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アクシデント15


でもしちゃったら、止まんない。
止められるほど大人じゃねーもん、俺。
でも、そんなこといわれちゃったら
していいよ、なんて見つめられて言われちゃったら
しなきゃ男じゃねーし。

どうする??俺。

「やっぱ、やめとく」俺は決断した。賢明だろう、その方が。
「どうして?」彼女は聞く。
「どうして、って、、、」
彼女は俺の言葉の続きを待つ。
「いや、だから、その、ね?」
「なに?」
そんなに真顔で聞くなよ。
「したら、もっと、したくなるから」ね?わかった?
「何を?なにをもっとしたくなるの?」
「え??だから、、さ。」
「うん」
「、、、触りたくなるっつーの?」
「触りたくなる?」
「そう」
「何を?」
俺は噴き出した。
「あははは!キミを。キミのことを、だよ」

「どこを?どんなふうに触りたくなるの?」
子供みたいな顔で真面目に聞いてくる彼女。どうしたらいいんだよ。
「うーん、たとえば、、、」俺はとうとう手を伸ばす。
「ここを、こんなふうに・・・」そっと、彼女の顎を撫でる。
ピクンっと、彼女は反応する。そして、ゆっくりと目を閉じた。
俺はその、彼女のその反応を見たから、もう止まらなくなる。
彼女は、俺のスイッチを押したんだ。

上体を起こして、彼女に近づく。
顎を触っていた手の平を、首筋に滑らせる。
そして、触れるか触れないかの力加減で、ゆっくりと撫でる。
きっと彼女はその俺の手の感触を味わっているのだろう。
俺の次の動作を待っているような気がするんだ。
俺はそう思うことにした。

彼女は、俺を待っているんだ、と。

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