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2006.10.13
XML
カテゴリ: 大口径開放戦線





さて、昨日はキヤノンF0.95の近接付近でのボケ具合について考察してみました。今日は絞りによるボケ方の違いについてごらんいただきたいと思います。


撮影方法等について。

カメラはライカMP。三脚はハスキー。レリーズはプロンター。露出計はミノルタ。フィルムはインプレッサ50。

撮影距離は1メートル。ピントは中心の棒の表面の赤と白の塗装のコントラスト部分。

時間は夕刻前。日陰での適正露光とした。同じEV値で9枚をちゃっちゃっと短時間で撮影したので、太陽高度変化による露出の違いは無い。念のため撮影前後で計測したけどコンマ1の違いも出なかった。

フィルムスキャナでスキャン。設定は、約600万画素、色調とコントラストとUSMはゼロとした。掲載データは、1/4にリサイズのみ行った。


ということで、どうぞ。





F0.95




F1.4




F2.0




F2.8




F4.0




F5.6




F8.0




F11




F16





掲載サイズを小さくせざるを得ないので、詳しく観察することは難しいかもしれませんので解説を少々入れたいと思います。

まずやってみて驚いたのは、 「F0.95とF1.4とあんまり変わらない?むしろF1.4の方がボケてる?」 と思ったこと。しかしながら拡大して観察すると明らかにF0.95の方が大きいボケになっています。なぜなのでしょうか。

レンズには収差が発生します。収差は、軸上色収差、倍率色収差、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差(樽型と糸巻き型)の7種類です。この内、絞りを小さくすることによってある程度改善されるのが軸上色収差、球面収差、コマ収差、ある程度軽減できるのが非点収差、像面湾曲、改善されないのが倍率色収差、歪曲収差です。

F0.95は収差のオンパレード、収差の総合百貨店、収差の大見本市みたいなもんです。ただしレンズ構成がガウスタイプ(ダブルガウス)なので、2つの色収差はあまり感じません。わからないだけかもしれませんが(汗)。

したがって、F0.95から1段絞ったF1.4だとしてもかなり収差の改善が進むと思われます。顕著なのは球面収差とコマ収差でしょうか。F0.95は全体的にコントラストが低く、フレアっぽくふわーっとして、白いものは特に滲みが発生しています。恐らく球面収差が全体的に発生し、コマ収差が周囲にあるからでしょう。また非点収差の点の動きみたいなものもぐっと少なくなると思います。画面左上の蔦のボケからの推測ですが、F0.95だと混ざり合った収差のせいで蔦の影がにじんで形を逆に形成しているように思えます。ところがF1.4だとそこが改善されてすっきりするため、形が溶けるようになくなって逆説的にボケが発生しているように感じます。

この傾向はF2.8程度までぐんぐん進むように思えます。最短距離に被写体があれば、F2.8程度でも奥にボケ感を得ることができそうです。

F4.0、F5.6やF8.0まで来ると、被写界深度域が増え、収差も改善されるために、かなりシャープ感が出てきます。ものの存在感が発生してくる絞りです。

F11やF16になると、シャープ感もピントも合ってくるし、手前のボケを見るとコマ収差、非点収差、像面湾曲がかなり少なくなり、ぴたっとした像を結んでいます。

まぁ、F4.0以上の収差の改善感はどんなレンズにも言えることですがねぇ。

それから収差以外のことでの注目は、ビネッティング、周辺光量落ちについてです。F0.95では周囲はもちろん中心部に向かって明らかに暗くなっており、露出不足を招いています。それがF1.4になったとたんに、パァンと霧が晴れたかのように周辺の明るさが出てきます。中央の棒で比べれば、中央の露出が変わっていないことがわかります。F2.0だとかなり解消されます。特に手前を見ると明るさの違いが顕著です。

最初に思った開放のボケについて再考なんですが、収差の乱れによるボケ具合に加えて、口径食から来る像の乱れもF0.95なのにF1.4よりボケていないような感覚を呼んでしまうのかもしれません。

ここまできたらぜひとも機会があれば、同じ世代のキヤノンF1.2、F1.4、F1.5、F1.8、F1.9、F2.0、F2.2、F2.8、F3.5と比べてみたいですね。>つか、作り過ぎだったのでは?

今回の実験撮影結果をざっと観察したぐらいでも、ますます興味が増えるレンズです。基本的に残存収差がひどすぎるから悪いレンズとは言えない訳で、その辺をうまくコントロールしてあげれば、こんなに面白いレンズも存在しないことでしょう。まぁ、開放以外で撮影することは少ないと思いますが(笑)。

みなさまはどう感じましたか?



「大口径開放戦線」




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Last updated  2006.10.13 22:19:42
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