うつっ子、花ちゃん

うつっ子、花ちゃん

先生の恐るべし復讐。



 スルスルスルー。花の右鼻から、長ーいチューブが入っていきました。「こんなに入れやすい患者さんは初めてだよ。」先生、ちょっとどころか、そうとう楽しそう。

 この日から、花の鼻管生活が始まったのです。先生め、なかなかやるなー。朝、昼、夕の1日3回、1回400mlの栄養剤と、100mlのお水。計500mlが花の右に刺さった鼻管から注入されるのです。

 入院前、殆ど食べていなかった花。苦しい。500mlは苦しい。花ちゃん、ゴロゴロ転がって、苦しくて気持ちわるくて、泣きそうでした。たまに耐え切れず吐いていました。

 「先生、花がご飯食べなかったからって、こんな仕打ちを…」花は先生をちみっと恨みました。そして、1日3回も栄養剤を注入しに来て、「大丈夫?」って聞いてくる看護師さんもちみっと恨みました。「大丈夫じゃないっていってるじゃん。」

 そんな生活が5日間続き、花は音をあげました。「ちゃんと食べるから、抜いてください。」先生は、「わかったか、うしし。」といわんばかりに、鼻管を抜いて食事を開始にしてくれました。

 「全部食べる」花は頑固者。この日から、花はお食事を残さなくなりました。侮れない、花の主治医K先生。徐々にカロリーを上げ、1500kcalまで上げられても、花は負けずに完食。花の復讐です。お腹パンパン。それでも諦めなかった花。

 この勝負、花の勝ちかな?

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