく扉が開いていた。


開いた扉から天気の良い12月の少し冷たい、
心地よい風がフワッと入って擢斗の髪の毛をそよそよと一瞬だけ
動かした。


私の他に誰か気づいていただろうか。

生まれて初めて風があの子の身体を触った。


眠っている擢斗に
今のが風さんだよと
心の中でつぶやいた。














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Last updated  2009.05.25 13:22:57
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