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アクシデント1



真っ暗闇のなか、突然の人影。
瞬間的にブレーキを踏むが、間に合わない。
ゴンッ!!という鈍い音がして、誰かが、跳ねた。

(やっちまった・・・)

数メートル先で、車は止まった。
俺はハンドルを握る手が、じんわりと汗ばんでいくのを感じながら
車内でじっとしていた。

怖い。

とにかく、怖い。どうしたらいいんだ。

恐る恐る、車のドアを開け、外へ出て様子を伺う。

一体誰なんだ、こんな人気のない田舎道を真夜中に、車目掛けて飛び出してくるヤツは?
死んでしまったのか?動かない。うつぶせに横たわっている。
このまま逃げてしまいたい。とっさにそう思った。
だが、さすがにそれはできない。

女だ。

近づいてみると、Gパンを履いて短い髪だが、確かに女だった。

「あの・・・すみません・・・大丈夫ですか?」
声をかけてみる。身体は震えているのに、なんて冷静な声なんだ、俺は。

「・・・う・・ん・・・」微かに声がした。
俺はとたんに我に帰って傍らに駆け寄った。

「大丈夫?ね、」
「い、たい・・・」
「どこが?」
「顔・・」
「顔?」そう言って、俺は女を抱きかかえ、仰向けにして顔を見た。

うわ、きれいなひとだ。
目をつぶっている。そのまつげは長く、そして顔立ちは・・・
おととい見たAVに出ていた女優にどこか似ている。
不謹慎だが、すぐさまそう頭に浮かんだ。
俺、そいつで3回もイッたんだっけ。
だめだだめ!ぶるぶると頭を振る。

「大丈夫?」
「うん・・・」
「病院に行く?」
俺の問いかけに女は、首を横に振る。

「家に帰りたい・・・」

そう言って、女は俺の背中に腕を回した。

細く柔らかい身体、そして、乳房の感触。
不覚にも、俺は勃った。

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