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アクシデント18


俺は彼女から体を離した。
そして仰向けに寝転がり、天井を見つめた。
「・・・どうしたの?」
彼女が心配そうに、小さく訊く。
「いや、なんか」
「うん?」
「なんか、こういうのって、、、知り合ったばかりなのにさ」
「・・・うん。でも・・・」
「ん?」俺は彼女の方を向く。
彼女も俺の目を見る。
「嬉しかった。それに、ね」
彼女の次の言葉を聞きたかった。
「なに?」
「・・・コウヘイさん、上手」
「あはは。ほんとに?そんなこと言われたことないよ。・・・ねぇ」
「え?」
「なにか・・・思い出した?」
「・・・ううん」
「・・・そっか・・・」
「ごめんね、期待させちゃって。思い出すかもしれないなんて言って」
「いや、無理しないで。無理しないでいいよ」
俺は繰り返して言った。

そう、もうちょっと君に
ここにいてほしいんだ。
俺のそばにいてほしいんだ。



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