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玲子30~カウンターの下で~


店にやってきた慎司は、「出るよ」と、ぶっきらぼうに言うと、座りもせずに店を出た。
私達はタクシーに乗り込んで、赤坂へ向かう。
交差点の手前で降りると、何も言わず慎司は1人で歩いていってしまう。
私はしかたなく、後を追う。
怒っているのだろうか・・・
私は戸惑いながらも、細い間口の階段を、慎司の後について降りていった。

ドアを開けると、カウンターだけの狭いバーだった。
一番端の席に座る。
出されたおしぼりで手を拭いて、慎司は「フォアローゼズのソーダ割り」を注文した。
「玲子は?なににする?」さっきとは打って変わって、優しい顔つきだ。
よく判らない男ね。
私もロックを注文した。

料理も何品かオーダーし、手を付けた後で、いきなり慎司が私に耳打ちした。
「今から、トイレで、パンティ、脱いできて」
私は驚いて慎司の顔を見る。
慎司は、どうしたの?さぁ早く、とでも言いたげな表情だ。
慎司の顔をじっと見つめる私。慎司は表情を崩さない。
これも命令なのね。
「私」から「アタシ」に、スイッチを切り替える。
本当は・・・今夜は「私」でいたかった。
アタシだって、そんな日もある。
他人に優しくされたい、弱気な日もある。
それでも慎司には、通用しない。それに、慎司に弱い自分を見せたくなかった。
アタシは、立ち上がる。アタシは慎司にとって、玩具のようなものなのだ。
お望み通り、玩具になってやるわよ。

バーのトイレで、ショーツを脱ぐ。シフォンのフレアスカートは、歩くたびに裾が揺れる。
注意深く歩いて、席に着く。上擦った心を落ち着かせるために、バーボンを一口飲んだ。
「どんな気分?」ニヤニヤして、慎司が聞く。
「どきどきしてる?」
「別に・・・」アタシは顔も見ずに、そっけなく答えた。
「ふうん、そう・・・」慎司はそう言うと、右手をアタシのスカートの中に滑り込ませてきた。
「・・・!」アタシは逃げようと、腰を動かすけれど、カウンターのイスは床に固定されていて
動かない。
アタシと慎司の距離は、肩が触れ合うほどに近い。
ゆっくりと、慎司の手は、アタシの腿の辺りを撫でる。
緊張で、思わず力が入る。
「玲子、もっと、リラックスして、感じて」
そっと耳元で、慎司が囁く。
徐々に、股の内側に指先が伸びる。
もっと脚を開いて、と、慎司の指がつんつんと突いて合図する。

とくんとくんと、胸が高鳴る。
また、アタシは、
慎司ノ指ヲ、欲シガッテイル。感ジタイト、欲情シテイル。
そう自覚するかしないかのうちに、すでにアタシの中心から蜜が溢れ出す。

ゆっくりと、脚を開いて、慎司の指を受け入れる。
アタシのアソコが、慎司を待ち焦がれる。



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