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アクシデント21


そっと、くちづけする夢を見た。

花芯に指で触れてみる。
つるつるとして、そして
ぬるぬるとしたそこは、俺の理性を失わせる。

もう一度、今度は口に含む。
むせるような百合の香りに、めまいがするほどだ。

花芯を舌で、ころがす。
白百合の花が、震える。
感じているんだ。

俺の舌の動きに
感じているんだ。

同じことを
ユリコにしたい
と、思う。

ユリコの敏感な部分
くちびる
うなじ
乳房と、その先端
内股を開かせたその奥の
ぬらぬらと光る場所

すべて触れたい、舐めたい
感じさせたい。

ユリコの恍惚とした表情と
囁くような、あえぎ声で
俺も、感じたいんだ。


そんな夢に酔っていたのに
真夜中に突然、目が覚めた。

ユリコに目をやると
すやすやと眠っている。

「ユリコ・・・」
そう呼んでも、ユリコは目覚めない。
君は、ユリコじゃないから。

君の名前を知ることは
本当の君を知ること。
本当の君を知ったとき
俺は、君を失うのか。

君のことを、知りたい。
そのためにまず、抱きしめたい。
俺は男だから
そう思うんだ。
そう願うんだ。

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