うつっ子、花ちゃん

うつっ子、花ちゃん

うつっ子花ちゃん、入院生活の始まり。



 まずその1は、入院日のこと。その日は雨で、大きな荷物を抱えて、電車で病院に向かいました。荷物が重たーい。音を上げた花ちゃんは、最寄り駅からタクシーで病院に連れて行ってもらいました。1メーターなのに、にこにこ親切に荷物の上げ下ろしもしてくれた運転手さんに感謝感謝です。

 病院に入り、手続きを済ませ、いよいよ病棟へ。先生が荷物持ってくれました。ありがとさんです。

 勤務室で、まず、荷物検査が行われました。カッター、I字かみそり、T字かみそり、速攻没収。工作で使おうと思っていたはさみは、お預かりで、使う時に貸してくれるということでした。

 そしていよいよ、病室へ。4人部屋の右側の窓際でした。そのころいた、Uさん、Wさん、もうひとり若い女の子、みんないい人達で、何もわからない花のお世話をよくしてくれました。けどこのUさんは、少々のおしゃべりさんで、いつもなにか話していました。愚痴が多かった、かな。花はふんふんと、聞くだけ聞いていました。

 若い女の子は、すぐに退院し、その後、今度はおばあちゃんTさんがやってきました。気のいいばあちゃんという感じで、花は、このお部屋がとっても好きでした。ずっとこのままでいたい。でも、みんな、退院していっちゃうんですよね。花ちゃん、そんなにみんなと関わっていなかったけど、お別れするのはやっぱり淋しいね。

 さあ、花ちゃん、入院生活のスタートです。

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