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2009.06.17
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95

カテゴリ: 息子とのあゆみ



パパ(旦那)と母に伝えたのは、私で、どちらも電話でたった。

2人ともやっぱりな同じ反応で、
私と同様、最初に喜び、後から声のトーンが落ちた。

言い方も考えたが、悩んだ結果、先生に聞いたとおり、
先生のまま伝えたから、まぁ、当然の反応ではあった。

特に落ち込んだ声を出したのは母の方で、

『そぅ…』

それだけだった。


その後、勿論先生の話のまま、今大きな問題も無いし、成長もあるという話を付け加えたが、声の低さは戻らなかった。


あの時は、擢斗の事で頭がいっぱいで気づけなかったが、
母には母の想いがあったようだった。

孫を想う心。
子を想う心。
将来を想う心。


口では分かっていると言ってはいたが、この時の私は多分まだまだ理解が
浅かったのだと思う。

落ち込む母の気持ちが、なんだか贅沢に思えて納得がいかなかった。

一緒に喜んでくれると思ったのに…

そんな不満が携帯を当てる右耳に固まるような感覚があった。




今はどっちのが正しいかなんて無いと思える。

私は親として、どんな形でも側にいてくれれば良かった。

でも母はきっと擢斗の幸せの他に私の将来も考えていたのだと思う。
自分はいづれ必ず歳をとって先にさよならをする。
その後もし私にも何かがあったら擢斗は?


そんな時に、不安材料になるようなことはもう1つも母にとっては
許せなかったんだなと。




何処に行こうとしていたのかはもう覚えていないけど、
私は病院とマクドナルドハウスから徒歩5分ほどの駅に歩きながら
この電話をしていた。

とても天気がよく、寒いながら気持ちが良かった。


私は少し面倒になったような口調で

『もし、お母さんが考えるような事があったとしても、
それで擢斗がいなくなってしまう訳ではないし、そうなったらそうなったで、
擢斗はずっと私たちの子供のままでいてくれる。そこで私は又違う幸せがあるから。』

そんな事を言って電話を切った。




その瞬間は辛かったり、嬉しかったり当たり前にやってくる喜怒哀楽も、



大きなベッドに小さな擢斗。


その大きな存在があるからこそ。

小さな喧嘩もイラつきも、
今では幸せだったなと想う。



あの浮腫みも嘘のように取れ、
ほっそりした顔と身体に、太ももの付け根に太い針の点滴、
腕にはそれよりはずっと細い点滴、
鼻にはミルクを飲むチューブ、
口には相変わらず太い呼吸器の管、
おちんちんにはオシッコを流す細い管、
そして、胸の開きを覆う大きなガーゼ。



他人から見たら可哀想な光景でも、
私達には、元気に近づいている証拠が色々な所に確認できるように
なってきた不幸ではない光景だった。


数え切れない程あった点滴の数は激減し、
心臓に送る薬も殆ど無くなった。

腕に通る点滴の針の数は変わらないけど、
その針と管の先に陳列されたお薬達は少し少し減った。

なにより心臓の浮腫みは落ち着き、
閉じれる日を待っていた。









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Last updated  2009.06.17 11:08:52
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